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フレデリックはサンドイッチをつまむか

哲学者フレデリックは考える。
それは生産性からかけ離れている行為である。
何も生み出さず、ひたすら考え続けるフレデリックだったが、社会からのけものにされる。
働かざる者食うべからず。
そうか、食うべからず、か、とフレデリックは働き口を探す。
けれども、哲学者である。
いちいち気になることが世の中には多すぎる。
探そうとするけれども、起こることが気になりまた考え出す。
腹が減る、が仕方ない。
フレデリックを見た優しい人がサンドイッチを恵んでくれる。
ありがとう、とも言わずフレデリックは考える。
考えるために生まれてきたのである。
考えることをやめたら、そこで試合終了だよ、と言われた。
誰に?
天に。
フレデリックは脇目もふらず、サンドイッチを食べながら、考える。
そして、あるひ、気づくのだ。
考えることはなんの意味ももたらさなかった。
結果的に。
考えるだけではいけない。
僕らは動き出さねばならない。
考えを実現されるために、一歩を。

サンドイッチはうまかった。とてもうまかった。

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