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頼む、算数もう少しで良いから書いてくれ

長男からは算数の丸付けを頼まれていた。理由は、自分でやると採点時に正解が見えてしまうためで、なるべく不正解の時はバツだけつけてもらって、再度解くようにしたいと言った。

このプロセスの中で最初に気づいたのが、長男が途中式をかなりの確率で書かないということだった。以前から、得点につなげるためには書く事が大切で、解答さえ合っていれば良いのではなく考えを伝えることが重要だとは塾からも言われていた。

問題によってはもちろん書いて考えてはいた。しかし、まだまだ足りない気がしてならなかった。

例えばどういう時に書かないのか

いくつか覚えている物の中から具体例を拾ってみる。確か1年以上前、ある難関中学の問題を何かのきっかけで出してみた際に、いきなり「○の倍数になるはず」と言ったことがあった。こうこうこうだから、○の倍数になるはず、ではなく、○の倍数になるはず、書いて確かめてみる、という順だった。

次に、こちらは中学受験とは関係ないが、農林水産省のHPにあるクイズが面白いと聞いて解いてみた時のこと。これも長男は書かずに解いた。それで書いて説明してほしいと頼んだら、その方が何倍も時間がかかってしまった。どういう風に書き表して、今どこまで書いたのかの整理に手間取っていたと思う。書く時の方が負荷が高そうな印象だった。

『マフ塾クイズ』農林水産省


のちに凡ミスこそが命取りと気づいてからは、思考力問題ではなく技術的な計算問題であっても見直しをしてミスを防ぐ習慣をつけさせようと取り組んだ時期があった。その時にやったものの一つに「一行演習問題」があった。

しかし、以下の問題は式を書かなかった。私にはこれをどうやって書かずに解くのか見当もつかないのだが。危なっかしいから式を書いてくれと言っても長男は戸惑っていた。「偏差値50以上の人はこの問題はたぶん書かずに解くと思うよ、、。」と、嫌味ではなく、それが普通だと思うんだけどダメかな?と困り気味になっていた。

2013年 城北中
https://www.nyushi-sugaku.com/ichigyo/sansu_i01.pdf

解答はこのようになっている。

https://www.nyushi-sugaku.com/ichigyo/sansu_ik01.pdf

いずれにしても長男は解答に書かれているほどの分量で記述することはなかった。解答はかなり親切であり、試験本番ではさすがにここまでの丁寧さでやっていたら間に合わないだろうから、そこは問題とは思わなかったのだが、せめて確認を兼ねて書いてみると不用意に点を落とさなくて良いのではないかと思ったのだった。

なお、分数でもう一つ気になったことがあった。『声の教育社』の過去問を解いている中で、解説を見ていると、答えが「3 (と)1/2」と書かれている所でも、長男は絶対にこの形にせず、「7/2」で解答し続けた。

答えは同じであるため減点されることはないと思ったが、私にとっては不安で仕方がなかった。解答がわざわざ「3 (と)1/2」に直しているということは、こっちの方が求められているのではないかと言ってみたのだが、長男は特に指定されていない限りは、この形に直す時間がもったいないと言って、それこそ、そこでミスしたらどうするのと言って変換しなかった。とにかく意味の無いところに気を遣うのはナンセンスといった感じだった。

しかしやはり弊害もあった

書かなくても正解する問題も多い一方で、やはり凡ミスも結構あった。あとは見直しをしないために、うっかりすることも多かった。

例えば、平面図形の求積で、「影の部分の面積を求めなさい」とあった際、長男はこの時も式を書かずに答えだけを書いたのだが、しかしその答えが影の部分ではなく、白色の部分の面積だった。

手順としては、白い部分の面積を計算した後に、平面図形の全面積から白い部分の面積を引くことで影の部分の面積が出るようになっていたと思うが、最後の手順を抜かしてしまっていた。

そしてこの手のうっかりは頻度としては低くなかったように思う。

求めた数字のうち、一番小さい数字だけを解答すれば良いという問題でも、見つけた数字が3つあったとしたら、それら全てを記載してしまったり、答案用紙にkmの単位がついているのに、計算した際の数字をそのまま記入して小数点の位置がずれていたり、本質的ではないかもしれないが、もったいないミスは散見されたのだった。