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偏差値

中学受験の算数で繰り返しフリーフォールを経験しようとは思ってもみなかったのだが、おかげで算数は印象に残り思い出になった。一時は抑え校のつもりだった学校が挑戦校にしか見えなくなったりと、生きた心地がしない時もあったのだが。

我が家はそんな中でも偏差値を理由に併願戦略を変えることはなかった。自宅からの距離を理由に変更した学校が2、3校あったくらいだ。思えば我が家は最初の段階からあまり偏差値を見ていなかった気がする(夫は見ていたかもしれない)。

フリーフォールの恐怖を体験して初めて各校の偏差値をまともに見たような記憶だが、その時、この偏差値だと全然抑え校になっていなかったし、なっていない学校をこの先も受けることになりそうだと、更なる恐怖を感じたのを覚えている。また、たまたまではあるが、距離を理由に併願校を変更した結果、受ける学校の偏差値はどれも上がってしまっていた。

距離と引き換えに偏差値が上がって、意図せずハイリスク・ローリターンになってやしないかと考えたこともあった。

ところで偏差値で思い出すのは、一部の学校の偏差値が自身がイメージしていたより随分と高かったこと。これは後に調べると分かったのだが、受験偏差値(入試タイミングでの偏差値)は必ずしもその学校の偏差値とは一致しない。同じ学校でも受験日を複数回設けていると、受験日によって偏差値が異なっていることからも頷ける。

ただやはり偏差値は偏差値なので合否を考える時には役に立つ。持ち偏差値が高ければどんなに倍率が高い所を受けても合格に至る可能性が高い。

一方で矛盾するようだが、持ち偏差値が足りていても賭けになりそうな予感しかしない受験も経験している。長男が受けた学校の中に算数と理科の配点が高く、国語と社会の配点が低い学校があった。いわゆる理系コースだったのだが、この配点を見たとき思わず再考を促してしまった。

私 :これは厳しい、理系科目の配点が高すぎる。理系で勝負はきついだろう・・。

すると長男がすかさず言った。

長男:お母さん!理系の「理」は、理科の理だ!

確かにと思ったが、理科も計算が多めだとやらかしがちだった。長男は小さい頃から理科の本はよく読んでいたが、その際に計算する姿は見た事がなかった。理科なのに結局算数から逃れられないのかと、長男には不利な戦いになりそうだと思ったのだった。

ただこの学校の理科の過去問はかなり楽しそうに解いていた。楽しいなら受けるしかない。

本番、どうなることかと思ったが、結果は十分に余裕を持って通過していた。信じてやらねばいけなかったなと思ったのだった。

因みにこちらの学校は、塾に通っていた当時、わが家が検討していることを伝えると、塾の先生から「受かりにくい」ため別の学校を受けた方が良いと言われていた。「受かりにくい」の理由は聞いていないが、枠が少ない上に、理系はぶっちぎりでできる子たちがいることを考えると、厳しいということだったのではないかと思っている。

しかし蓋を開けると理系に傾斜のついた試験であってもよく出来ていた。ぶっちぎりだった。突っ走って良かったなと思う。