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親子関係大荒れ時(6)

(5)のつづき

踏み込んで話す

塾の先生は褒める時は褒めるし、相談にも乗って頂いて感謝もしている。長男も親の言うことは聞かないのに、先生に諭されると涙をボロボロとこぼして話を聞いたり、親がお手上げの際には助けていただいた。長男が褒められた時の活力の出方を見ていても先生による効果はある。

しかし、先生の要求が厳しすぎて長男が応えられないことも多い。だがこれを先生は長男が自己管理ができないためだとして、志望していた学校ではなく別のもっと管理の厳しい学校を受けるように長男に言ったことがあった。

長男はこれが堪えたのか、親にすぐに言わなかった。ある時、私が「そろそろ志望校の過去問解いてみた?」と聞いたときに、「俺〇中は受けさせてもらえないと思う。」と言ったために事情がわかった。

どこを受けるかは先生が決めるものじゃなく、長男自身と家庭で最終的には納得して決めるものだよと言っても、「受けさせてもらえないと思う」としか言わなかった。

ここで先生のやり方に反発せず、変に受け入れたようになっていることも不自然に思えてならなかった。そこまで先生の影響力があるというのも大丈夫なのだろうかと思う。

なお、志望校でない所を受けるよう言われたのは、父親が長男をサポートをするようになった後の話で、ペースが上がって先生から「覚醒」したと言われた後のことである。

ほんの少しでもペースが崩れると(先生の期待に沿わないと)、「自覚していると思うが誠実さが足りない」と指導される。これを誠実さの問題とすること自体が不誠実であり、ペースが落ちて当たり前の状況に追い込んでおきながら子供の方を罰すると言うのは行き過ぎではないかと思う。

志望校の話の時は、夫から塾に以下のように伝えている。この時、夫が長男の特性にここまで踏み込んで言及したことは、異例のことだった。


父親より


(※ギフティッドの特性の一部を正確さより分かりやすさ優先で表現)

先生からは、〇中を受けさせないということではなく、〇中生を志すなら本当の意味でそれに見合う人にならなくてはならないというメッセージだったと言われている。

しかし、「志望校を受けさせない」というような、先生がその権限を持っているかのような発言と、具体的に別の学校名を出されて叱責されれば、そのようなメッセージを受け取ることは不可能だろう。

先生はさらに、「受験だけではなく、その先の人生を豊かにして欲しいとの願い、自由を与えられても、人が見ていなくても、自律して責任のある行動を取れるようになった時、本当に〇中を志せる者になるということを伝えたかったし、伝え続けていた」そうだ。

長男からその話は聞いているかと訊かれた。

あくまで伝わっているはずと先生は思っているのか、あるいは本当は自身が感情を爆発させて発言してしまっていたとしても、それを認めずこのように言っているのかはわからない。

また、勧めた別の学校も、入学後の長男の成長が期待できると思って薦めたそうで、しっかり成長して歩むことができるなら、〇中志望に反対する気はないと言われた。


先生より

グータッチで上手く行っていたなんて初耳だった。希に、ごく希に叱られずにセーフだったと我が家が思っていた時、先生はこれを自分のグータッチの効果と考えていたのだろうか。


父親より

夫婦間で塾を巡り意見が衝突することもあったが、長男が守られていることを感じ、安堵したのだった。

話を相談所での会話に戻し、夫も行ってみて良かったと思ったようだ。先方からは、話を聞くだけで良ければいつでも聞きますと言われ、その後は長男も参加して定期的に面談するなど、新しい相談先となっている。

(6)については、2023年8月に書き、受験終了後に投稿しました。