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行動範囲、広がる

小学校卒業後、中学に入るまでの間、長男には一人でどこにでも出かけられるよう、練習しておいたらと伝えていた。

しかし手始めにと、父親が映画館に行く事を提案してみた所、長男はかなり渋ったそうなのだ。

そんな長男だが、今や週末に友達を誘って遠くまで遊びに行くほどになり、あっという間に行動範囲が広がった。先日まで小学生だったのに、早くも大学生になったかのようである。

どんだけ?

一番最初に夫が映画館を提案した際には、「お母さんみたいに迷子になって帰ってこれなくなるから嫌だ」と言って渋ったらしい。

夫 :ことごとくお母さんを引き合いに出すんだよ。『お母さんみたいに迷子になるって』

私 :(苦笑)

最近はGoogleマップがあるおかげで方向音痴でも困らなくなった。

油断しているとやりがちなのは、お店に入るときに左手に曲がって店内に入ると、出る時も左折してしまうパターン。

https://kotonohaworks.com/free-icons/map/

先日も、自宅からそう遠くないケーキ屋さんに次男と行った際、お店を出た所で次男に「お母さん逆だよ」と言われてしまった。近場でGoogleマップに頼るまでもないと思って油断しているといけない。

困るのは電車の駅で、通勤で毎日使っている駅でも下の図の左奥にある階段のように二股になっていると危ない。階段を降りて左手側に来る電車に乗る癖がついていると、降りる階段を変えた瞬間に、逆方向の電車に乗ってしまう。このパターンは何度かやっている。電車が出発した後で聞き慣れない駅名を聞いてはっとすることになる。

https://railway.jr-central.co.jp/station-guide/tokai/ena/map.html


しかし以上はどれも自分で気づいて修正がかけられるという意味では大したことはない。

シンガポールで迷子になった時はどうしようかと思った。

家族で旅行に来ていて、ロープウェーに乗ろうと思ったのだが、チケットの発券は乗り場とは別の、隣の巨大ショッピングモールの発券所でしなくてはいけなかったらしく(なぜか乗り場で発券できないチケットだった)、夫と子供達3人を残して私が一人で発券してすぐに戻ってくるというミッションだった。しかし、発券したは良いが戻れなくなってしまったのだ。

ショッピングモールの構造は唐草模様のごとく、さっき見た光景をまた見るような感覚で、樹海さながら、どっちに進めば良いか分らなくなってしまった。

この時ばかりは困った。店員さんに助けを求めたものの、ロープウェイ乗り場の事は知らないのか分らないとのことで、取りあえず最寄り駅に行ってみたらと言われて行ってみたら、さらに遠くなってしまった感じで、夫とも海外では電話がつながらないし困り果ててしまった。

10分くらいで戻るはずのところ、40分くらい迷子になったのだと思う。そうしたら夫からは電話ができたようでかけてきてくれ、それで私が目の前の店舗名を伝えて、夫が店内マップを見ながら私を右へ左へと誘導してくれて脱出できたということがあった。

これがきっかけで、長男は当時すでに小学校2年生くらいで状況も分ったであろうから、少々トラウマになってしまったようだ。

味を占めた

肝心の長男の話に戻る。お母さんみたいに迷子になったらどうしようと言って渋っていたわけだが、しかし一度映画館に無事一人で行って帰ってこられると、挑戦してみたくなったようで行動範囲が広がるようになった。

例えば目黒の『寄生虫館』に長男が行きたいと言うため、夫の提案で私が長男の電車と1本遅らせて、現地で合流するプランで行ってみることにした。

と言いながら、私は長男と同じ電車の、ただし別の車両に乗っていた。先について驚かすのも面白いだろうと、しかし私自身は目黒駅の出口を見つけるのにまず苦労して駅構内でGoogleマップを使うはめになり、また出口から先の道もGoogleマップを見ても確信が持てないまま、取りあえず歩いてみようかと、時折振り返って長男が迷っていそうなら助けに行こうかと思っていたら、LINEで「着いた」と連絡が来たではないか。

この日、寄生虫館を見終わると、長男は別行動を希望し、一人さっさと別の目的地に行ってしまった。

一人で出かけることに味を占めた長男が次に出かけたのは、つくばのサイエンス施設巡りだった。自宅から一人で行った。

サイエンスツアーバス 時刻表

現地のバスも時刻表を見て乗ったそうだが、一度予定時刻になってもバスが来なかったらしく、バスの位置情報を見たらもう行ってしまったように見えたため、なら仕方ないと次の施設まで歩いて行ったそうだ。しかし歩き出してすぐに乗るはずのバスに抜かれたそうである。可哀想に。

30分以上歩いたと言っていた。また道が相当な田舎だったそうだが、それでよく迷子にならなかったなと思う。

今は怖い物なしのようで、「お母さん、2千円あったら伊豆の方まで行けるらしい。もし家出したらそこら辺くらいまでは行ってるかも。」だそうだ。家出しても良いが行き先はちゃんと伝えてからにしてくれと言ってある。

逞しくなるまでには、電車を逆方向に乗ったり、ハプニングもあったようだが、その都度人に聞いたり、スマホで調べて乗り越えたようだ。

中学生になってからは、今度はせっかくなら新しく知り合った友達も誘ってと、行動範囲、交友範囲を広げ、楽しそうに出掛けている。