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ウツボ料理2019年版

この記事はmohikanzアドベントカレンダー~cooking編~の15日目の記事です。
昨日はこのっこさんのアフリカ料理の記事でした。スパイシーで美味そうな料理でしたね。

さて、今日は私の中で、ここ3年くらい、冬の風物詩となっているウツボ料理について書きます。
ウツボ料理は、まず小魚を買うところから始まります。

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サバでもイワシでも、あるいはサンマでも良いのですが、安い魚を探しましょう。条件は内臓が取り除かれてないこと、あまり大き過ぎないことです。
これを2cm幅くらいのぶつ切りにし、このうち2/3くらいの量は、さらに出刃包丁などで粗く刻んおきます。
写真もあるのですが……、うーん、まあ人によってはグロテスクと感じることもあるかもしれませんので、ここには載せないでおきましょう。
「イメージが付かないので写真が見たい」という人は、ご連絡いただければ直接お送りします。

次は夜を待って海に行きます。
ウツボはやや南方系の魚ということなので、私はだいたい房総半島の南部に行きます。
ウツボは堤防にもいるので、無理して磯に行く必要はありません。
ただ、冬の夜は寒いので、寒さ対策も万全にしておくと良いでしょう。
途中で美味いラーメンなどを食べていくのも良いでしょう。

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ここまで来たら後は、刻んだ魚を近くに撒き、ぶつ切りにした魚を針に付け海に沈めます。
しばらくすると、こうなります。

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新鮮なウツボは危険なので、釣り上げたらすぐに、氷でキンキンに冷やした海水に沈めましょう。
これで持ち帰る頃にはしっかり凍死して安全に捌けますし、鮮度も保てます。
元気なうちに血抜きをする方が良いのかもしれませんが、あまり血が回って臭くなるタイプの魚でもないですし、何より危険なので、やめておくのが無難でしょう。

持ち帰ったら捌きます。
まずは表面のヌメリを取り除く必要があります。
ヌメリには臭みがありますし、捌くのに邪魔になるからです。

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このようにタライに入れて酢(もったいないので安い穀物酢)でよく洗います。ヌメリが白く固まってボロボロと取れてくるので、水で洗い流します。調べたことはないですが、ヌメリはタンパク質で酢によって変性するのでしょう。ともあれ、これを2, 3回繰り返すと表面のヌメリはなくなります。

さて、ウツボはヌメリを取り除いても、少し捌くのに工夫がいります。

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このように、結構でかい(写真の大きいのが90cm超え)上に、小骨の入り方がかなり特殊なのです。

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私は、こんな形で千枚通しで目打ちをして、

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背開きにして内臓を取り除きます(この写真はかなり失敗気味)。
その先は写真を撮ってないのですが、だいたいこんな手順になります。
1. 中骨を取る
2. 頭を落とす
3. 肛門を境により上を切り取る
4. 手で皮をひっぺがす(力と多少のコツが要ります)
5. ヒレ際の骨を切り取る
これでメインの可食部である上半身部分の下拵えが完成です。
なお、下半身は骨がさらに入り組んでおり、出汁にするか、煮て身をほぐしながら食べるなど工夫が必要です。

ここからは下拵えしたウツボを使った料理を紹介していきましょう。

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まずは定番の刺身(左下・右上)とタタキ(左上)です。
刺身では強烈な弾力のある歯応えと、イカやタコを思わせるような旨みが味わえます。
右上はヒレ際の部分、いわゆるエンガワに近い部分です。ヒラメのエンガワなどはコリコリとした食感が特徴的ですが、ウツボの場合はそもそも全身に強い歯応えがあるので、さほど胴体部分と変わりありません。
タタキは表面をバーナーで炙ったものですが、ウツボ元来の旨みに香ばしさも加わり、個人的には刺身よりこちらが好きです。

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こちらは既に出たタタキ(右下)の他に、ヌタ(左上)、浮き袋の湯引き(左下)、頭肉の刺身(右上)です。
ヌタは味噌、酢に柚子皮を加えたものと混ぜ合わせたもの。ウツボは旨みが強いので、こういった強めの味付けも悪くありません。
浮き袋は特別な味はないですが、コリコリとした食感が楽しい一品。
頭肉はウツボのパーツとしてはかなり柔らかい部分。鶏のササミの刺身に近い食感でしょうか(それよりは弾力ありますが)。いかつい顔して、意外と頭は柔らかいんですね。

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こちらはセリ、キノコと合わせた水炊きです。
出汁はもちろんウツボで取ったもの。ウツボとキノコの旨みが合わさって最強に見える。
ウツボはあまり火を通し過ぎないのが良いでしょう。
今回、写真は無いですが、鍋系だとしゃぶしゃぶが非常にお勧めの食べ方です。

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昆布締めも試してみたことがあります。
これはこれで悪くないんだけど、元々身はしっかりしてる魚だし、旨みも強いので、個人的にはそこまで……という感じでした。
ここからは変わり種2品。

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まずは煮凝りです。ウツボはゼラチンを大量に含む魚らしく、アラを煮込んだ汁を冷やすときれいに固まります。
ここに酒、醤油などで味を整えて、柚子皮を混ぜ込んでやったものがこちら。日本酒のアテには上々です。
アラからこそげた肉を入れてやるのも良いでしょう(その場合は小骨が混入しないように注意)。

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最後は頭の煮付け。
紅茶をキメたくなる英国面のスターゲイジーっぷり、口元から覗く八重歯がチャームポイントですが、味わいは上質な白身の煮付け。
よく締まった身質の肉が頭頂部からごっそり取れます。ここには小骨が無いのもポイント高いです。

さて、ここまで冬の味覚ウツボについて、食材調達から料理までとりとめもなく書いてきました。少々手間はかかるので、しょっちゅうとは行きませんが、今後も年に何回は食べていくことになると思います。

皆さんも良いウツボライフを!

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