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7インチ盤専門店雑記255「英国スワンプ」

英国スワンプと言えば、デラニー&ボニーに合流したエリック・クラプトンやジョージ・ハリスンあたりの音を言うのかと思いますが、まあ代表的なバンドとして紹介されることも多い、グリース・バンドというのもありますね。ジョー・コッカ―のバック・バンドが自分たちだけでやったのがグリース・バンドですが、スワンピーな音という切り口から考えると、マッド・ドッグス&イングリッシュメンとシェルター・ピープルの関係も含め、狭い社会というか、きわどい人間関係も含め、中心付近にいた人たちですね…。

名盤の誉れ高いファーストは結構有名盤でしょうが、意外なことにセカンドがあったんですね。 ↓

まあ、ヘンな書き方ですが、自分のレコードラックで見つけて、「アレ?セカンド出てたんだっけ?」となってしまいまして、調べてみたら、ファーストと同じ時期に録音された未発表音源を1975年頃にリリースしたものなんですね。…でもこういうのって、セカンド・アルバムって言うんですかね?言わないような気がするんですけどね。未発表音源集ですよね…。でもね、この盤、ファーストに負けず劣らず、結構いいです。ラジオ番組で特集したくなっちゃいました。

このバンドのメンバーは、
Henry McCullough(g.vo.)
Neil Hubbard (g.)
Alan Spenner(b.)
Bruce Rowland(dr.perc.)
の4人です。ヘンリー・マックローは、ポール・マッカートニーのウィングスに一時期在籍した、なかなか上手いギタリストです。北アイルランドでは国民的英雄と言われるほどの人気者らしいです。まあ、ポール・マッカートニーと一緒に「アイルランドに平和を Give Ireland Back To The Irish」をやった人ですからね。他にも「マイ・ラヴ」や「Hi Hi Hi」とかいった曲の時期に在籍したわけですね。

日本語のウィキペディアでは「ヘンリー・マカロック」と表記されていますが、これは間違いですね。「マクロ―」とか「マックロウ」あたりの音でしょ。もう少し後にジミー・マカロックという若くして亡くなった天才ギタリストもおりましたから混同されるんですよね。スペルがね、Henry McCulloughとJimmy McCullochですからね。凄く似てますけど、マクロ―とマカロック…。

「アイルランドに平和を」って英国で放送禁止になったんですよね。政治的なメッセージ・ソングにしてはストレートですからね…。ジョン・レノンからは「やり方が幼い」と言われたとか。でもジョンも支持表明しているんですと。笑ってはいけないんでしょうけど、笑えますね。「Hi Hi Hi」もBBCとか放送禁止なんですよね。歌詞が卑猥ということで…。ポールさん、やりますね。この2曲の間に「メアリーの小羊」があるんだもんな。スゲーな。

英国で国王の載冠式とかやってますけど、世界各地の英国領で支持率が低下しているという報道もありますね。考えてみれば英国って結構凄い歴史をもった国ですからねぇ…。今更武力衝突は誰も望まないでしょうから、上手く平和的に解決できないものなんですかね?カナダだってオーストラリアだって、それなりに大国ですからねぇ…。英国スワンプって、場合によっては米国南部への憧憬みたいなはなしだけでは済まされない、複雑な心境が織り込まれたものなんでしょうかね。…考えすぎかな。でも、この辺の連中、現実逃避癖がありそうなんだよなぁ…。



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