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7インチ盤専門店雑記309「サウンド・バーガー」

オーディオテクニカのサウンド・バーガーというポータブル・レコード・プレイヤーのデモ機をお借りしておりまして、音楽好きのお客さんたちといろいろ鳴らして楽しんでおります。今日は窓辺にある一箱古本市の常設版のような下町文庫の棚を借りていただいている J さんと遊んでしまいました。いつも2時少し前という絶妙の時間にご来店くださるので、他のお客さんがあまりいらっしゃらないタイミングです。時々は混んでいて驚かれたりもしますが、だいたいOKだったりします。今日も大丈夫、しっかり音出ししてしまいました。居合わせた外国人のご夫婦、珍しがって写真を撮ったりしており、なかなか楽しい空間になっておりました。

お料理をお出しして、早速にサウンド・バーガーを少し離れた位置にあるテーブルにセットしながら「ご覧になりました?」とお声がけすると、満面の笑みで「サウンド・バーガー、持ってます」とおっしゃいます。80年代のオリジナル・リリースのやつをお持ちかと思ったら、「先日ヨドバシで見てなかなかよかったので、買っちゃいました」とのこと、…さすがです。先週夜にいらっしゃったMさんも「もう買うつもり」とのことでしたから、結構売れているのかもしれませんね。

確かに、意外なほどいいんです。十分鳴るんです。J さんも「やはり7インチ盤ですよね」とおっしゃってましたが、LPもかけられるけど、これは7インチ盤向けのプレイヤーですね。7インチ盤で鳴らしたいときに、何とも取り回しがよく、毎度「いいね」と思ってしまいます。そして、ドーナツ盤用のアダプタがゴム製なので、LPのときはスタビライザーがわりとなって安定感が増すのですが、…ということは、穴の小さい7インチ盤がベストということなんですかね?つまりEP盤とかジャズの7インチ盤に多い33回転盤ですね。

というわけで、まず登場したのが、コルトレーンの「ジャイアント・ステップス」です。そもそも「ジャイアント・ステップス」の7インチ盤というだけでフリーズされるレアな代物ではありますが、さらにポータブル・プレイヤーの試聴に使う音源かと言われると疑問符しか出てきませんが、まあ普通に鳴ります。スイスのオーディオメーカー、GENEVAのブルートゥース・スピーカーに飛ばして試聴しておりますが、かなり低音は出るものの、少々クセのあるスピーカーでして、一定音域がそっくり抜けたような鳴りです。ただ低音が意外なほどしっかり出るので、古い音源は古い鳴りという印象です。

その辺を確認するかのように、アストラッド・ジルベルトやらリー・リトナーを聴いたところ、やはりリー・リトナーは結構いい音で鳴ってしまいます。別にダメな鳴りを期待しているわけではないのですが、やはり60年代の音源と80年代の音源では、まるで鳴りが違います。面白いです。

個人的には、古いジャズが意外なほどいい音で鳴るというシチュエーションを作ってみたくて、さらにトミー・フラナガンやディジー・ガレスピーなどを7インチ盤で鳴らしてみましたが、…やはり古さを強調するだけですね。何か古いジャズで意外なほどしっかり鳴るという盤を見つけられませんかね…。まあ、21世紀の盤を鳴らせばそれなりに鳴るわけで、そういうものでデモンストレーションをやるべきですよね。…こんなん鳴らしているということをオーディオテクニカの人が知ったらビックリしちゃうかな…。


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