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さらまわしネタ帳014 - RVG

RVG、ルディ・ヴァン・ゲルダ―、レコーディング・エンジニアとして、ジャズという音楽に最大の貢献をもたらした人物ですが、ブルー・ノートの多くの録音を担当していることで有名ですね。ニュージャージー州のハッケンサックという土地にあった自宅をスタジオをにした時期から始まり、1959年夏からは少し離れたところに新に造ったイングルウッド・クリフスのスタジオでブルー・ノートの多くは録音されたということです。元は検眼技師ですね。1954年頃からはブルー・ノートが多くなりますが、それまではプレスティッジやサヴォイの録音を手掛けています。ニュー・ヨーク拠点のレーベルですね。

手元にある一枚の7インチ・シングル、穴は大きいのでドーナツ盤と呼べるものでもあります。米国オリジナル盤でスリーヴ等はありません。アーティストはチャーリー・パーカー、曲は「Now's The Time / KOKO」。ご丁寧にメンバーもレーベルに記載してあります。

Charlie Parker(Alto)
Miles Davis(Trumpet)
Dizzy Gillespie(Piano)
Curley Russell(Bass)
Max Roach(Drums)

凄いメンツです。上記のメンツは表面「Now's The Time」のものでして、「KOKO」はマイルスがいなくて、ディジー・ガレスピーがトランペットとピアノというクレジットになっています。

そして、この7インチ盤の正体が明かされています。12インチLPでレコード番号はMG-12079、「The Charlie Parker Story」からのカットだということです。サヴォイの名盤ジャズがずらっと並ぶ12000番台ですが、あまり若い番号ではありませんな。12000、12001、12009、12014あたりがチャーリー・パーカーのLPですから、少し遅い。まあ、「チャーリー・パーカー・ストーリー」1945年録音の再発盤で1956年リリースです。すべて辻褄が合いますね。7インチのVinylが発売されたのが1949年。本来の録音は、まだSP盤の時代です。大手のコロムビアやRCAビクターがミュージシャンズ・ユニオンのストで混乱していた40年代に、新進のビ・バップの旗頭チャーリー・パーカーが新興サヴォイで録音する、…歴史を感じさせます。

この盤に「RVG」の刻印があるんです。「へぇ~、そうなんだ」という印象です。ついつい1954年以降はブルー・ノートが中心と思ってしまうんですけど、つまりBNにかなりの時間を割いたとしても、「56年頃サヴォイの再発盤に関してもエンジニアとしてやってたんだ」という事実を、こんなドーナツ盤一枚から読み取って面白がっているだけなんですけどね…、ハイ。

音?…めちゃくちゃいい音で鳴るに決まっているじゃないですか。45R.P.M.ですからね。

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