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アイアンフィストのウォードが好きすぎる②

こんばんは。「生姜さんはどういう人がタイプなんですか?」と上司に聞かれて「葛藤」と答えるわたしです。だって漢字二文字で答えろって言うから。

「花の舞」での小一時間の議論の結果、わたしのタイプは「葛藤する秀才」ということで落ち着いた。

引き続き、NETFLIX「アイアン・フィスト」脇役ウォード・ミーチャムについて。

「葛藤する秀才」

えっ?ウォード・ミーチャムのことですかあああああああ?!?!

彼ったらもう。やっぱりわたしのタイプ、ドンズバなのだ。しかも彼、30歳とかだよね?いやどう考えても見た目は35歳だけどさぁ、そこはフェアリーテイルだからしゃーなし30歳と言う設定を受け入れるとして、彼ってば「2歳下」。ベスト歳の差や!!!!俺はいま歳下マーケットに攻め入ろうとしとるんや!!!脱線した。いや脱線したように見せかけて人生の本題だ。まあそれはええとして。

ウォードの葛藤に毎エピソード、きゅんきゅんくるわけですよわたしゃぁぁ!!(ああいちいち腹から声出すのやめよ)何回にも分けて繰り返し皆さんにこの葛藤を説明します。わたしがシーズン1をちょこちょこ見直しながら書いているので遅筆です。すみません。※誰も待ってない

父の支配への反抗と、父の愛への渇望

彼の葛藤、苛立ちの原因は、一に父ハロルド・ミーチャム、二に幼馴染ダニー・ランドである。↓父と電話するウォード。

まず父ハロルド。このドラマは、ウォードの目から見れば、オイディプス王物語と同じ構造にある、父子対決、父子の殺し合いのドラマだ。ウォードが「父さんが気にかけるのは自分自身だけだ」と形容したように、ハロルドは自分自身の富と繁栄にしか興味がない。息子は、その富と繁栄を永らえさせるための単なる駒だ。息子は自分の思い通りになって当然であり、彼を高級車のコレクションの一つのように扱う。

ウォードは永遠に、この父の支配から逃れたい/父に認めてもらいたいという葛藤のループにいる。

幼い頃から父の支配下にあった彼は、一挙手一投足、すべて父に認められるために行動してきたはずだ。しかし、父にとっては息子は道具の一つ。認めるという感情も、愛するという感情も、そこにはない。ウォードの努力も、ウォードの反抗も、ハロルドの前ではすべて水泡に帰す。

疲れ切ったウォードが、父から逃れようと画策しても、その試みさえもすべて見透かされ、蹂躙される。結局は、ただ自らの無力を思い知らされて終わるのだ。

S1Ep3でウォードはジョイに弱音を吐く。↓涙目のウォード。

W「ジョイ、この現実すべてを投げ捨ててしまいたいと思ったことはないか?」
J「この会社は父さんが残したものよ。会社が無ければわたしたちは無に等しいわ。まさか・・兄さん、本気なの?」
W「わからない・・ただ疲れたんだ」

ウォード涙目ーーーー!!涙目じゃないの!!さあ飛び込みなさい!!飛び込みなさいよ、この極東の一介のビジネスウーマンの胸に!!!あなたの100万分の1もお金は持っていないけれども!!!愛はあるわよ!!!

ウォードは頑張ってるんですよ。めちゃくちゃ頑張ってる。しかもね、嫌な奴なのは、彼にとってはランド社のビジネスがすべてだからであって、生まれつきじゃない。

ジョイが、ランド社工場の有害物質に関する訴訟で自らを責めたとき、ウォードは優しい目をして言う。

”Because you are a good person."

その言葉そのままウォードに返すよ。ウォードだって、いい奴だよ。

むしろジョイは、往々にしてやり手の女性がそうであるように、意外にうまく、感情や愛情とビジネスの折り合いをつける。場面によっては男よりドライになれる。一方、ウォードこそ、自分の人生と会社が一蓮托生になりすぎていて、自己のアイデンティティとビジネスを切り離せない。男の子のほうが、時にナイーヴなのだ。

父からも、父から引き継いだこの会社からも逃げたい。でも自分には会社しかない。ここまで会社に身を捧げてきた自分を父に認めてもらいたい。いや、そうではない、もう、父の声が届かない場所に行きたい。しかし父には自分しかいない・・そんな終わりのない問答を、彼は心の中に抱えているのだ。

父のために、そして父に反抗するために。

その両方にウォードは人生を賭けている。でもどれだけ頑張っても、父は褒めてくれない。本当なら、彼だって、ごく普通の父親の愛を感じたかったはずだ。でもハロルドはサイコパスだから、そんなことは望む余地もない。隣家では、幼馴染のダニーが両親から無償の愛を注がれている。いくら嫉妬しても、彼はミーチャム家の長男であり、ハロルド以外の父親を持つことはできない。

そして、父の愛への渇望は彼の心の底の底の奥底に沈んでいき、いずれ、彼が感じ取れるのは父への憎しみだけになっていく・・・

この父との関係性が、転じてダニーへの嫉妬になるわけですね。はい。なんかすごいちゃんと書いた気がする。気がするだけ。NETFLIXの予告編リンク貼っとくから観てね!!!!


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