窓から横殴りの雨が見えた

雨が降る　ここでも　
シリアでも　アフガニスタンでも
ガザでも　ミャンマーでも

悲しい歴史が起こる時には
雨が降る
この雨はいつまで続くのだろう
サイレンの音　塞いでも塞いでも広がる穴


古くさいレインコートを取り出して
とりあえず歩く　
詰まった取水口からあふれた雨水
それは今はまだ
わずかだが

傘は見えない自由
本当の声はどこからも聞こえない
雨が降る中
ガザの子どもたち　ミャンマーの学生たち
シリアの被災者　そこにさえ降り注ぐ銃弾
アフガニスタンで塞がれた口
悲しいだけではない
僕の傘の向こうでは
いつも何かが切り取られ
その切り取られた破片に
突き刺されながら

切り取られた破片
の
片方を
握っていないか
知らないふりをして
生きていないか
破片はどんどん食い込み
「今　どこに向かって生きているのか！」
雨に　
ずぶ濡れになりながら　
「イマジン」を歌いながら
理想じゃない　雨を止めるのは
そう思い
立ち尽くし