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まことのことばはうしなわれ
まことのことばはここになく
おれはひとりの修羅なのだ

宮沢賢治

書く
書く 美しくないことも
嫌われ者のことばも
そこで起きていることがなにか
おまえはなんのために息をしているのか
ぐうたらな生をのうのうと存えるために
どこかの誰かに うちわぼめされるために
おまえは つまりおれは
書いているのか
書けば偏る
偏ることがあるからだ
こんなことを書けばまた偏る
気持ちが波立つ
それは実際そうだからだ
書く
なにもならないことがなにも出来ないことが
悔しくて悔しくて
悔しくて
たまらないと
書く
なぜ こんなことが起こり
起こっていることを
止められないのか
書いたところで
どうもならない
このムラムラと
平和でいられない
気持ちは
僕だけ
僕の中だけ?
戦争がぶっ壊してしまった
追い込まれたガザ
追いつめられ裸にされ
あらゆる苦痛と屈辱を負わされ
逃げても逃げても行くところがもうない
絶滅を待つしかないガザ
書く
書いたところでなにもないとしても
美しい生き方を封じられた人生を
陽気な歌を歌えない人たちのことを
僕と同じいまここで息をしている
ガザの人の心からの祈りを

修羅の如く
叫ぶ
もうやめてくれ もう充分だろう
理性をとりもどしてくれ
もう戦争を復讐をやめろ
即時停戦を!

2022年に詩集を発行いたしました。サポートいただいた方には贈呈します