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わたしはどうすればいいのだろう
自分にできることは何だろう
伝えられることはなんだろう

たった一人の愛するものを奪われた人へ
語り合いながら家路につく
その途中で無残に殺された4人の男たち
爆撃で飢えで子どもを殺された親が
血相を変えて部屋を出ていこうとするとき

こんなことなら生まれてこなければよかった
しあわせだったのは 現実じゃなかった
何のために生まれてきたの?
何のために生まれてきたの?

わたしはどうすればいいのだろう
わたしはなにができるだろう
自分にできることは何だろう

生きていたいと思えるように 取り戻せるだろうか 記憶の中に言葉を 黒い瞳の中に
蘇らせることができるだろうか 肩甲骨の黄色くとがった肩に
片足を失った子ども 子どもを奪われた親たち 墓さえブルトーザーで
更地にされたふるさと それでも陽に向かって言えるだろうか
破壊された愛に 飢餓の暗い影が迫るガザで 

何のために生まれてきたんだろう?
という問いかけに 
本当の自分を取り戻す日が来ると
悲しみには終わりがあると
その失われた腕と頭の前に 言えるだろうか。


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