見出し画像

「好きなこと」に寄り添う

療育において何が最も効果的だろう。

そう考えた時に最も効果がある事は、その子供の「好きなこと」に寄り添う事だと考える。

それ単独では十分な効果を得る事は難しいが、子供の意欲や自発性というモチベーション全般を考えた時に「好きなこと」に寄り添う事はとても重要な要素の一つとなる。

そもそも好きじゃない事を教えようとしても特性があるなしに関わらず、子供にとってはあまり良い思い出にはならず、「好きなこと」をいかに活用するか、いかに拡げていくかが療育者の腕の見せ所となる。

何かを教えようとするときは「好きなこと」と結びつけると意欲が上がりやすく、「好きなこと」を拡げるときも今「好きなこと」と結び付ける事でより拡がりを持ちやすい。

大人で困難を抱えている方に接するときには「傾聴」の姿勢が大事だと言われる。

では言語のない子どもに対する積極的傾聴とは何かと言うと、①子供の楽しみについていく、②子供が主体となる単語で文の同期を行う、③手助けする、④模倣する。以上4点が言語のない子供に対する積極的傾聴の姿勢であるとESDMの研修では言われている。

どの方法もあくまで、子供の楽しみについていく事であり、こちら側がどのように促すかという事はこの積極的傾聴の後に行われるべきである。

ちなみにASDで最重度知的障がいの我が子の好きは「荒尾ゆめモール」。

日曜日にほぼ毎週行くのだが、朝の8:30頃から60分で30回くらい「ゆめタウン」と言いに来る。

スケジュールを見せて、行くよ!とは言うが、時間の概念が難しいので、納得行かず何度も言いに来る。

10時頃になっていくときには少し小腹がすいており、シティーモールに着いたころには「ポテト」と言い出す。

マックを買うだけで帰ると全く動きもないので、とりあえずシティーモールを一回りする。

ガチャガチャコーナーと絵本コーナーを覗いて、我が家の日曜日のお決まりのマックでのセットを買って、家に帰って食べる。

これがいつものルーティンだ。

ルーティンに寄り添う事と「好きなこと」に寄り添う事は似ているようで違う。

自分に置換えた時に、「好きなこと」をしている時と、「暇だからとりあえずいつもしてること」をしている時とは意味合いが違うはずだ。

それは子供でも一緒だ。特に子供の場合は好きなことへ向かうエネルギーが大きく、そのエネルギーが学習効果を高める事が証明されている。

だからこそ、ルーティンが本当にその子の「好きなこと」かと言うのは確認する必要がある。

そうやって、「好きなこと」に寄り添うだけでも子供な成長していく。

完ぺきではないけれど、「好きなこと」に寄り添う事がなければ、成長は遅くなる。

つまり、それだけで十分ではないが、「好きなこと」に寄り添う事は療育において当然必要なことと言える。

最後に我が子の「好きなこと」に父と一緒に横になって、父の服に手を入れるという事がある。

その行動には父は寄り添わない(*´▽`*)


⇧正しくは「服の上から手を置く」というのを教えている。療育者として丁寧な言葉遣いを気がけます( ̄▽ ̄)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?