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中学数学で最初の山場?【文字式の利用】を徹底攻略!

数学に限らないですが、「説明せよ」という問題は難しいですね💦
その意味で中2数学の「文字式の利用」という単元は中学数学で最初の山場かもしれません。
この記事が少しでもお役に立てばと思い執筆していきます。

それでは早速レッツゴー!✨

⚠️この記事はStudy部で開催中のイベント【立夏のStudy祭2022】のための書き下ろしです。

🍏文字の置き方のコツ

最初に以下のことを理解しておきましょう。
2つの整数m,nや自然数a,b,c…を用いていろんなモノを表していきましょう。

✅偶数(2の倍数)…$${2n}$$
✅奇数…$${2n+1}$$
✅3の倍数…$${3n}$$
▶同様に、4の倍数なら$${4n}$$、5の倍数なら$${5n}$$…と置いていきます。
✅$${a}$$で割ると$${b}$$余る数…$${an+b}$$
▶例えば、「6で割ると4余る数」なら$${6n+4}$$と置けます。
n=0,1,2…と代入していくと、ちゃんと4,10,16…と「6で割ると4余る数」が表現できていることを確認しておこう。
✅百の位が$${a}$$、十の位が$${b}$$、一の位が$${c}$$である3桁の自然数…$${100a+10b+c}$$
▶桁数が変わっても同様の考え方です。
🙅‍♀️$${abc}$$と単純に表記してしまうと「3つの自然数の積」になってしまうので注意。
十の位が$${a}$$、一の位が$${b}$$である2桁の自然数を$${10a+b}$$とした上で、
十の位と一の位の数を入れ替えてできる自然数$${10b+a}$$との和や差を考える問題も頻出です。

✅連続する2つの整数…$${n}$$,$${n+1}$$
✅連続する2つの偶数…$${2n}$$,$${2n+2}$$
✅連続する2つの奇数…$${2n+1}$$,$${2n+3}$$
✅連続する2つの「3の倍数」…$${3n}$$,$${3n+3}$$
▶連続する2つの「4の倍数」なら$${4n}$$,$${4n+4}$$みたいな要領で。
⚠️これらに対して、単に「異なる2つの偶数」などと言われたときは必ず文字を変えて$${2m}$$,$${2n}$$などとする!

⚠️私の熱心なファンの方は大丈夫でしょうが、こういうのは「丸暗記」は絶対NGです。
「どうしてそのように置けばよいのか」を納得できるまで自分の頭で考えてください。それが勉強です。

まずはここまでの内容をしっかり理解してください。
コレがあやふやなままでいくら難しい問題を解いても無意味です。
逆に、上記の内容が完璧になればこの単元はほとんど終わったようなものです。
そのくらい上記は重要です。

上記が完璧にマスターできた方は、この後にお進みください。

🍏問題1 奇数+奇数=偶数?

異なる2つの奇数の和は必ず偶数になる。この理由を説明せよ。

「異なる2つの奇数」は…文字を変えて例えば$${2m+1}$$,$${2n+1}$$と置くのでしたね。
「和」ですから2つを足します。
$${(2m+1)+(2n+1)}$$
ですね。括弧をつけるクセをつけておきましょう。
そのほうがわかりやすいですし、引き算をする際には特に重要です。

異なる文字の項は足せないので、
$${2m+2n+2}$$ …①
となります。

ここで、「偶数になる」ことを言いたいのですから、
2×(整数)
の形を目指すんだ、ということをしっかり思い描いてください。

ですから、①の式はさらに次のように変形します。
$${2m+2n+2}$$=$${2(m+n+1)}$$

分配法則の逆をやるわけです。
2を括弧の外に出すので、すべての項を2で割ってください。

ここまで変形できたらあとは決まり文句を書いて終わりです。
「$${m+n+1}$$は整数であるから、$${2(m+n+1)}$$は偶数である。
よって題意は証明された。」

⚠️「題意は証明された」という表現は覚えておくと楽です。
もちろん、「異なる2つの奇数の和は必ず偶数になる」とちゃんと書いてもよいです。
以下、私の解答例では「題意は証明された」と記します。
問題文を繰り返すことはしません。

🍏問題2 連続する3つの偶数

連続する3つの偶数の和は必ず6の倍数になります。この理由を説明せよ。

ぜひ、自分でやってみてくださいね。

nを整数とし、連続する3つの偶数をそれぞれ$${2n}$$,$${2n+2}$$,$${2n+4}$$と置く。
$${(2n)+(2n+2)+(2n+4)}$$
=$${6n+6}$$
=$${6(n+1)}$$
$${n+1}$$は整数であるから、$${6(n+1)}$$は6の倍数である。
よって題意は証明された。

「6の倍数になる」ことを言いたいのですから、
6×(整数)
の形を目指すのでしたね。

⚠️「6の倍数」は「2の倍数」かつ「3の倍数」ですので、
〇連続する3つの偶数の和は必ず2の倍数になる。
〇連続する3つの偶数の和は必ず3の倍数になる。
も同時に成り立っています。
問題に合わせて、$${2(3n+3)}$$とか$${3(2n+2)}$$とかに変形して示してください。

これに対し、「連続する3つの奇数の和」は3の倍数にしかなりません。
$${3(2n+3)}$$
となるからです。自分でやって確かめてみてくださいね。

🍏問題3 入れ替えてできる自然数

2桁の自然数Aと、その十の位と一の位を入れ替えてできる自然数Bを考える。ただし、Aの十の位は一の位より大きいものとする。
(1)AとBの和は必ず11の倍数になることを説明せよ。
(2)AからBを引いた差は必ず9の倍数になることを説明せよ。

例えば73と37を考えてみると、和は110で11の倍数、差は36で9の倍数に確かになっています。
もう大丈夫でしょうが念のため。

aとbを自然数(a>b)とし、Aを$${10a+b}$$,Bを$${10b+a}$$と置く。
(1)和
$${(10a+b)+(10b+a)}$$
=$${11a+11b}$$
=$${11(a+b)}$$
$${a+b}$$は整数であるから、$${11(a+b)}$$は11の倍数である。
よって題意は証明された。

(2)差
$${(10a+b)-(10b+a)}$$
$${10a+b-10b-a}$$
=$${9a-9b}$$
=$${9(a-b)}$$
$${a-b}$$は整数であるから、$${9(a-b)}$$は9の倍数である。
よって題意は証明された。

引き算のときは計算ミスに注意。
ちゃんと括弧を使っていないとミスが生じやすいです。

🍏問題4 3の倍数の見抜き方

百の位が$${a}$$、十の位が$${b}$$、一の位が$${c}$$である3桁の自然数Nがある。
$${a+b+c}$$が3の倍数であるとき、N自体も必ず3の倍数である理由を説明せよ。

…まず、「このこと自体を知らなかった💦」という方は必ず覚えておいてください。重要知識です。
こちらの記事も手前味噌ですがめっちゃ神記事なのでぜひ読んでおいてください😝✨
本問では説明しやすいように「3桁」に限定してありますが、何桁の自然数でも成り立ちます。

さて、説明問題としてはこれまでと少しパターンが違います。
「$${a+b+c}$$が3の倍数」という条件を文字式で表すと、
$${a+b+c=3n}$$
となります。
これを巧く使ってあげましょう。

$${N=100a+10b+c}$$と置く。
$${a+b+c}$$が3の倍数であるとき、nを整数とすると
$${a+b+c=3n}$$ …① が成り立っている。

$${N=100a+10b+c}$$
=$${99a+9b+(a+b+c)}$$
=$${99a+9b+3n}$$  (※①より)
=$${3(33a+3b+n)}$$
$${33a+3b+n}$$は整数であるから、$${3(33a+3b+n)}$$は3の倍数である。
よって題意は証明された。

$${a+b+c=3n}$$
を利用できるように巧く変形する部分がポイントです。
それさえできてしまえば、あとは今までやったことの応用です。
「Nは3の倍数」であると言いたいのですから、
3×(整数)
となるように分配法則を逆利用でしたね。

ちょっと難しめの問題集には類題がたくさん載っていますので、ぜひ練習しておいてください。

🍏問題5 周期性の問題

2022年の5月1日は日曜日です。
(1)2022年の5月31日は何曜日ですか。
(2)2022年5月のカレンダーにおいて、「月曜日の日付の数字と、木曜日の日付の数字の和」をAとします。(ただしA≦31とする)
Aの数字の日付は何曜日になりますか。その理由も説明しなさい。

ちょっと難しくなってきました。
カレンダーでは7日ごとに同じ曜日が繰り返されます。
こういう「周期性」が絡んだ問題では「余り」に注目しましょう。
そうすると、
✅日曜日の日付の数字…7で割ると1余る数
✅月曜日の日付の数字…7で割ると2余る数
✅火曜日の日付の数字…7で割ると3余る数
✅水曜日の日付の数字…7で割ると4余る数
✅木曜日の日付の数字…7で割ると5余る数
✅金曜日の日付の数字…7で割ると6余る数
✅土曜日の日付の数字…7で割ると0余る数(7で割り切れる数)

となっていることに気がつきます。
ちゃんとカレンダーを見て確かめておきましょう。
いつものように整数nを使えば、
✅日曜日の日付の数字…$${7n+1}$$
✅月曜日の日付の数字…$${7n+2}$$
✅火曜日の日付の数字…$${7n+3}$$
✅水曜日の日付の数字…$${7n+4}$$
✅木曜日の日付の数字…$${7n+5}$$
✅金曜日の日付の数字…$${7n+6}$$
✅土曜日の日付の数字…$${7n}$$

とそれぞれ置くことができます。よろしいですか?

(1)は、31を7で割れば余りは3ですから、「火曜日」ですね。
で、(2)が本番です。
でももうできるでしょう。

月曜日と木曜日を足せばよいので、
$${(7n+2)+(7n+5)}$$
=$${14n+7}$$
=$${7(2n+1)}$$
これは7の倍数(7で割ると余りが0)ですから、土曜日になるというわけです。

⚠️最後の式変形について
今回は余りが0となる最も楽なパターンでしたが、そうでないときの対処法について触れておきます。
例えば「月曜日と火曜日の和」の場合、
$${(7n+2)+(7n+3)}$$
=$${14n+5}$$
となるので、そのまま「余りが5だから木曜日」と判断してください。
余りが6以下であるときは、14で割っても7で割っても余りは同じ数になります。

($${m=2n}$$とすれば$${14n+5}$$=$${7m+5}$$ですね。)

定数項が7を超えてしまう場合
例えば「水曜日と木曜日の和」であれば
$${(7n+4)+(7n+5)}$$
=$${14n+9}$$
=$${7(2n+1)+2}$$
と変形し、余りが2だから月曜日、のようにやってください。

…ちょっと難しかったですか?
でも周期性の問題は入試頻出のテーマですので、ぜひ考え方を身につけておいてほしいです!

🍏問題6 好きな人の誕生日を聞き出す方法

以下の方法で、好きな人の誕生日がわかってしまう理由を説明せよ。

🐣<方法>🐣
「ねーねー、私あなたの誕生日当てられるんだよー!🧡今から言うとおりに計算してね!」
などとまずは相手を誘導します。
そして、以下のことを相手にお願いしてください。
💐まず、あなたの生まれた月の数字を2倍してください。
💐次に、その数字(2倍した後の数字)に5を足してください。
💐その数字(5を足した後の数字)に50をかけてください。
💐最後に、生まれた日の数字を足して、合計がいくつになったか教えてね!

…ここまでで、相手の計算は終わり。今度は、あなたが計算をする番です。🌷相手が言った数字から、頭の中で250を引きましょう!
するとあら不思議、相手の誕生日がわかってしまうのです!

この問題は宿題にしておきます。
どうしてもわからない方や、答え合わせがしたい方はこちらの記事をどうぞ。

🍏おわりに

いかがでしたか?
「実はそんなに難しくはない」
と思ってほしくてこの記事を書いたのですが、うまくいったかどうか。

文字を使っていろんなこと(理由)を説明できる、というのが数学のすばらしさなので、ぜひ味わってほしいところですね。
最後の問題でお示ししたように、恋愛や友情にも数学は役に立つのです。


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