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蒲田で多分整ってた話

今、最高の環境で生ビールを2杯飲み、ふわふわしながらの状態だからなのか、急に更新してみたくなった。

いろいろとあり、8月1日から新たな職場へ転職することになった。転職先は大森。前日の今日である7月31日、前もって通勤の混雑具合を知りたくて実際に出社時間に合わせて職場近くまで行ってみた。

「蒲田から京浜東北線に乗るときは混むなあ」なんて思いながら、もともと決めていた大好きな喫茶店ルアンでモーニングを食べた。ここは何度も来ているけど、本当に大好き。これからたくさんここの前を通れるかと思うとすごくわくわくする。

モーニングを終えた後は、なんとなくせんべろがしたくて(行きたくて?)、「新橋に行ってみようかな〜?」なんて思いながら新橋の昼飲みについて調べてた。なんとなくだけど、ここいいなあとか思いながら大森駅へ向かっていたら、「そういえば蒲田に気になってた温泉あるんじゃなかったっけ?」とふと思い出した。

調べてみると、前からGoogleマップにピン留めしていた“蒲田温泉”がどうしても気になって、温泉へ行く持ち物何一つ持っていなかったけど、新橋とは反対の蒲田駅で降り、汗だくになりながら蒲田温泉まで歩いた。

「あ、あそこだっ!」って蒲田温泉が見えてから少し歩く中で、「お休みだったらどうしよ?」とか不安になりながらも、近づくにつれてたくさんの自転車が見えてホッと一安心。

自分みたいに衝動的に寄りたくなる人たちもいるのか、ありがたく手ぶらセットというものがあったので、770円を払うとピンクの札が出てきた。


もともと興味はあったけれど、こういった類の温泉に1人で来るのは初めてだったので、恐る恐る番台の方に札を出すと初めてってわかったのか細かく説明をしてくださった。

元々のぼせ易い体質であるから、長風呂ができるタイプではなく、今流行りの「整う〜」ってのがすごく羨ましく思っていた。ジムで脱水になって救急車で運ばれて以降、サウナや銭湯に対する恐怖心は前より大分強い。風呂場にはおじいさんがたくさんいて、ちょろちょろっと若いお兄ちゃんがいた。

わからないけど、整いかけているお兄ちゃんが数人いて、なんか真似したくなった。サウナは怖いけど、ありがたいことに“低温湯”と書かれた真っ黒なお風呂があったので肩まで浸かった。

整うには水風呂と外気浴が必要であると聞いたことがある。“俺は整いを知っている人間”ぶりながら、水風呂→休憩→低温湯を3回繰り返した。途中、脱水で倒れた経験を思い出しながらも、あの経験から自分の限界を知ったので、余裕のある範囲でやってみた。「これが整うか!」という感覚には至らなかったけど、なんとなくふわふわ〜っとした感じになった。

脱衣所で体を拭いていると、常連のおじいさんなのか、「冷房の前よりも扇風機にあたった方が涼しいよ」って教えてくれた。普段、こういった会話をすることはないけど、整いかけていたからなのか、そのおじいさんと心地の良い雑談ができた。銭湯のパワーはすごい!そう思った。

お風呂から出ると、2階に宴会場なのか、食事処があった。もともとその情報は知っていたのだけれど、入浴中の後半には「風呂上がりのビール飲みたい〜」って気持ちが大半を占めていた。そんな気持ちが故に、もしかしたら「整った〜」とならなかったのかもしれない。

薔薇色の絨毯の階段を登ると、なんとも最高で好みすぎる風景が視界に舞い込んできた。なんか、すごいステージがあって、カラオケ機器もあって、なんかわからないけど、懐かしいような、ホッとしながらもざわざわするような気持ち。

そこにはさっき雑談したおじいさんとその奥さんの一組だけがいた。「奥さんと来てたのか!」と思った。おじいさんも覚えてくれていて、「おぉ!」と挨拶をしてくれた。そして、奥様へ「今日初めて来たんだって」と説明をしてくれていた。

もう、ビールのことしか考えていなかったこともあり、生ビールを頼むことは確定。あとはどうしようっていろいろと悩んだけど、汐焼きそばがおいしいとのことで注文をした。

席に生ビールが運ばれてくると、それを見たおじいさんが「あんた、飲める口かあ。大学生かと思ってたわあ」と言われた。30歳だとお伝えすると、奥様が「えぇ!!ハタチくらいかと思ってた!若く見えていいわねえ」と言っていた。ここ一年は前髪ぱっつんヘアーが気に入っており、切り立てだったから幼く見えても仕方がない。その会話を聞いて従業員の方も笑われていた。

おじいさんとその奥様はお酒が飲めないようで、クリームソーダを頼まれていた。どうやら、アイスを先に食べる派とアイスとジュースを混ぜて飲む派でやや言い争っていた。結局、好きなように飲むのが一番という結論になってて、うんうんと1人頷いていた。

先に生ビールが運ばれてきたので、ジョッキを顔の前で見渡しながらグビッと飲むと「うまぁ〜〜〜!!!」ってなった。小さい頃、銭湯に行って、父親がビールを飲む姿を見たことがあったけど、自分にとっては初めての経験。衝撃が凄すぎて、焼きそばが来る前に飲み干してしまった。つまみなく、ビールを飲み干したのは初めて。なんかわからず、自然とニヤッとしてしまった。

焼きそばが運ばれてきた時に、申し訳なさそうにしながら生ビール1杯を追加注文した。焼きそばには苦手な食べ物を聞かれたら一番に答えるあさりが入っていたけど、温泉•生ビール•整いかけ全部が相まったのか、抵抗なくパックパク食べれた。なんなら、美味しいとまで思えた。焼きそばを一口食べては、ビールを流し込み、その繰り返し。ペースは止まることなく、気がついたら身体がぷわ〜ってしてた。悩み事がどうでも良くなってたというか、悩み事すら忘れてて、無の状態になってた。

今思えば、あのときの感覚が「整う〜」だったのかもしれない。自分はお風呂と水風呂だけじゃ整えない。お金がかかるけど、追加でビールが必要なのかもしれない。でも、最高の気分。

ふと、この気持ちを書きたくなって、誰もいない宴会場で今この文章を書いている。

最高のひとときを味わえ、最高のひとときを知ってしまった。

30歳になり、何かが変わるわけじゃないけど、区切りがいいことから何か変わらないといけないのではないか?と勝手にプレッシャーを感じていた自分がいた。そんなのきっとどうだってよくて、いろいろありながらもこんな最高なひとときを感じられる、このひとときを最高だと感じられる自分でありたいし、あっていきたい。この感覚を最高のひとときと感じられている自分でよかったと今思っている。

なんか長々書いてみて、自分気持ち悪っ!て感じるけど、こんなスラスラ書けたこともほとんどないからなんか嬉しい気持ち。

30歳からの目標は、使い方がいいのかわからないけど、エゴを抜いていくこと。「こう思われるんじゃないか」「こう思われたくない」で発言を選んでしまうけど、相手の気持ちも考慮しながらも自分の思いを伝えていける生き方をしていきたいなと思う。今はこう思えているけど、社会と関わればこれからも嫌なことなんてたくさん。その都度、悩むことの必要のないことばかり悩んで悩んで。でも、そうなったらまたここにこればいっか。もう無限だ。

30歳、転職、入籍とたくさんの出来事があり、なんかこれまでと変わりそうな物事があるけど、自分は自分らしく。思うままに。

なんか、清々しい。いい助走がきれた。
これ、多分整ってるわ。

まさか今日がこんな日になるなんて。ふと、「蒲田に温泉なかったっけ?」と浮かんできた自分に感謝したい。

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