果物採集

人は誰も孤独では無い ただ寂しいだけなのだ

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人は誰も孤独では無い ただ寂しいだけなのだ

最近の記事

dear Rachel

I tried to imitate her writing style. 「私は実例でありたい」 世界でいちばん かっこいいクリスチャンの レイチェルの命日がまた今年もやってきました もう25年にもなるけれど 決して忘れません

    • 日常的イデオロギー

      この島で生きている今日という感覚と この島で生きていきたいという思想的認識は 実際には寄り添えていないという決定的矛盾 返還後に於ける沖縄の最大の課題は まだ消えていない

      • かつて在ったひとつ

        たくさんの人達が離れてしまった たくさんの人達から離れてしまった 失い続けている 求め続けている かつて在ったひとつは宇宙に飛んでいってしまった けれど、今も在るひとつ ここに在るひとつ 今朝、散歩してたら不思議なブランコを見つけたので 記念に詩をひとつ

        • +2

          らくがき

          まるちゃん、またね。

           キーボードにどん兵衛の汁をこぼしてしまったノートPCは、動作不良はあったけれど数ヶ月間、わりと頑張っていた。でも、ついに沈黙してしまい、しばらく趣味の記事を書く気を失くしていた。文章を創るのはもちろん好きではあるけれど、タイピングに慣れてしまうとiPhoneで打ち込むのも面倒。考えてみれば、そもそも誰に何を伝えたいのだろう? もちろん、君に読んで欲しいからだけれど、でもどうして、読んで欲しいのだろう?  このごろはお仕事の色々な関係で、たくさんの子ども達と接している。子ど

          まるちゃん、またね。

          生きていたい

          猫の死体が車道に捨てられていた。 それ以上に轢かれるのも可哀想なので、その子を腕に抱いて歩道に移しながら、 いったい何度、 これから私が生きていくうちであと何度、死と直面するのだろうと、 そんなことを考えた。 愛するあなたに頼みたいこと なによりひとつ願いたいこと 生きていたいと求めていてくれ 愛するあなたが傷ついたこと なにより誰より叫んでいたのに それを救ってあげられなかった けれど、それでも 生きていたいと求めていてくれ 誰かがきっと気づいてくれる 生きていたいと

          生きていたい

          新しい宗教を創ろう #10

           今の職場に就いてちょうど1年になる。沖縄に越してきてから、たくさんの生き物を見てきた。路上を駆けるのはシリケンイモリ、オキナワキノボリトカゲ、空を橙に切り裂くアカショウビン、イネの多い土地では巨大なイナゴが飛翔していて、池には交尾しながら風に泳ぐベッコウチョウトンボ、マンションの廊下にはコワモンゴキブリ、海にはガジュマルが至るところで根を伸ばし、他にもごく当たり前にバナナが木に生っていて、浜辺の穴にはヤドカリが静かに顔を見せる。書き出せばキリが無い。  これまでに幾つかの土

          新しい宗教を創ろう #10

          沖縄台風事件録

           阪神淡路の震災の頃、私は6歳で、名古屋に住んでいた。震源からさほど離れていない。あの朝、食器棚が揺れて、倒れそうになっていた。あまり多くは覚えていないけれど、部屋の床から伝わる驚きを知っている。  地震にまつわるならば何より印象深いのは、あの3月11日。当時は東京に住んでいた。数百キロも離れていたのに、やっぱり食器棚が揺れていた。街にも被害が出ていた。食料品を扱う店舗では商品棚がガラ空きになり、深夜でさえ灯火が制限される日々が続いた。交差点の真ん中で、警官の振る赤いライトが

          沖縄台風事件録

          映画と歩こう『Mississippi Burning』

          「this can aluminium only opens maggot inside」 “この缶を開けるのは内側のウジだけ”  有り難いことに私の周囲には子供時代から、あからさまな人種差別をする者がほとんどいなかった。  在日の友達がいたり色んなカルト教徒の友達がいたり、理由はいろいろあったのかもしれないけれど、なんであれ、人種主義者が近縁にいなかったのは幸運だった。  たまにいたとしてもくだらねぇ俗な日本国内の話に限っていて「あいつは○○県の出身だから駄目だ」などと言

          映画と歩こう『Mississippi Burning』

          映画と歩こう『Shadow in the Cloud』

           土砂降りの雨を小走りで、母親が玄関先に辿り着く。傘を閉じようとすると、壊れて骨組みが飛び出しているのに気づいて、それを駐車場へ放り投げた。壁に立て掛けるでもなく、買い物袋を提げて明るく帰宅を告げながら、ただ投げる。  1976年公開『青春の殺人者』  市原悦子演じるこの母親はまだ、室内で何が起きているかを知らない。カットが切り替わると、息子・水谷豊の虚ろな眼が映し出される。そうして、居間で何が起きたかが明らかになる。  床に血塗れで、父親が倒れている。仰向けで、瞼は開いてい

          映画と歩こう『Shadow in the Cloud』

          差違の差違

           沖縄で暮らして1年以上が経ち、軽い方言ならニュアンスで理解できるようになった。「住めば都」という言葉があるけれど、これまで幾らかの土地に住んできた私にとってそれは結構な嘘だ。「住んでるとなんとなく慣れちゃう」が正解である。方言も文化も当然ながら千差万別であり、そのすべてを受け入れるなんてことはそこで生まれ育ちその土地しか知らずに死んでいくとしても、まず無理だろう。  さて、例えば沖縄に移住しようという人なら、マスコミが作り上げてきた南国沖縄のイメージはほとんど嘘である、とい

          差違の差違

          君に優しくなるために

           葉の繁る樹から糸を落として、尺取り虫が風に泳ぐ。そこへ蜂が滑空し、彼を牙と脚で掴んで去った。初夏、摂氏28度、快晴。6月4日。  私がまだ0歳だった頃、大量虐殺の事実さえ未だ中国自国民に隠されている天安門事件が収束したあの日から30余年。さらに遡るならば、沖縄戦の終わりも6月だった。太宰治が玉川上水に浮いていたのも6月。  死について考え始めたのは、だいたい18歳くらいだった。  生きることについて考え始めたのは、だいたい30歳くらいだった。  世界のすべてに絶望しなが

          君に優しくなるために

          新しい宗教を創ろう #9

          ウクライナが空爆されようと、ギャングが抗争を始めようと、私達は私達の生活を送るしかない。晴れた日には浮きあがり沈みゆく雲を眺め、雨が降ればそれをてのひらにすくう。それぞれの怒りを抑えながら、それぞれの喜びを求めながら、私達は私達を暮らしている。 「新しい宗教を創ろう」というシリーズを気ままに続けている。おもに新興宗教について扱っていて、まぁ少しくらいの知識はある。近所では顕正会の婦人部の方々が街頭の勧誘に熱心で、たまに声を掛けられることもある。じつのところ顕正会に関してはち

          新しい宗教を創ろう #9

          新しい宗教を創ろう #8

           初めて『タイタニック』を観た時、小学生の私はただ単純に「寒そうだなぁ」という印象を受けていた。けれどそれから少し、恋をして、それからまたあの映画を観てみると、凍てつく海に浮かぶあのふたりへ「暖かさ」を感じた。さらにあれこれ学んでからまた改めて『タイタニック』を観たら、これは海洋ロマン映画の傑作だったんだなと驚いた。  初めての出会いはきっと一度きりではなくて、飽きてしまったなら別の角度から、諦めてしまったならまた違う機会に、もういちど初めて出会うことで、そうしてようやく解

          新しい宗教を創ろう #8

          読んでみたい漫画を幾つか

          サブスクの試読が楽しかったので続きが気になるもの: 和田ラジオの異世界無双 サイコ×パスト 巨蟲列島 巨悪学園 バキ外伝 ガイアとシコルスキー 名探偵キドリ 黒街 闇~10年間、殺され続けた山下さん~ フランケン・ふらん 未知庵 電波教師 マギ 他に続きを未読のもの: ケンシロウによろしく いじめるヤバイ奴 アロエッテの歌 球詠 衛府の七忍 妖怪ギガ +チック姉さん あさドラ! 空母いぶき2作目 ジョジョシリーズ  さて。  あなたは幼い頃どんな本を読んでいましたか? 「

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          新しい宗教を創ろう #7

           仏教に十界という概念がある。生命の状態を分類するもので、最底辺が地獄、すこし這い上がって餓鬼、浅ましき畜生、驕れる修羅、平常な心身としての人、喜びの天、これより先は仏教の深部へ突入して声聞、縁覚、菩薩、そして仏を頂点とする。  地獄から天までを六道と言って、普通、人間はこの6つの混沌に溺れている。つねにどれかひとつの状態にあるわけではなく、平穏の内に憎しみが、歓喜の裏に絶望が併存していて、悲しみも笑顔も、不満も充足も、外界からの刺激によってたまたま表出しているのであって、決

          新しい宗教を創ろう #7