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#95 シーズン終了。リーグ中心の活動の感想と勝手に少しだけ振り返り。

こんばんは。
今日で1シーズン帯同させてもらったSVホッホドルフU13とU19のリーグ戦が終わりました。
寂しい気持ちもありつつ、選手らの成長を近くで見れたことを嬉しく思います。
U13の試合後、キャプテンの選手が初めて僕に「ごめん。勝てなかったよ。」と言いにきました。
そんなこと今まで言われたことがなかったです。

この試合は僕にとっての彼らと公式戦最後の試合だったからかな?少しでも彼らが僕のためにと戦ってくれてて、感謝と嬉しさがあります。

「いいや、良い試合だったよ。ありがとう。」
1シーズン、チーム活動に参加させてくれてありがとうございました。

僕には、一生忘れないであろうシーズンになりました。

・リーグ中心の活動の良さ
ドイツの街クラブでは、大体週に2.3回の1時間半ぐらいの練習。週末に1試合。
これが基本。
ホッホドルフU13もU19もそうだった。

最初は正直「少なすぎねぇか?」って感想はあった。

だって日本の街クラブの基本は週末は大体土日両方あるし、リーグ戦よりも練習試合が多かった。
練習試合では、1試合という単位ではなく、30分のゲームを時間の限り回すというのが基本。
数は明らかに日本の街クラブのが多い。

だからか、日本の子の方がテクニック、技術は持っている印象を受ける。
例えばリフティング。
日本の子は100回、1000回出来るやつは珍しくない。
ホッホドルフのU13のドリブラーの子に
「リフティングやってみてよ。」とお願いしてやってみてもらったことがある。
10回できない。
10回出来たら、彼らの中では「リフティングができるやつ。」の分類に入る。

だが試合では活躍する選手だ。
リフティングはできないが、止めて蹴るなどの基礎はできるし、仕掛けも素晴らしい。ドリブルでサクッと1枚交わす術も持つ。
特に彼は、身体は小さいのにセカンドボールの回収率がすごい。
相手とボールをよく見て、ボールが落ちる場所を予測し、絶妙なタイミングで身体を入れてボールをキープする。
こんな感じで試合で活きる能力を大体どの子も何かしら持っている。

これは毎週のように、勝ち負けが決まる程よい緊張感のリーグ戦を積み重ねているのが要因の1つだと思う。それも毎回力が拮抗している相手に。
過去に何度か書いていることで、日本ではよく問題の1つとして「勝利至上主義」という言葉が出てくるが、ドイツのがよっぽど勝利至上主義者だらけだ。
特に監督、コーチ、保護者達の大人ではなく、子どもが勝利至上主義なのだ。
勝ちに拘る。
負けず嫌いまみれで色々大変なこともある。

先程あげたように、僕が12歳ぐらいのの頃もそうだったように練習試合が多く、勝ち負けへの拘りは少なかったと思う。
さらに僕のやっていた地域ではフライブルク程サッカーチームが多くないため、レベル分けはなかなか難しく、地域分けでリーグを行っている。だから拮抗した相手ではなく、やる前から結果がわかるほど力や体の大きさに差があったりする。

練習試合は悪いことばかりではないと思う。
必要以上にプレッシャーはなく、色んなことを試せる。

だかサッカーは勝ち負けが決まるスポーツである。
「勝ち」への拘りが生まれない環境では、勝つための能力はなかなか身に付かない。

聞いてる話だと、日本も少しずつリーグ戦が配備されてきた。だがまだドイツと比べると改善点や問題点は多いと感じる。

真似するには難しい問題はたくさんあるけど、少しでも多くの、程よい緊張感がある試合の環境が増えると嬉しい。

・勝手に少し振り返り
U13
U13はすごく良い形で終われたと思う。
ここでは、チームビルディングの重要性を特に学べた。

シーズン開始前、キチコーチの提案で少し離れた場所に1泊2日で合宿をした。
そこでのサッカーの時間は実は結構少なかった。
サッカーの時間よりも、友達とゆっくり部屋で会話したり、空き時間にバスケをしたり、一緒の机でご飯を食べて、一緒の部屋で寝て。
朝早くや夜に散歩に出かけたり。
ぶっちゃけサッカーよりもそんな時間の記憶が残る。
特に、空き時間にやった、グルグルバットで目を回してのPK対決は楽しかった覚えがある。
それぞれかなり変な動きでこけながらシュートを撃つ。みんなでそれをみて、爆笑し、大盛り上がり。ちなみに僕はこれで思い切りコケて買ったばかりのジャージに穴を開けた。
そんなことばかりやっていた。
振り返ると、この合宿のおかげで僕も選手達との距離がグッと縮まった気がした。
サッカーだけではなく、サッカー以外の時間で仲間達と交流し、互いの色んな側面を認め合う。そしてチームになっていく。
一見サッカーには無意味に感じるこの合宿は、まだまとまっていない僕らをチームにしてくれた活動だった。
おかげで、チームでまとまり、狙いやテーマを共有して試合に取り組むことがスムーズにできるようになっていた。

しかし途中、失点からズルズル崩れる時期があり、苦労した。
そこで、チームでもう一度ミーティングして、普段の練習や試合での立ち振る舞いや取り組み方は、どうすれば良いのかみんなで考えて、話あった。
そこでチームがさらにまとまった。
そして簡単に負けない強いチームに更に進化した。
強くて、成長ができるチームにするには、チームメイト1人も欠けることなく、団結し考えを共有することが必要である。
それは遠慮し合う形だけのものではなく、時には意見を言い合いぶつかったり、本気で相手を思い助け合い、支え合うこと。
それを彼らに見せてもらった。

U19
ここではまず、街クラブでのコーチの難しさを教えてもらった。
18歳前後という色々ある年頃で、U13のように合宿やミーティングをやって、チームビルディングをすることはなかなか出来なかった。そもそも練習参加人数が少なかったのもある。
大人になる程世界が広がり、サッカー以外のものへの興味が出てきたり、時間を割くようになる。それは仕方がない。
このチームは僕以外にベテランコーチ3人がいた。
しかしなかなかうまくいかない。コーチ達が頭を抱える場面はよくみた。

このベテランコーチ達に尊敬をする。
投げ出さず、理想通りにいかないけどやれることをやろうとする。チームの数名はそれについてこようとして、少しずつ少しずつチームとしてまとまろうとしていたと思う。
自分もチーム状況が苦しいことになった時にベテランコーチ達3人の姿を思い出したい。

シーズン最後の2試合は、良くなってきていた。
シーズン終盤は特に上手くいってなかった。前半30分ぐらいまでは0失点で耐えるが、1失点すると集中を切らしたり、前へ急ぎすぎて、立て続けに失点し、前半0-3で帰ってくるなんてよくあった。
今日も前半0-3。諦めムードは少しあったけど、チームで狙いを共有し、なんとか1点返す。ピンチは多くあったが、キーパーを中心に耐え切る。結果は1-3。
もしかしたら相手のメンツが変わってたかもしれないけど、後半はいつものようにボロボロにならず同じ相手に1-0のスコアで終えられた。
シーズンは終わってしまったが、これから!ってタイミングがやっときたのではないか!?と感じる。
もう少し、リーグが続いてほしかったなぁ。

そしてもう1つはサッカーの楽しさを再認識させてくれた。
練習人数が少ないのでいつも一緒にやらせてもらった。相手の年齢もU19だし、ガチで参加した。このためにスパイクとキーグロをドイツで購入までしている。

この練習がマジで楽しかった。
自分でも選手としてすげぇ成長したと実感できている。
6歳頃からサッカーをはじめて、今年で26歳になる。約20年間サッカーに関わっているが、ここでやったサッカーが1番楽しかった。

実は僕はサッカーにあまり楽しさを感じていない子どもだった。運動は苦手な方だし、大きな目標もなかった。サッカーが楽しいというより、サッカーの友達と一緒にいるのが好きだった。サッカーが終わった後のコンビニでの買い食いとか、みんなで集まってモンハンとか。そんな時間のが今も記憶にある。

だから「サッカーの楽しさを伝えたい!」と口では言いつつも、実はサッカーの楽しさを実感した時間はかなり少なかった。
いや、本気で楽しんだことがなかったのかもしれない。

だけど、ここでは「マジで楽しい。」「もう少し上手くなりてーな。」と思わされた。

そして言葉は通じないはずなのに、選手達とすごくコミュニケーションは取れた気がした。
「ここにパスがほしいんだろ?」「ここに走っててほしいんだろ?」「ここで守りにきてほしいんだよな?」
アイコンタクトや、ジェスチャー、簡単な単語、プレイから彼らは僕に伝えてきた。僕も伝えた。

ここには「サッカー」という言語があるようだった。
日本語が通じる日本人より彼らとはコミュニケーションが取れた時があった。

ああ、サッカーって楽しいな。
何度リーグ戦の途中、試合に出たいと思ったことだろうか。
ここでは一緒にサッカーをしてくれた彼らに感謝をしている。
そして、これが当たり前ではないことにも気づいてほしいなと思う。

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