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#81 リーグ?トーナメント?どちらの形式のが良い?

こんにちは。
昨日、いつも見学に行く近くのクラブESVU15のカップ戦がありました。
リーグではすでに優勝を決めています。だからここ最近は結構勝ち負け以外のことに重きを置いている感じでした。
サブメンバーを試したり、ある攻撃パターンを試したり、、、 それでも勝ててるので強いチームです。
でもこの日はカップ戦の準決勝。最近のリーグよりも勝敗が重要視。
そんな試合を見て感じたことを書いていきます。

・リーグ、トーナメント。どっちのが良いのか?
俺の結論は「両方大事。」
「おい、答えになってねーじゃねーか。」と言われそうですが、それぞれ良い部分があり、悪い部分もある。と感じる。
ただ、「トーナメントだけ」は良くないと思う。

日本でも最近はリーグ戦が行われるようになってきましたが、大きな主要大会はやはりトーナメント。例えば高校サッカーも。リーグへの注目度は低い。

まぁ、みていて、熱くなるし、楽しいのは、たしかに1発勝負のトーナメント。負けたら終わりですごい緊張感。

ただ、これまで問題視されているように、「負けたら終わり」なので試すことも、積み重ねることも難しい。
負けたら終わりだから、半年後にこうなるといいな。なんて言ってらんない。
メンバーも固定化しがち。
より、効率的な戦い方になっていく。
育成年代で、これは問題。
だから「トーナメントだけ」は良くないと思う。

・トーナメント特有の雰囲気は彼らに適しているか?
いつも近くでみているから、選手達の表情とかが良く見える。
この日はいつもと比較して明らかに真剣。
これは良いことだけど、一つ気になることが。
それはいつもよりものすごく肩が上がっていたこと。
疲れ方が普通ではない。それだけ必死で、負けたら終わりの緊張感の中でのプレーは負荷が高くなる。

フォワードのある選手も印象に残った、14番の選手。
彼は前半3つの決定機を外してしまった。
その時の表情は絶望。
心へ大きなストレスがかかる。

周りのコーチや見てる人たちも、雰囲気が変わる。
特に観戦しにきた保護者や友達達。
「マルコス(仮名)!!!!立ちなさい!!!」
「ああ!!!マルコス!!!なぜ決めないの!!!!!!」
14番の選手の母親だろうか。
俺の隣で一緒に見ていた。
こんな声掛けをつい、してしまう。

「いけ!!」「やったあ!!得点だ!」
こんな前向きな声掛けももちろんあるが、観てる彼らも一緒に熱くなる。

この日は15歳の選手達の試合だった。
この負荷は適しているか。人それぞれだし、考え方はたくさんある。
俺は15歳ならもう大人になってくるし、こんな雰囲気の試合が時にあるのは良い経験にはなるのかな。とは思った。

だが、例えば10歳だとしたら?
精神的負荷が高すぎると感じる。
トーナメント形式の大会の問題点はここだと思う。1発の真剣勝負。子どもたちに適しているか?を考えて見てほしい。

トーナメントの1発勝負から得られる経験もたくさんあると思う。だから大事だし、必要ないとは言わない。
ただ、、、彼らに適しているか?
サッカーを始めたばかりの子どもたちが全員この緊張感に耐えられると思わない。
ここで失敗したら、、、?一生残るトラウマになりかねないし、このままサッカーが怖くなることも考えられる。

・こんな中で良い選手、良い監督。
こんな物凄い熱い雰囲気の中。ある選手と監督が印象に残った。

先程話したように、ほとんどの選手の疲れ方が尋常ではない。肩が上がる。これはまだ彼らが未熟で、この熱い雰囲気に飲み込まれ、試合や自分をコントロールできていないからだと思う。

そんな中で中盤の6番の選手は、周りと比べて全然疲れていないようにみえた。
サボってるわけじゃない。
いつも良いところで顔を出して味方をサポートしてたし、セカンドボールを何度も拾って、チームを助けていた。
例えば、ロングボールを後ろから蹴り、ほとんどの選手がゴールを決めよう!と前へ!必死に走る。しかもこの時は負けていたから尚更。点が欲しい。
相手ディフェンスが頭でロングボールをクリアする。真ん中に空いたスペースにボールが落ちる。すると、そこには後からゆっくりきた6番がフリーで前向きでボールを持つ。
彼はこんな時でも冷静に、周りを見て、どこにボールがくるか予測し、中盤でフィルターとして働く。
だから疲れてない。自分のすべきことを理解し、コントロール出来ていた良い選手だと思う。

良い監督。
ESVの監督さんは言葉を理解しなくても、声の掛け方とか選手との接触方をみてると、「良い監督だなぁ。」と感じることがたくさんある。

この日もあった。試合中は座ることなく、ずーっとベンチから声をかけ続ける。怒鳴ったり、指示したりではない。
先制され、それでも何度も決定機を作り、追いつく。しかし最後に失点してしまう。それでも諦めない。
ラストプレーにはコーナーキックを獲得。その時監督はこの日最高の大声で
「全員で行け!キーパーも!前へ!!!!!」
と叫ぶ。彼もこの日はいつもより熱くなる。
しかし相手キーパーのスーパーセーブに阻まれ、そのまま試合終了。敗北してしまう。
その後だ。その後の監督の行動に「さすが。」と思わされた。
あんだけ顔を真っ赤にして熱くなってたのに、終わって、悔しがり、
しばらくすると、自チームの選手達を励まし、笑顔で相手チームのコーチ達と握手し、相手チームの選手達を褒めていた。

さすが。
あんだけ熱くなる人だ。悔しくないはずがない。
しかし負けを認め、相手を讃え、仲間を励ます。
それがすぐにできる人間性が素晴らしい。

それに続くように敗北し項垂れていた選手達も相手選手達と握手し、リスペクトし合う。

トーナメント形式のカップ戦。
毎回毎回だと疲れて、嫌になってしまいそうだけど、、、
時には色んな経験ができる良い環境なのかな。と感じました。

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