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日本人はダントツで自己研鑽しない

パーソル総合研究所のはたらく意識の調査結果が非常に興味深い。日本を含むアジア太平洋地域14の国の調査結果だ。内容を要約すると、
・日本の管理職、出世意欲は14ヶ国中最低で、管理職意向のない人は78.6%にのぼる
・勤務先以外での学習や自己啓発について、日本は「特に何も行っていない」が46.3%で14ヶ国中最も高い、すなわちダントツで自己研鑽していない
・日本は「女性上司のもとで働くことに抵抗はない」で最下位、「外国人と一緒に働くことに抵抗はない」で最下位、「年下上司のもとで働くことに抵抗はない」がワースト2位となっており、ダイバーシティ受容度が低い
・勤務先の満足度に関して、日本は最下位、一方で転職意向も最下位
という結果。かなり衝撃的である。

どれをとってみても良いところが見えないな、というのが率直な感想。なぜこういう結果になってしまっているのか。一つには、管理職にならなくても適度な水準で生きていくことができるということだろう。それが同様に自己研鑽をしない、という結果につながっていく。また、厳しい環境ではなく、居心地の良い環境で仕事したいという意識から、ダイバーシティ受容度が低いという結果になっていると考えられる。そして、そんな意識から勤務先への満足度は低く、かといって環境を変えるという意思決定もしないということだ。

かなり深刻な結果である。これを放置しておくとどうなるか、それはきっと日本がどんどん伸びない国になっていくのだろう。だからこれを課題と捉え、なんとかしていくのは大事なこと。では、そのためにどうするべきか。二つ大事なことがあるだろう。

一つ目はまずは教育。向上心を持つようなマインドセットを作り、高校まで勉強すれば良いというのではなく、一生常に学び続けていくことが大事だというマインドを持たせるようにすること。

二つ目は職務定義(Job Description)をきちんとしていくことだろう。管理職は何をするべきで、どんなスキルが必要なのか。年功序列であがっていくものではなく、そのポジションに必要なスキルがあるから、そのポジションになれる、ということにしていく必要がある。そうすることで、年下の上司は増えて、当たり前な社会になる。さらに、社内経験だけでは足りず、自己研鑽しない限り対外的にも通用するスキルは上がらず、給与は上がらなくなる。

これら二つはできることの中で重要なことだろう。もっとマクロに捉えると、国全体が急成長しているということがあれば、課題は解決するのだろうが。。。


※パーソル総合研究所調査結果より




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