村上春樹の小説の書き方(推敲編) まとめ
しかし長編小説の執筆は野球と違って、いったん書き終えたところから、また別の勝負(ゲーム)が始まります。僕に言わせてもらえば、ここからがまさにかけがいのある、おいしい部分になります。
1段階目
第一稿を終えると、少し間を置いて一服してから(そのときによりますが、だいたい一週間くらい休みます)、第一回目の書き直しに入ります。ここではかなり大きく、全体に手を入れます。
その書き直しに、たぶん一カ月か二ヶ月はかかります。
2段階目
それが終わると、また一週間ほどおいて、二回目の書き直しに入ります。これも頭からどんどん書き直していく。ただし今度はもっと細かいところに目をやって、丁寧に書き直していきます。
たとえば風景描写を細かく書き込んだり、会話の調子を整えたりします。
筋の展開にそぐわない点がないかどうかチェックし、一読してわかりにくい部分をわかりやすくし、話の流れをより円滑で自然なものにします。
3段階目
しっかり養生を済ませたし、そのあとある程度の書き直しもした。この段階で大きな意味を持つのが、第三者の意見です。僕の場合ある程度作品としてのかたちがついたところで、まず奥さんに原稿を読ませます。
でもそのような「第三者導入」プロセスにおいて、僕にはひとつ個人的ルールがあります。
それは「けちをつけられた部分はがあれば、何はともあれ書き直そうぜ」ということです。
批判に納得がいかなくても、とにかく指摘を受けた部分があれば、そこを頭から書き直します。
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