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60歳までにやっておけばよかったこと

めおとへんろのすすめ ~夫(わたし)のへんろエッセイ~


2012年3月12日(私が46歳の頃ですが)日経新聞に「60歳までにやっておけばよかったこと」という特集記事が掲載されていました。お金・健康・人間関係という3つのテーマで、60歳以上の500人に、これまでの経験から「やっておくべきだったこと」と「やっておいてよかったこと」を聞いた結果がランキングで表わされていました。

「やっておくべきだったこと」

お金
1位 貯金
2位 年金で暮らせるよう生活費を見直し
3位 退職後の働き方を考え、スキルアップ
4位 掛け金を払い、一定年齢で受け取る個人年金に加入
5位 老後のレジャー資金を積み立てておく

健康
1位 腹八分目。大食い・大酒をしない。
2位 肌の手入れ
3位 野菜中心の粗食を心がける
4位 日ごろからよく歩く
5位 早寝・早起き

人間関係
1位 仕事以外の特技を持つ
2位 夫婦関係を大切にする
3位 ボランティアや町内会など地域活動に参加する
4位 人付き合いで無理をしない(本当に大切な人と楽しく過ごす)
5位 子どもとのコミュニケーション

2012年3月12日 日経新聞

「やっておいてよかったこと」

お金
1位 持ち家確保。退職までにローン完済。
2位 貯金
3位 病気・けがに備えて保険に入る
4位 年金で暮らせるよう生活資金を見直す
5位 個人年金に加入

健康
1位 旅行に出かける
2位 早寝・早起き
3位 人間ドックなど定期健診

人間関係
1位 夫婦関係を大切にする
2位 共通の趣味を持つ友人をつくる
3位 人付き合いで無理をしない

2012年3月12日 日経新聞

一昔前の話で、古びた考え方の部分もありますが、節制を元にした老後資金の備えや、心身の健康の維持、身近な人との関係を大切にする、など、今も変わらず(ということは、おそらく今後も変わらず)重要な要素が含まれています。

人生の半分を過ぎた40代後半に、60歳に向けて、これらの要素(お金・健康・人間関係)を満たす方法を考えた時、「夫婦で日頃からウォーキングを趣味にし、その延長線上で旅もする。」ということが、合理的で経済的で一石〇鳥的な選択肢となるのではないかと、当時の私が明確に意識したかどうかは忘れてしまいましたが、なんとなくそういう印象を持ったことは確かだと思います。

そして、この記事の約一年後、夫婦で歩き遍路を始めたのは、単なる偶然というよりは、そういう「無意識の判断」が下敷きにあったからなのかもしれません。

ともあれ、なんとなく始めた、歩き遍路。しかしながら始めて見ると、やめられなくなる中毒性があり、四国2周、九州全県踏破、スペイン巡礼路遠征と、とどまるところを知らなくなり、今に至っています。

夫婦での歩き遍路の魅力は、沢山あって一言では言い尽くせないのですが、効能として一つ言えるのは、いわゆる4つの幸せホルモンすべての分泌を促す要素を含んでいる、ということがあります。

ウォーキングやジョギングなどの効能として
①精神を安定 不安・ストレスを和らげるセロトニン
(一定のリズムでの運動が効果的)
②高揚感・満足感・幸福感を高めるエンドルフィン
(30分以上継続することが効果的)
③達成感・爽快感 集中力を引き出すドパミン
(がんばった、という体験が効果的)
が分泌されるのに加え…

夫婦やカップル、あるいは仲の良い友達同士などと一緒に歩いたり
道中で地域の方々から温かな声や親切なお接待を受けたり
海・山・森林・川・大平原などの大自然に抱かれたり、
寺院などの静謐な空気に触れたりすることで、
④愛情を形成したり、心に安らぎをもたらすオキシトシンが分泌されます。

ミドルエイジクライシス、という言葉があります。仕事・家庭・介護・老後などの心配やストレスにさらされながら、一方で、自身の後半生の生き方を創りあげて行かねばならない、そういう年代に訪れる危機です。

この危機を乗り切っていくためにも、めおとへんろ(独身の方は、親しいお友だちや兄弟姉妹などとのへんろ)が大きな役割を果たしてくれるものと感じています。

そういう私も、60歳まであと2年半。果たしてその時を、どんな感慨を持って迎えられるのか。めおとへんろを始められた皆さんとご一緒に、答え合わせができればと思います。





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