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「劇場版ハイキュー!!ゴミ捨て場の決戦」を見ました

はじめに


皆さんには、胸を張って「一番好きな漫画」と言える作品はありますか?
私は胸を張って「ハイキュー!!」が好きだと言えます。
高校生の時に初めてハイキューに出会ってから、長い時間をハイキューとともに過ごしました。日向の成長に心を震わせ、月島の変化に頬を濡らし、宮侑の顔と性格にハートをぶち抜かれました。
日向たちと同い年の私は、日向たちが成長するのと同じように成長し、今では立派ではありませんがハイキューのみんなと同じように必死に今を生きる社会人になりました。
ハイキューは私にとって現実の隣に寄り添ってくれる理想であり、共にいまを生きてくれる親友のような存在でした。

そんなハイキューが、ついに完全新規の映画になると聞いたのはもう2年前の夏の暑い時期でした。
ついに2部作の映画としてアニメの続きが作られると知ったときの喜びと、タイトルに「FINAL」の文字がついていたときの困惑は今でも鮮明に覚えています。
「たったの二作でハイキューの物語を全部やるつもりなのか?」
「そもそも春高の残り2戦だけだとしても尺が足りないんじゃないのか?」
「もし自分が大好きなシーンが映画化で省略でもされていようものなら荒ぶる怒りを抑えられないのではないか?」

長い間、私は不安に苛まれました。続報もなかなか出ず、本当に大丈夫なのだろうかと思いながら日々を生きていました。
そんな中、ついに劇場版第一弾のタイトルが発表されました。

「劇場版ハイキュー!!ゴミ捨て場の決戦」

このタイトルを見たとき、私の中のモヤが少し晴れました。
公開されたPVを見ました。
「もしかしてこれは、本当にやってくれるのか?」と思いました。
上映時間が85分であることを知りました。
「本当に…本当に大丈夫なのか…?」とただつぶやくことしかできませんでした。
入場者特典の33.5巻が200万部刷られていることを知りました。
あまりにも東宝側の自信が強すぎてこいつマジか…?って思いました。
こうやって心をブルブル揺らされている間に日本では様々な映画が公開され、特に今年の1~2月にかけては邦画は豊作でした。

原作の良さをいかんなく引き出しつつ一本の映画としてのクオリティも落とさなかった実写版ゴールデンカムイ

原作の解像度を上げてくれる解釈と実写としてのリアリティの追求に脱帽した実写版カラオケ行こ!

20年待たされた視聴者をもう完膚なきまでに満足させた劇場版ガンダムSEEDFREEDOM

特に劇場版ガンダムSEEDFREEDOMは私の頭をめちゃくちゃにし、オタク特有のクソ長感想文を書かせるに至りました。
これにより、劇場版ハイキューへのハードルは更に上がり、このハードルを超えられるのだろうかという不安を抱えつつ、いよいよ公開日を迎え、前日から緊張で胸が苦しくなっていた私は劇場に向かいました。
劇場にはとんでもない人数の人々で溢れかえっていました。当然です。私が住んでいるのは仙台市なのですから。男女問わず様々な年齢の人がハイキューの上映時間を待っていました。
私はハイキューへの人気の高さを実感しつつ、「これが全員ボーはおそれている待ちの人間だったらめちゃくちゃ面白いな…」と思いながら特典をもらい、スクリーンに入りました。
一番大きいIMAXのスクリーンなのに満席で、この大事な映画の鑑賞をともにする隣の席の人が嫌な人じゃないといいなと思いながら自分の席を探していると、隣の席の人は外国人のカップルでした。
本当にこの作品は様々な人に愛されているんだなと思いつつ、この人めちゃくちゃ喋るタイプだったら嫌だな…と思っていたら映画が始まりました。




良かった




良かった…




めちゃくちゃ良かった…




ほんっっっっっっっっっっっっっっっっっっっとうに良かった…



隣の外国人も泣いてた…





映画の感想

本当にめちゃくちゃ良かったことを前提として、まず初めにここだけは伝えさせていただきたいのですが、やっぱり短すぎるよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
85分じゃ足んねえよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!めちゃくちゃうまい定食屋を見つけたのに大盛りにできないしでも美味しすぎるからまだ食べたいのに物足りないみたいな感じになっちゃうよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!宮治かよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
でもこれは本当に最高だった故のもっと見たかっただしこれから見る人はもう全然そういうのは気にせずに観に行ってほしい。まさに研磨のまだ終わらないでほしいって感情を劇場全体で共有してるもんだから。文句のつけようがない100点だった上での贅沢な悩みだから。

まず感想として、今回の映画を見た上で思ったのは初めてハイキューという作品を見る人のための映画の作りになってるなってところです。
初めて見る人でも普通にスポーツマンガの映画としてシンプルにクオリティが高いし、キャラクターのことはあまり知らなくてもめちゃくちゃ分かりやすくキャラクターの関係性については理解できるように構成を作っている印象。
去年流行したスラダンに近いけど、スラダンほどエピソードの再構成を行ったわけではなく、あくまでも音駒戦としての構成は崩さずに初めて見る人がこの人たちはなんなんだろう?って思う部分は削って試合部分に時間を割いた映画といった感じでした。
音駒戦を読み込んだ人であれば、あそこのシーンは一つに統合したんだとかここのシーンは簡略化したんだなっていうのはすぐにわかったと思います。
映画としては時間が限られている中でうまく構成したなって印象が残る一方で、人によっては私の推しの活躍が消えた!とかここのシーンが音駒戦には必要なのになくなってるじゃん!みたいなのはあると思う。
ただ、それを差し引いても本当に作画と演出がめちゃくちゃいい。第2セットの追い詰められていく日向と追い詰める研磨の一連のシーンは本当にずっと最高を更新し続けてた。研磨の「面白いままでいてね」のシーンなんてもうちょっとしたホラーだった。そら日向もあんな怖い笑顔見せられたら動物みたいな警戒するよ。怖いもん。
あの感じで四ッ谷先輩もアニメ化できるよ。いけるよIG。
演出についてはもう語り尽くせないほどいいところがたくさんあるんだけど、たぶん見た人が満場一致であそこが一番いい演出だったって言うであろうシーンはたぶん最後の1点のときの研磨の演出だと思う。
あれはもうアニメだからこそできる表現であり、あの表現を使ったからこそあの状況と練習試合が重なるって状況にも説得力が生まれてて本当に素晴らしいと思った。
あとは梶くんと村瀬くんの演技の素晴らしさ。あれは本当にすごい。
みんなも思ってると思うんだけど音駒戦でいちばん大事なあそこのシーンの二人の演技がもう点数をつけるのもおこがましいくらいの名演だった。
心の底から漏れ出したかのような研磨の一言とそれを聞いた日向の体中から溢れ出るような叫び。このシーンを見せられてしまったらもうこの映画に対して私は何も言えません。お前らの勝ちだよ。涙を持ってけ。
あと個人的にすごく嬉しかったのが、映画二部作がおそらくしっかり春高の終わりであり日向翔陽の高校バレーの終わりを描く映画なんだなってのがほぼ確定したところです。
最後にあれ見せられたらもう待ちきれないよ。こっちは一番好きなハイキューのサブタイトルが「小さな巨人VS    」なんだよ。死ぬ前に流れる走馬灯にハイキュー41巻が流れるであろう人間なんだ。早く観せてくれ。
でも上映時間は次は120分でお願いします。


最後に

映画を見たあと原作をまた読み返したくなって、そしてまた映画を見に行きたくなる。
「劇場版ハイキュー ゴミ捨て場の決戦」
はそんな映画でした。
一度でもハイキューを読んだ人には観に行ってほしいし、ハイキューを読んでいない人にはこの映画を見てハイキューに触れてほしい。そしてみんなで一緒に次の映画まで待とう。
そして制作陣の方々には本当に無理なことは承知の上で、円盤にはディレクターズ・カット版を入れていただけないでしょうか。
最高の映画だったのですが、やはりそれはそれとして見たいシーンが多すぎて85分では足りません。
せめてあと45分くらい増やしていただければもう私は今後毎日起きたあと集英社とProductionI.G.に祈る時間を設けます。何卒私の信仰のためにもよろしくお願いいたします。

そしてハイキューのことが好きな全国のオタクのみんな!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!今仙台は色々なところがハイキューまみれのハイキュー王国みたいな感じになってるので地元だけじゃなくぜひ仙台に来て聖地巡礼しつつ映画を観に来るのはいかがでしょうか!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!お前らの入国をハイキュー王国の国民たちは待ってるぜ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
最後に、この記事を読んだ鑑賞済みの方やこの記事を読んで鑑賞しに行きました!!って傾奇者はぜひ感想を送っていただけるとめちゃくちゃ嬉しくなっちゃってキモい笑いが止まらなくなるので送って欲しい。
オタクのクソ長感想文はオタクの大好物だかんな。頼むぞ。


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