ありがとう

白い息が逃げていく。去年の怪我を思い出す。僕が買ったもの、君が残したものが、風化したり踊ったり風に揺れたり、たまに電源がフッと入ったりする。茶色い目の、手袋をした子どもたちが、ずっとバイバイを言い合って、いつまでも言い合って、夕暮れが鬼の大群で埋め尽くされるまで、いつまでもそれは続いて。僕は恥ずかしくて、いつでも恥ずかしくて、他の人格に頼って、そいつが出しゃばったりして悔しくなる。そして世界はこの世から消えた人たちを置いてけぼりにして、いつでも最新の状態です。できれば僕のことも置いてけぼりにしてほしい。つまり、ロックを聴いている時。その時、まさにそんな気持ちを疑似体験できる。僕はこの世界から置いてけぼりを食らったのだーー!って。最高にデストロイだ。グラスゴーの雪を蹴ろう。シカゴのごみ捨て場を漁ろう。日本に散らばりしパンクスどもよ。星座占いを信じよう。そんな歌を歌おう。白い息は重なり合った。それからどこにいったんだろう?消えていくんだ、いつまでも。消えていくのに、消えていく様子がいつまでもわかる。いや、消えてもそこにいるというか。君はいる。いてくれ、ずっと。酒臭いラブを込めて。

https://youtu.be/TzDqW_tChng

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