遅かったんじゃない、間に合ったのだ。
わたしが鵤誠司という男を認識したのは、今から約13年前、彼がまだ福岡第一で高校生をしてた頃だ。
2011年の4月に行われたインターハイ福岡予選。その日は偶然友達が第一に通っており、クラスメイトに応援を頼まれたが一人で行くのは面倒だから、という理由だけで連れて行かれただけだった。
当時のわたしはバスケの試合を見たこともないし、ただスラムダンクが好きだっただけで、そもそも福岡第一が強いのか弱いのかさえ分かっていなかった。しかし友人から「大濠との試合は実質全国大会の決勝らしい。」