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winner 時事英語 #3

by 古家

昨夜、僕は等々力陸上競技場にいました。Jリーグ、川崎フロンターレのホームスタジアムです。対戦相手は蔚山現代、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)のグループステージ第2節の試合です。この大会はアジアのチャンピオンを争うもので、フロンターレは今回の出場が3年連続の10度目。これまで蔚山と同じグループに振り分けられたのは4回。最初の2014年にこそホームで勝利していますが、ほかの3回は引き分けが関の山で、通算1勝4分4敗、なかでも2021年にはラウンド16でPK戦に散りました。さらに今年のフロンターレは数多くのケガ人が出たり世代交代の時期だったりして、いまのところJリーグで9位と奮いませんが、蔚山現代はKリーグでダントツのトップに立っています。フロンターレにとって悲願のACL初優勝に向けてグループリーグを勝ち上がるために、まずホームで蔚山に勝利することが求められる試合でした。
しかしながら、お題のwinnerは「勝者」という意味ではありません。サッカーの文脈ではまったく別の意味で使われることもあるのがおもしろいと思いました。

ある日の等々力陸上競技場

では、この試合をAFC公式サイトの記事とともにふり返っていきます。

冒頭、フロンターレというチームを表すためにToru Oniki's sideとあります。直訳すれば「鬼木達監督の側」ですが、監督の名前を使ってhis sideとあれば「彼のチーム」。英語では同じ表現を繰り返し使うのを避ける傾向があるので、チームの由来やマスコット、チームカラーなどから生まれたニックネームで表現されることもよくあります。

試合は開始直後からフロンターレが数多くのシュートを打ちました。The home players were queuing up to try their luckとあります。queue upで「列をつくる」。瀬川、脇坂、ダミアン、橘田、マルシーニョと選手たちが次々にシュートを放ったことを表しています。しかしwithout punishing their visitors「ビジターチームを罰することなく」なので、1本も決まりませんでした。この最初の十数分間でどれか1つでもゴールを入れられていたら、かなり楽に試合が運べるだろうな、こういう時間帯を切り抜けられると相手に流れを持っていかれかねないな、そんな思いで試合を見ていました。

ただ、

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