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【24/1 /24】残置物の処理できていますか?

今週は、
芝田総合法律事務所・代表弁護士(環境ビジネス法務販路開拓)
芝田 麻里によるコラムをお届けします。
https://glocal-solutions.org/expert/expert-1660/

オフィスのお引越しの時、いらなくなったモノ、
どうされていますか?
知っておかないといけない法律のお話し、
是非ご一読ください。


みなさん、こんにちは。
環境問題、産業廃棄物に関わる問題を専門としております
弁護士法人芝田総合法律事務所の
代表弁護士の芝田麻里です。

今回は「残置物」についてお話しようと思います。

「残置物」とは、
お引越しなどの際に、
お引越しされる方がお引越し先に持って行かないため、
残されたモノです。
タンスやベッド、椅子など様々なものがあります。

この「残置物」ですが、
不動産業者さん等が
「いいですよ、そのままで。ウチで片づけます。」
と言って下さると、
お引越しをする者としてはラクですよね…。

また、企業などがオフィスを移転する際、
デスク、会議テーブル、パーテーション、チェア等、
様々な備品がありますが、
これらを転居先のオフィスに持って行かない場合にも
同様の状況が生じます。

その際、やはり不動産業者さん等から、
「残して行っていいですよ。」
と言われることがあります。

果たしてこれは適法でしょうか。
考えたこともない、という方が多いのではないでしょうか。

また、
仮にこのようなことが行われていることをご存知だとしても
このやり方に問題があるとは
考えられなかった方が多いのではないかと思います。

しかし、このやり方は
廃棄物処理法上は違法になります

廃棄物処理法上、
一般家庭から出される廃棄物は、
すべて「一般廃棄物」という扱いになり、
一般廃棄物処理業の許可を持っていなければ
一般廃棄物を運搬することはできません。

不動産業者は、
通常一般廃棄物の許可を持っていないので、
家庭に残された廃棄物を運搬することは違法になります。

では、運送業者に頼めばよいか、というと、
運送業者であっても
一般廃棄物の運搬の許可を持っていなければ
運搬することできません。

仮に運搬すれば、
5年以下の懲役若しくは
1000万円以上の罰金、又は併科(両方)が科されることになります。

では、適法に行うにはどうすればよいかというと、
各家庭から一般廃棄物処理業の許可を有する業者に
廃棄を頼むしか方法はありません。

不動産業者等が、
各家庭に対して一般廃棄物処理業者を紹介することはかまいません。

オフィスの残置物は、ちょっと複雑で、
産業廃棄物と一般廃棄物に分けられます。

そして、
産業廃棄物に該当する廃棄物については
産業廃棄物の許可を有する業者に、
一般廃棄物については
一般廃棄物の許可を有する業者に
運搬をお願いしなければ違法になります。

産業廃棄物の場合は、
物によって許可が異なりますから留意が必要です。
処理方法に迷ったらご相談下さい。


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