見出し画像

加川 大輔 代表取締役、中小企業・地方企業も全てのビジネスがDXに最適化された社会へ

DXが本当に必要な人と組織を救う。中小企業と地方企業の課題を柔軟な力で解決し、世界で活躍する存在へと引き上げていく。

CEO PROFILE
加川 大輔(かがわ だいすけ)氏
1994年生まれ、埼玉県出身。2022年6月Karorino株式会社を創業。

2017年 神戸大学 発達科学部 卒業
2017年 freee株式会社 入社
2020年 smooth株式会社 入社
2022年 Karorino株式会社 創業

ー 本日はよろしくお願いいたします。早速ですが、起業までの経緯を教えてください。

僕は、freee株式会社(以下、freee社)の出身なのですが、元々SaaSやバックオフィス、クラウドサービスというキーワードに興味があったわけではありません。ましてや、起業を考えるような学生でもありませんでした。就活生の頃は、全力で働きながら自分のキャリアを切り拓ける会社に行きたい、と考えて金融や広告会社、商社など大手を満遍なく受けたんですが、最終面接まで行っては落ちるということの繰り返し。もちろん、とても悔しかったです。そんな中で、せっかく内定をいただいた証券会社も面白くなさそうな気がして、断ってしまいました。留学しようと大学院入試に向けて動いていた頃、ご縁のあったエージェントさんから紹介されたベンチャー3社のうち1社がfreee社でした。その時も興味があったわけではありませんでしたが、面接官だった方の、いわゆるベンチャーらしい芯のある熱量に惹かれて入社を決意しました。

1年目は、やる気はあれど自分の会社がやっていることの意味や意義を本当の意味で理解できてはいないというか、業務に取り組んではいるけど、腹落ち感はないという状態でした。
freee社は、中小企業や個人事業主向けに会計ソフトを提供する会社なのですが、僕が所属していた部署は、エンタープライズという上場企業向けのプランの立ち上げを担当していました。首都圏だけでなく地方の企業にもご提案をしていまして、大阪、福岡を中心に地方進出をしていく中で、初めてこのサービスが実現できる業務効率の大きな可能性を体感しました。地方企業ならではの価値観があり、導入のハードルが高かったりもしましたが、導入後に与えるインパクトは、それなりに内部でIT化が進んでいる首都圏の企業よりもはるかに大きい。なるほど、地方でのDXってこういう意義があるんだなと思いました。

こうした経験から、業務に対する腹落ち感もあって、仕事をガンガンやっていく中で、任せていただく仕事の規模が大きくなっていきました。部署自体もみるみる大きくなり、僕は特に売上規模の大きいクライアントを担当していたので、会社に与えるインパクトを肌で感じました。そんな中、クライアントが上場したりすると、ある種の勘違いが生まれました。社会にインパクトを与えられる可能性を、自分の手で作れるんじゃないか?みたいな錯覚です。ただ、それが「起業」というものに対して蓋が取れた瞬間ではありました。この時には、今Karorinoで展開している事業の構想がすでにできていました。

その後はfreee社を退職して結構な紆余曲折があり、自分でプログラミングをやってみようとしたり、freee社時代に繋がりがあった石川にある企業から声がかかってジョインしたりもしました。そこで構想していた事業をやりたい思いがありましたが、バタバタと忙しなく働き、やりたかった仕事に辿り着く前に、手一杯になっていました。そのほかにも色々と、試行錯誤を経て、もうこれは自分でやるしかないという結論に行き着いたんです。

元々、絶対に起業するぞ!とか、有名になりたい!って気持ちがあったわけではないので、起業するまでに半年くらい考えたりもしました。本当に「自分」が立ち上げる必要があるのか?そもそもこれって誰かに求められていることなのか?という感じで。誰かがやってくれるなら、それはそれでいい、既存のアセットがあるならそこへのジョインでもいいと思っていましたが、そういう人やチームがいたわけでもないので、最終的にこの課題を解決すべく、自分がやろうという着地になり、稼働させていったのが今の会社です。

ー 大切にしている思いがあれば教えてください。

ミッションでいうと、「テクノロジーとそれを必要とするビジネスをつなぐ架け橋となる」で、ビジョンには、「中小企業・地方企業も全てのビジネスがDXに最適化された社会へ」というものがあります。僕たちは、お客様のために必要な解決策を提供するという覚悟の裏返しとして、販売手数料で儲ける代理店はやらないと決めています。そして、それを中小企業と地方企業を対象に展開するというのが、一番大事なことだと考えています。
各社様々なサービスを導入すると思いますが、導入してみたもののよく分からないであったり、資金的な関係でDXをしたいけど充分な検討ができないであったり、なかなかDX化に取り組めないという企業に対して、本当の課題は何で、どう解決していけるのか、しっかり向き合い、サポートできる存在でありたいです。

ー 中小企業や地方がキーワードになっているのはfreee社での経験による影響が大きいですか?

大きいですね、大都市である大阪でもDXにおいては東京に対して遅れをとっている部分があります。それ以外の都市だと、輪をかけてそうですね。この点に関しては、ずっと違和感を感じていました。

表現が難しいですが、都内でDXというのは、あまり必要ないのではと思っています。東京は人が溢れているわけじゃないですか。どちらかというと、地方だからこそDXが進むべきだし、より大切だと思っているんです。日本の中だとIT系って、なんだかイケイケな感じがありますが、グローバルな視点だと地方産業の方が活躍していたりするんですよね。産業においてもですがDXも、中小企業や地方企業だって日本の主役になれる可能性は充分にありますし、そこに貢献できるフィールドもあると思っています。この地方企業や中小企業のDXをサポートするという事業はまだまだブルーオーシャンですので、これから進出し獲得できる市場の規模感が大きく、かなりのビジネスチャンスがある領域だと思っています。

ー メンバーの特徴はありますか?

3つあります。
まず、「お客様に最適なものを」というスタンスが強い傾向にあると思っています。お客様のために一番いいものは何かを考え尽くすという感覚が強いです。ビジネス的にこっちの方がいいな、という瞬間って多いんですが、そういった場合もビジネス的に有利なことではなく、お客様にとって何が良いのかを選択する、という軸があります。

2つ目が、そのために学び続けられる人である、ですかね。
「自分が興味があるから」という動機も、もちろん大事ですが、お客様が求めるものに貢献したくて、そのためにあらゆるリソースや、自分の時間を使ってキャッチアップできるような人が多いです。要するに、お客様のために成長したいと思っている人が多いです。

3つ目は、こだわりが強い人が多いです。趣味でもなんでも。何かしらひとつにこだわりがあったりとか、ポリシーを持ってるっていう面があるように思います。

業務や僕の思いに対しては、共感があるのかはわからないです笑 ただ、お客様のためにという軸で提案できる場所で、特定のツールや業務範囲に縛られず、自由に自分達がお客様のために必要なものを提案し続けられる環境という意味で、共感されているんじゃないですかね。
僕がやろうとしているコミュニティ事業そのものに共感があるのかはわかりませんが、それはそれで良いと思っています。

ー採用を振り返ってみて、現在のメンバーが集まった理由になりそうな基準はありますか?

選考では必ず、どう仕事したい?と、お聞きします。また、会話のラリーよりは、回答内容に重点をおいています。お客様によって抱える課題がそれぞれ異なる中で、その核を理解し解決していく仕事ですが、どういうふうに取り組みますか?と質問すると、お客様の満足度などお客様の視点が基準となっている方、実績や数値、自身の視点や結果が基準となっている方で結構明確に回答が分かれますね。お客様起点で事業を創ろうという方が好ましいと思ってはいます。あとは、新しい商材へのキャッチアップの仕方とかをお聞きすると、案件が出てから勉強しますというタイプや自分で情報を得て勉強しますって方に分かれたり。直接的にじゃないのですが、こういったところの質問をして、結果同じベクトルで働けそうなメンバーがジョインしてくれたという印象です。
こういう方は、営業であれCSであれ、お客様の立場や軸を大事にした仕事ができるため、この感覚は活躍においてものすごく重要な要素だと考えています。これは、これまで数多くの営業やCSの方を見てきた、そして肌で感じてきた部分でもあります。

ー 今後の目標を教えてください。

僕たちが作りたい事業には、地方企業と中小企業というものを軸に2つがあります。「コミュニティ」という、お金がないけど相談したいという人たちを救う事業と、課題が深すぎて変えられない、どうしたらいいか分からないという会社を直接支援することで救う事業です。
前述の通り、地方こそDXを推進すべきですし、そのサポートをすることで、最も生産的で日本を代表する企業へ多くの地方・中小企業を変革させるのがミッションだと思っているので、そういう企業を1社でも多く作っていくというのが、今やりたいことかなと思っています。
今日も、つい先ほど関西から帰ってきたばかりで、来週は福井、金沢という感じなんですが、一緒に取り組みたい、成長したい、変わりたいという企業様を見つけて作り上げていきたいです。
コミュニティの事業に関しては、お金がないという理由で「分からない・見つからない・調べられない」という人たちを救う事業だと思っていて、そういった人や組織に対して、実際にそのツールを使うユーザーや同じ課題に取り組む、取り組んだことのある企業を繋ぐというコンセプトなので、まず自分の得意領域であるバックオフィスでしっかり実現したいです。会社を作ったり、個人で独立したり、DXしたいとなった時に最初に相談するプラットフォームが僕たちでありたいと思っています。それがここ3年で成し遂げたい目標でして、地方・中小企業のインフラ的な存在になっていきたいです。

創業して、事業を立ち上げて、まず初めに相談するとなれば商工会とかがあるかと思うんですけど、システムに関して相談したければ、まず最初にKarorinoに、ということですね。


「glorious_」公式サイトはこちら