【漫画】いじわるキツネとピュアなクマ21「失くなった歯ブラシ」
おいクマ。俺のグミ食べる?
ごめん。今から歯を磨くから遠慮しておくよ。
そうかそれは残念。ちゃんと寝る前に歯を磨くとか真面目だなお前。
普通だよ。じゃあ行ってきまーす。
(行ってらっしゃい。地獄の歯磨きタイムへ。ま。そもそも歯磨きすらできないんだがな。)
あれ?おかしいなぁ。僕の歯ブラシがないぞ?
どうしたクマ?何悩んでんだ?
僕の歯ブラシが見当たらなくて。
どうせ奥に落ちてんだろ?よく探せ。
どこにもないよ。困ったな。
(ま。そうだろうな。なぜなら俺が隠したから!永遠に探し続けるが良い。出てくるはずがないお前の歯ブラシをなぁ。俺は高みの見物と行かせてもらう。)
ま。いっか。ちょうど古くなって来てたし。ちょうど替えどきかな?新しいの出そっと。
(何?もうちょっと粘れ。このへなちょこ野郎。もっと困ってもらわないと、こっちも面白くねぇ。)
あれ?代えの新しい歯ブラシがない。確かにいつもこの棚に直してあるんだけど。
(はい。残念。わかってました。お前が直ぐ探すの諦めるの。だから、新品のも隠しておきました。俺様ナイス!)
あっ!ここに一本残ってた。ちょっともったいないけど、これ開けちゃお。
(チッ。一本見落としてたか。まぁ良い。次の手はすでに打ってある。)
あれ?歯磨き粉もないぞ?そこへ行ったんだ?
お前モノ失くし過ぎ。もうちょっと丁寧に扱えねーのか?このノロマ。
お騒がせしてすみません。
(良いんだよ。もっと騒げ!それが俺の目的何だから。お前にはもっと苦しんでもらわないと、逆にこっちが困るってもんだ。)
仕方がない。今日は歯磨き粉なしで頑張るか。ちょっと気持ち悪いけど。
(なんか。思ってたより「クマをジリ貧にする会」みたいになって来たな。だが、これもまた一興。ジワジワいたぶるのも面白いじゃねーか。)
糸ようじもないぞ?
(正直俺は使ったことないから、糸ようじがどういうものかはよくわからんが、とりあえず困るだろうと思ってついでに隠しておきました。決まったぜ。俺のトリプル歯磨きイラズラ・コンボ!今日は俺の作戦勝ちだったな。)
まぁ。いつも頑張って磨いてるからたまには良いか。でも、本当にどこ行ったんだろう?
おい。歯磨きはまだ終わらねーのか?俺も早く歯を磨きたいんだ。そこをどけ!
長々と洗面所を占領してごめん。どうぞこちらへ。
全くいつまで待たせんだっつーの。さ。俺の歯ブラシはっと。
って。流しに落としちまったー!クマ。ピンセット早く!!
おしまい。