ルネ・ラリックリミックスin東京都庭園美術館 ~後編~

画像1 昨日に引き続き、ルネ・ラリックリミックスの作品をご紹介していきます🎶ラリックさんは当時はあまり目を向けられていなかった、植物や生き物などの自然をモチーフにしました。ラリックさんは幼少期フランスの田舎で育ち、そこで感じた自然の美しさが作品の原体験になっているとか💡 私は鳥が大好きなので鳥モチーフがあるのがとてもうれしいです🐦こちらのクジャクのランプもとても美しいですよね✨ガラスの裏から彫る技巧を使っていて、柔らかい光の演出や、鳥のふわふわさを彫りの深さを変えて表現しています。。
画像2 こちらも鳥モチーフ、ツバメです。クジャクの羽毛の柔らかさとはまた異なり、素早く空を飛ぶツバメのシャープな姿が彫り込まれています・・先日、本物をカメラを連写して納めたばかりですが、当時そのような機械もなかった中、よくここまで精巧なデザインができるなと大変感心します。。
画像3 こちらはジュエリーですね。真ん中に薄布をまとった女性の姿が描かれています。当時、アクセサリーの価値は使われている宝石の価値で決まっていたそうですが、そこにラリックさんが見事なデザインを吹き込んだことで、高級な宝石だけでなく、七宝等宝石としての価値は高くないものもデザイン性の美しさで価値が認められるようになったそうです。。とてもすごい貢献です・・・。まさに付加価値。
画像4 テーブル上の食器や置物もラリックさんのデザイン✨洗練されたデザインです。ヴェネツィアガラスの多色ガラスを用いた華やかさとはまた異なり、少ない色彩の中で、すりガラス加工等を使うことで、洗練された美しさを感じさせます。✨
画像5 こちらも鳥モチーフのクジャクですね。確か、テーブル飾りと書いてあったと思います。光に照らされたクジャクたちの見事な精細な尾羽根の羽毛。。鳥への愛を感じます🐥💓
画像6 こちらは鹿さんのツボですね。地の薄緑色とかわいらしい鹿や木々のデザインがびっしりと加えられています。
画像7 火の鳥という題名だったと思います。こちらも見事な羽根の造形。上半身は女性のような、空想上の生き物であると思いますが、こちらも見事です。また、形状は左右対称に近いですが、完全な左右対称ではないですね。以前、ラリックさんは当時はやりのジャポニズム(日本ブーム)も取り入れていて、当時西洋では完全な左右対称が美しいとされていましたが、日本の綻びの美学というようなものを取り入れていたという話を読んだことがあります。もしかしたら、この作品もそういった背景があるのかもしれませんね。
画像8 ここから、ラリックさんがデザインした香水瓶になります🌹当時、コティ社という香水の会社から、「香りは嗅ぐまでわからないけど、それを視覚的に表現できないか?」とのオファーがあり、次々と香りのイメージを具現化した可愛しい香水瓶が生まれたそうです。今だってパケ買いというのはありますから、それはもう人気を博したことでしょう。。
画像9 こちらはスズランの香水瓶だと思われます。水色の透明感が綺麗です✨ そして生産技術者である私から見てラリックさんの何がすごいって、こんな!美しいものを!量産しているってことです❣当時は貴族とかお金持ちが美しい物を高いお金で買っていたんです。でもそこでラリックさんは一般庶民にも美しい物を届けたいという事で、美しい且つ、量産できるデザインを考え出してたんですよ。。!✨量産するって事はコストは下がりますが、一点物よりも自由度は下がります。そこが技術者腕の見せ所であり、ラリックさんを尊敬する所以です。
画像10 先ほどはつい熱くなってしまいました。。 こちらはなんとなく、気になってしまったこのカタツムリの香水瓶です。台への映り込み具合と言い、カタツムリの外殻の渦巻き周りの細い線がたくさん入っている繊細さとかきれいだなぁと思ってみていました✨
画像11 そして美術館をあとにしようとすると門にカタツムリが!!これをあのデザインに昇華するんだなぁ。。とまじまじと久しぶりにカタツムリを眺めましたw そういえば、カタツムリ、嫌いじゃないですが、美しいとは思ったことがなかったのでその着眼点がすごいです。  と、これで最後の画像です。改めてラリックのデザインの美的な美しさと、美と技術の融合のバランスの良さに感動いたしました。私も美を目指す技術者ではないのですが、だからといってどんなものだって美しい方がいいに決まっているのでその視点を仕事に活かせたらと思う次第です。

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