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二等市民でさえない『女ども』に告ぐ

TL上で猫の虐待死事件に心を痛め警察署へ被害届を提出した女性の話が流れてきた。彼女が警察署へ提出した重要証拠品(血がついた猫の歯、爪)は無断で処分され、抗議しても『取るに足らない』と一蹴されたとのこと。

上記の流れを見て非常に悲しく思っている

わたしも元夫とのトラブルで何度も警察署へ足を運んだ。はじめわたしは純粋に警察を信じていた。夫に殴られた、と訴えればシェルターの情報やDV加害者、被害者双方の改善プログラム、子どもたちの精神的ケア等の情報提供してくれる、と思い込んでいた。とんだ大バカ者である。バカすぎて涙が出てくる。

結論から言うと警察からそのような対応はなかった。ほかにも言いたいことは山ほどあるが今言えることはそれだけだ。正直何が起きているのかさっぱりわからなかった。役所等においてあるDV関連の啓発パンフレットにも希望を持たせるような文言がたくさん並んでいた。でも情報を得ようと役所に行っても話は聞いてくれるだけで具体的な解決方法は何一つ教えてもらえなった。

憤ったわたしは行政、警察で起こった出来事を父に訴えた。
父は『警察がそんなことするわけないじゃないか(笑)』と信じられないような様子で朗らかに笑っていた。事実、父が警察署員と話している間、彼らは父とまともに話をしていた。話している最中に早口で割り込んでくることもなく、敬語も使ってくれ、父の証言を端から疑うそぶりも見せなかった。わたしが警察署員に訴えていた内容そのままだったにもかかわらず。

ついでに父からは『そんなに役所や警察に文句があるならば議員にでも立候補すれば良いじゃないか(笑)』とも言われた。


上記の事例のような出来事は令和6年の現在でさえこの国では当たり前だ。
二十年以上前の話だが『エビちゃんOL』が一大ブームになったとき、cancam系の赤文字系雑誌では『愛され女子』という言葉を頻発に使用されていた。わたしは『なぁ~にが”愛され”だよ。っざっけんなよ!お”!?』と思うだけの陰気なオタクだったのでKERAやゴシックロリータバイブルを食い入るように眺めては『翠ちゃん…!翠ちゃん…!!!!!』とジタバタしながら新宿のマルイアネックス館7Fを鼻息荒く歩いてなけなしの三千円でアリパイの靴下を買うのが関の山だった。


とにかく、だ。20年前の赤文字系雑誌では合コンという謎会合への対策法(すてきな女の子の”さしすせそ”)、ラスボス(彼ママ)攻略法が毎号のごとく載っていた。社会の通奏低音として『女はしゃしゃってくんなよwwww』を感じていた。さらにその奥に『どうせ女はバカなんだからwwww』『女は下等生物wwwww』という嘲笑を感じていた。


わたしは陰キャのたしなみとして二十年ほどインターネットを定点観測し続けている。女をバカにする言葉はずっとずっと存在していたが(『スイーツwww』)、ここ十年ほどはもっと先鋭化してきていて(要は性器呼びのソレだ)この国で女として生きる息苦しさを感じている。わたしがインターネットに毒されすぎている可能性は高いが、今現在この国の女は男性と同権では決してない。といって二級市民かと言われればそうでもない。じゃあ人間か?残念ながらそれも間違いだ。人じゃない。人ですらない。それが女だ。
コンプライアンス上、ひとまず人間扱いしてるだけだ。世間様から怒られないように、世間様から『うわぁ(女なんかを人間として扱うなんて)立派!』と言われたいがために。


女だってその世界で生き抜かなければならない。
だから迎合して自らを『〇~〇(すみません、呼称したくないので伏せます)のモノですが』と卑下して男性に取り入ろうとしたり、『かわいくて気の利く女の子』として婚家の最下層民としてふるまった結果子どもに八つ当たりして地獄の再生産をしてみたり、『賞味期限切れwwww』『こっえええwwwww』と男女から誹りを受けながらも『俺は俺だ!!!!』と立ち続ける覚悟を決めたり、とそれぞれの女が今日も今日とて闘っている。


非常にむかつく現実だがそれでもあなたたちは人間だ。
性的に消費され、なぜだか上から目線で品評され、自らの個性を押し殺して黒子として存在することを是とされても、あなたたちは人間だ。

わたしもわたしをどうすればいいのか未だに分からない。
この世界を子どもを抱えてどう生き延びれば良いのか分からない。
でも人間であるという一点は必ず守りたい。

あなたたちは人間だ。それはまごうことない事実なのだ。

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