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人事として意識していること

こんにちは。GoalsにてHR(人事)を担当している加藤です。
Goalsでは、食品産業全体の生産性を向上させることを目標に、現在は外食産業に特化した業務改善クラウドシステム「HANZO」を開発しています。
採用候補者を中心に様々なステークホルダーの方に情報を届けたく、毎月noteにて情報発信しています。

2月にも「スタートアップで働くってどうなの?」という主観オンリーのnoteを書いたばかりですが、訳あってまたも筆を取ることになりました。
今回も、普段のnoteとは趣向を変え、Goalsの事業内容に関わることではなく、「スタートアップで働く人事として心がけていること」を主観オンリーかつ意識高く書いてみたいと思います。
誰かの何かの参考になれば幸いです。(なるのか?)

人事の仕事内容は、会社のフェーズや規模や人数によっても、また会社の価値観によっても変わるかと思いますが、あくまでスタートアップにおける人事について主観ベースで書いています。
大企業や、歴史のある企業では全く違った考え方かと思いますので、もしそういった企業で人事の仕事に従事されている方が読んでいればぜひご意見いただきたいです。
今回も、スタジオジブリ静止画画像から画像を拝借しましたが、画像と内容は関係ありません。


即レス

「人事=ヒトのコト」と書く通り、人事の仕事は基本的に相手=ヒトが存在します。
自社の従業員だったり、経営陣だったり、採用候補者、外部の協力会社の方々など、数多くの人と一緒に仕事をしたり、その人たちのための作業だったりが仕事のベースとなります。
相手がいるということは、何かしらのコミュニケーションが発生するため、人事の仕事はコミュニケーションだ、と言っても大袈裟ではありません。
内容はさまざまですが、コミュニケーションが仕事である以上は、やはりスピーディな反応が求められます。
もちろんケースバイケースですぐに対応ができるとは限りませんが、メールにしろ、社内のチャットにしろ(GoalsではSlackを使用しています)、相手が社内でも社外でも、見たらすぐに反応することを心がけています。

人材業界や、スタートアップ仲間ではmessengerを使用している方が多く、messengerはもちろん、Slack、メールなど各種ツールは常時チェックしています。
推奨するものでは決してありませんが、個人としては早朝、深夜、休日もほぼ関係なく即レスは心がけており、自覚としてはいつでも常にレスがかなり速いはずです。(会社としてではなく、個人としてです、念の為)

© 1984 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli, H

黒子であること

どんな会社にもミッション、ビジョン等の会社として成し遂げたいこと、なりたい姿などがあるかと思います。
人事としてのミッションは、会社がミッションを実現するために、人・組織の面を主体的にグランドデザインし、様々な状況を考慮した打ち手を考え、経営陣や現場と協議を重ねながら実行して、最適なチームを作るためにあらゆる役割をしていくことです。
採用活動などにより「良い組織をつくること」が目的ではなく、あくまでミッションを実現するための手段として人や組織が存在しているはずです。
人事がプロダクトやサービスをつくったり、それをお客様に提供したり、お客様の課題解決を行うことは、直接はできませんし、役割分担としてもするべきではない。間接的にそれを支援すること、それが最大限発揮できる制度や施策を行うことが人事の仕事です。

人事は黒子に徹するべきだ!と声高に言いたいわけではありませんし、人事はコストセンターだとも思っていませんが、会社の中の役割分担として、会社の主役ではないことは常に意識しています。即レスにも繋がりますが、人事からの返事が遅くてビジネスが進まないなんてことはあってはならないですよね。

© 2001 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli, NDDTM

嫌われない努力

前回のnoteでも書きましたが、管理部門の仕事は良くも悪くも全社員に影響がある仕事が多いです。
採用では様々な部門の方にカジュアル面談や面接の対応をお願いしなければならないですし、社内の制度やルールを運用したりする中では全社員に何かをお願いしたり、時間をかけてもらうことも多々あります。
(みなさんいつもご協力ありがとうございます🙇)
同様に、外部の協力会社の方にも様々な依頼をすることがあります。
管理部門からの依頼事項は、現場からすると主業務ではないため面倒に感じることも多く、そういった際に快く協力してもらえるような関係を構築すること、少なくとも渋々でも協力してもらうことが必要です。

また、人事という立場は、どうしても穿った見方をされやすいので、公平かつフラットな立場であるべきです。特定の部門やチーム、人と距離が近いことは、(評価やルールなどで)優劣があるのでは?と見られてしまう可能性もあります。
そういった考えから、「好かれる努力」よりも「嫌われない努力」することを意識しています。

人事=採用では無い

マクロで見れば日本全国どこも人手不足ですが、当然スタートアップのような新興企業でも人が足りないという状況が常態化していると思います。
ゆえに、特にアーリーなスタートアップにおける人事の仕事はほぼイコール採用になりがちで、時間的にも精神的にもシェアを奪われてしまいそうになります。

しかし、上述したように、採用(人)も、組織のミッション達成のための手段です。いかに募集要件に適した人が採用できても、その人がしっかりとパフォーマンスを発揮できないと採用した意味がないですし、楽しく、モチベーション高く働いてもらえないと長く続きません。
採用はあくまで会社への入り口であり、入社後のオンボーディングや人材開発、人事評価、また制度やルール設計によりパフォーマンスを発揮してもらう取り組みも重要ですし、安心して働いてもらうための労務環境整備も必要です。
採用という入り口がなければ組織がつくれませんが、採用できればOK、というわけでもありません。

シリーズ・フェーズを意識する

スタートアップならではですが、会社の立っているフェーズにより、考えることは変わります(=スタートアップ用語でいう「シリーズ」と言い換えても近しいです)。
プロダクト(サービス)をつくっているフェーズなのか、世の中に届けるフェーズなのか、それが届いて拡大するフェーズなのか。
30名組織を目指しているのか、50名なのか、100名なのか、300名なのか。
外部からエクイティ調達をしている場合(多くのスタートアップがそうだと思います)は、何かしらのエクジットの時期をいつ頃と見積もり、今はその何年前にいるのか。(N-⚪︎⚪︎ってやつですね)
それぞれのフェーズにより、何が必要か、何をするべきか。
また逆に、何が不要で、何をしなくても良いか。
法令対応も社員数によって変わりますし、社会的に求められること、コンプライアンス的に必要なこと、組織事情としてやらざるを得ないこと、監査や審査等々の様々な対応がフェーズにより異なってきます。

自分たちがいまどこに立っていてと、ここからどこに向かっていくのか。それを認識していないと、ベターとマストを混同しがちになります。
時間もお金も余裕がないスタートアップにおいて、「何をやらなくても良いか」という線引きは非常に重要です。

2年先を見る

「いま」だけではなく、2年先3年先の未来を想像して組織や施策を考えるようにしています。
目の前で起こっていることの対処としての「いますべきこと」だけでなく、未来からの逆算としての「いますべきこと」を想像しておくことで、2年後に必要になる人材をあらかじめ募集しておいたり、人が増えたり環境が変わることで形骸化してしまうような施策は実施しない、などの意思決定のベースとなります。
Goalsのバリュー「ゴールから逆算。」というバリューがありますが、ゴールというわけではないものの、想像した未来から逆算し、全体最適を追求しながら、起こすべきアクションを考えています。

例えばGoalsの人事チームについて、2年後に全社員がXX名くらいの想定で、会社としてのフェーズがXXだとしたら、採用以外の機能も必須になっているはず。
その時点から体制構築にとりかかっても間に合わないので、今から未来に向けたチーム体制をつくっておいた方が良い。
という想像のもと、採用担当、労務担当、組織開発担当、など役割分担をした体制を構築させてもらっています。

会社の状況がどうなるか分からない、と思う気持ちもありますが、前回のnoteで書いたようにスタートアップとは急成長を目指す企業であり、半ばそれが義務付けられた企業とも言えます。
であれば、「事業も組織も成長する前提」で未来を想像しておいて損はないと思います。
(会社全体としてはコストバランスを意識するのも当然なので、人をバンバン採用した方が良い!という意図ではありません)

© 1984 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli, H

意思決定は経営者

管理部門の仕事は全社員に影響することが多いと書きましたが、ゆえに判断に迷った時の意思決定者は経営陣(主に代表取締役)になることが多いです。
採用はもちろん、制度設計や人材開発施策なども、人事内で検討し、意見や考えは持った上で提案しますが、経営陣に意思決定していただくことがほとんどです。
取締役の意見が常に正しいとは限りませんし、そもそも人事に正解などありませんが、良し悪しではなく、意思決定の最高決定者は経営陣であるべき、という前提に立って仕事をしています。

経営陣も対等

上に書いたことと矛盾するようですが、意思決定の権限と、立場はまた別だと考えています。
たとえ相手が経営陣だとしても、仕事で相対する以上は、考えたこと、思ったことはしっかりと伝えるべきですし、指摘すべきことは指摘すべきです。
管理部門は仕事柄会社側になることが多いですが、それはイコール経営陣に迎合するということでは決してなく、むしろ役割として第三者的な立場で俯瞰し、経営陣に対しても対等にコミュニケーションを取ることを心がけています。
COOの渡邉が良く「配慮はしても遠慮はするな」と言っていますが、まさに、経営陣に対しても遠慮せずに進言していますし、むしろ積極的にそうすべきです。
百選練磨の経営陣と対等なコミュニケーションをするための準備や経験は、社会人としての成長にもつながるのではないでしょうか。

© 2023 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli

世の中の状況を知る

人事という仕事に限らずだと思いますが、ビジネス環境は常に変化していくため、情報収集は欠かさないようにしています。
忙しいとつい目の前の仕事のことばかり考えてしまいますが、2年先を見る上でも、また人事の仕事のトレンドや他社事例を知る上でも、様々な情報収集は必要です。
SNSやメディアでの発信には日々目を通し、人事関連のセミナーやスタートアップ関連のカンファレンスなどがあれば、できる限り直接足を運ぶようにしています。
労務的な法令が変更されることもあるので、様々な人事系のメルマガなどでチェックし、必要であれば勉強会に参加したりもしています。

もちろん全てのニュースに目を通すことは不可能ですが、マクロ(社会的なニュース等)、ミクロ(スタートアップ関連、人事関連)ともに日常的にチェックしておくことで、なにか考える際や迷った際の材料にできます。
ありがたいことに、今はオンラインでもオフラインでも様々な勉強会やセミナー、イベント、コンテンツが多数あるので、隙間時間を活用できて助かっています。
ちなみに、私の情報収集は音声配信がメインで、移動時間や運動中は常に音声配信を聴いています。

© 2023 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli

誘いは断らない

散々書いてきたように、人事は人と組織に対する仕事がメインであり、コミュニケーションこそが仕事なので、人付き合いは大事にしています。
社内のランチや飲み会、また社外のスタートアップ仲間や人事仲間からの誘いや、人の紹介、イベントなどの誘いは、基本的に断らないようにしています。
(ただお酒を飲むのが好きな言い訳ではありません!)

特に、人事は勉強会や交流イベントも多く、他社の人事の方や人材業界の横の繋がりも数多くあるので、懇親会のお誘いや、壁打ち相談などの誘いがあれば、積極的に参加しています。
ぜひぜひ今後とも何かあればお声がけください。

DoとAction重視

スタートアップは環境の変化が早いので、考える/分析するよりも、行動してみてから振り返って修正していく方が早いと思っています。

例えば、採用において、各ポジションの各要件ごとに採用ルートを過去事例から選定したり、エージェントごとの歩留まりを分析しながら効率の良い採用活動を行っていくケースもあるかと思いますが、スタートアップの初期であればあるほど、そもそも過去事例に意味がなかったり、分析するほどの母数が無く、それが当てはまらない場面も多くあります。

であれば、その時間を使って一人でも多くの候補者と面談したり、1分でも早く書類選考や日程調整を行ったり、1記事でも多く採用につながるnoteを書いたり、とにかく行動を数多くこなすべきです。
それは、とにかく行動だけすればいい!という意味ではなく、比重としてDoとActionを多くして、とにかく高速にPDCAを回転させていった方が良いのでは?という意味です。
環境の変化が早く、動いていく中で最適解すら変わっていってしまう可能性がある中では、軌道修正しやすい意識が大事ではないでしょうか。

まとめ

今回も長くなってしまいました(汗
人事という仕事は奥が深く、永遠に学び続ける必要があります。
これからも良い意味で意識高く学んでいきたいと思っているので、ぜひスタートアップに限らず人事として仕事をしている方々と交流できれば幸いです。

Goalsに興味をお持ちいただいた方はこちらから↓

それでは!


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