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広島湾岸トレイルランのポテンシャルの高さ


私はトレイルランニングを始めてから、14年ぐらいにになる。私が始めたのは2009年頃。国内外関わらずあっちこっちのトレイルランニングレースを走ってきた。

トレイルランニングレースは、山の中で行うスポーツだ。そのため、山に行く、つまり基本的に田舎である。特に 100km 以上の大きなレースとなると東京や大阪といった大都市近郊では行われず、長野や静岡、山梨、滋賀、熊本の山奥で開催されることが多い。メジャーなレースだと、Mt.FUJI 100 や信越五岳、阿蘇ラウンドトレイルなどなど。

先日発表された Mt.FUJI 100 のスタート・ゴール地点は「富士北麓公園」というところで、アクセスがあまり良くない。また、斑尾高原が拠点である信越五岳も自家用車が無いとアクセスが難しい。

もちろん、ハセツネ(東京都あきる野市)や比叡山インターナショナルトレイル(京都市と大津市)といった都市部近郊のレースもあるといえばあるが、それでも会場が山奥にあったりするので、アクセスは意外に大変である。

一番の課題は宿の確保

トレイルランニングレースに参加するに当たって、一番苦労するのは宿の確保。田舎でレースが開催されることもあって、会場周辺に宿がない、あったとしても全選手が収容できるだけの部屋数がなかったりする。これは皆さんも経験されたこともあると思う。

私も国内外のレースで一番気を使うのはホテルの確保。移動手段は最悪自家用車やレンタカーを使えばアクセスができるが、ホテルは数が限られる。そして、土地勘のないところだとなおさら苦労する。

2015年に滋賀県高島市のフェアリートレイルに参加したことがあるのだが、宿が少なくて本当に苦労した。このときは、車を借りて大津市内に宿を確保して、早朝(朝4:00ごろ)に出発で対応できた。一応、大会公式で会場周辺にペンションやバンガローは用意されていたものの、すぐに埋まって確保ができなかった。

観光地であれば十分な宿がやったりするのだが、滋賀県高島市はそれほど著名な観光資源があるわけではない。そのため、宿泊施設の数も限られる。

レースは自宅から始まっている

「家に帰るまでが遠足」という言葉はよく耳にしたと思うが、その逆も然りで「遠足は家から始まる」。つまり、「レースは家から始まる」と言っても過言ではない。

レース会場までの移動時も疲労は蓄積される。ここをどう工夫するかによって、翌日のレース当日のパフォーマンスにも影響すると思う。一番は、移動時間がなるべく短ければ短いほどよく、あとは移動時のクオリティを上げること。やはり、歩くより電車、在来線よりも新幹線、飛行機であればLCCよりもフルサービスキャリアといったところだろうか。

ただ、一番影響を受けるのは、やはり移動時間ではないだろうか。いくら新幹線や飛行機、自動車を使っても移動時間がながければ長いほど疲労は蓄積される。今年4月に自宅(大阪)から台湾の最南端の墾丁に行ったときは、合計で11時間ぐらいかかったが、流石に現地の宿についたときはかなり疲れた。本来であれば、台北あたりで一泊して移動すればよかったと思う(詳細は下記の記事をご覧ください)

日本国内の移動であれば、ここまで時間がかかることはあまりないとは思うが、7〜8時間程度かかることもあるのではないだろうか。関西に住んでいると、伊豆半島や北関東、長野、富士山麓のアクセスはあまり良くなく、それなりに時間も要する。

大都市のど真ん中で行われるトレイルランニングレース

移動手段や宿の確保を考えると、理想と言えるのは「大都市で開催されるレース」ではないだろうか。この条件を満たすものはなかなか無いのだが、広島で開催される「広島湾岸トレイルラン」は理想形のモデルではないかと思う。

広島湾岸トレイルのスタート地点は、「ひろしまゲートパーク」というところで、広島市のど真ん中。近所に広島県庁や広島城、原爆ドームといった、広島の繁華街のど真ん中が会場になっているので、宿や食事には困らないだろう。

また、交通アクセスも非常に良く、新幹線ののぞみの停車駅。新大阪駅からわずか1時間30分。そして、新幹線の駅からも3kmほどしか離れていないので、立地も良すぎる。

ここまでの立地のある大会って正直世界的に見てもあまりない。私が知る限り、この条件を満たしているのは、韓国の Seoul 100k、中国の大連100ではないだろうか。Souel 100k も、韓国の首都ソウルのソウル市役所前が会場で、アクセスは断然に良いし、宿も困ることはないだろう。参考までに、Seoul 100k のコースをこちらに共有しておく。

香港も大都市ではあるが、レース会場は意外に辺鄙なところな大会が多い。TransLantau by UTMB の会場であるランタオ島の梅窩(Mui Wo)は、香港島の中環からフェリーで最短40分だったりする。梅窩周辺にはちょっとしたリゾートホテルはあるが、全ランナーを収容できるキャパシティはない。

THE NORTH FACE 100 Hong Kong の会場もほぼ香港の端っこで、電車のみならず路線バスでの移動が必要になってくる。

Google Map などを参照すると、香港の都市部って意外に狭く、大半が山が多い地域となっており、そして会場となる場所が都市部からのアクセスが意外に良くない。


広島湾岸トレイルを国際化しても十分に対応可能

広島湾岸トレイルは、今のところは日本人メインで募集を掛けているのが実情だが、海外ランナーも誘致しても十分に満たせるだろう。

  • 交通アクセスの良さ

  • 宿泊施設の充実度

  • 食事の確保

  • 募集ランナー合計1000人と規模が大きい

  • 国際的な観光都市(平和記念資料館、宮島などなど)

2023年5月の秋吉台カルストトレイルの帰りに、広島に立ち寄ったのだが、海外からの観光客が多い。特に原爆ドーム、平和記念資料館を訪れている外国人観光客が多いことに驚いた。レース前後の観光も十分に満たせるのではないかと思う。

広島湾岸トレイルランは、ポテンシャルを秘めた大会ではないかと思う。昨年9月に第1回大会を無事に終えており実績もあり。今後、中国地方を代表する大会になるのではないかと思う。

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