今回は，こんな問題も？！という驚きの問題を紹介します．

Q. The nurse who works on the night shift enters the medication room and finds a co-worker with a tourniquet wrapped around the upper arm. The co-worker is about to insert a needle, attached to a syringe containing a clear liquid, into the antecubital area. Which is the most appropriate action by the nurse?
(夜勤の看護師が薬剤室に入ると，上腕に駆血帯を巻いた同僚がいた．同僚は透明な液体が入った注射器を取り付けた注射針を前腕に刺入しようとしている．看護師の正しい行動はどれか．)

a. Call security
（警備を呼ぶ）
b. Call the police
（警察を呼ぶ）
c. Call the nursing supervisor
（看護師長を呼ぶ）
d. Look the co-worker in the medication room until help is obtained
（助けが来るまで，同僚を薬剤室に閉じ込める）

いかがでしょうか．
私は「どんな状況？！」と二度三度読み直してしまいました．
要は，「夜勤中に自分で自分に薬物を注射しようとしている同僚を現行犯で見つけたらどうする？」という問いです．
アメリカのルールにおいて看護師（RN）の責任の範疇でどこまですべきなのか，それが問われています．
アメリカの法律において，正しい行動がとれない（impaired）・患者に対して悪影響を与える（jeopardize）看護師に関して報告することが義務付けられています．その上で，該当する看護師の治療や監督に関する計画を立案することになっています．では，誰に報告するのかというと，警察や看護師を統括する政府・省庁などの担当部局に報告する義務がある看護管理者に報告します．
その上で選択肢を確認すると…，

a. Call security
（警備を呼ぶ）
→×　抵抗や妨害があった場合に警備を呼ぶことができる．今回は情報がない．
b. Call the police
（警察を呼ぶ）
→×　看護管理者（看護師長）の業務である．
c. Call the nursing supervisor
（看護師長を呼ぶ）
→○　
d. Look the co-worker in the medication room until help is obtained
（助けが来るまで，同僚を薬剤室に閉じ込める）
→×　安全ではなく不適切である．

まずは，看護管理者を呼ぶ，ということでした．どこまでが自分の責任範囲なのかを知っておくことは，自分を含む全ての対象者にとってとても重要なことだと思います．

いかがでしたでしょうか．
今後も，気になったNCLEX-RNの問題を紹介したり，こちらでの生活で気が付いたことを紹介していこうと思います．