てぬぐい『カブトガニ』誕生秘話③

今なら!今なら!

……T商店のM氏にご提案いただいたこと、
オープン以来、オリジナル商品を漠然と企画していたこと、の要因がミックスされ、私は、オリジナルてぬぐいの製作に取り掛かることで頭がいっぱいになりました。
が、しかし先述のように倉敷をテーマ、モチーフにしたものは、私自身のなかで練りきれず、全く進行しません。商売を始めたばかりの倉敷という町に折り合いがついてなかったのかもしれません。

オリジナルデザインのてぬぐいを作る!
その事だけが先行し、ターゲットはどこへ、コンセプトは?
堂々巡りの考えは整理されず、全く考えが及ばない状況で数日が過ぎました。

もとより笠岡市の青山茶舗での営業が主でしたので「お茶とてぬぐい日本茶カフェ互茶」としてオープンした倉敷美観地区での地縁はほとんどありませんでした。
また、観光で来られたお客様に、観光ガイドブック以上の倉敷の案内はなかなかできませんでした。知る人ぞ知る…みたいな。

ご来店いただいたお客様には、その旨を苦し紛れにいつも説明していました。今考えれば勉強不足で、いい訳でしかないのですが。ホント申し訳なく思います。
そのかわり、といってはいけないのですが、
「笠岡」のことは想いを持って”語る“ことができました。
今考えるとその頃は、倉敷から笠岡への案内はシツコイぐらいにしていたように思います。30㎞ほど西の市(マチ)、クルマで混んでなければ30、40分ぐらいですよ。イイトコです。(今はさりげなく伝えるのが上手くなりました笑) 島や干拓地、笠岡ラーメン、カブトガニ、恐竜公園…ひまわり畑、古城山、芋代官…「笠岡」については、細かなネタもかなり持っていました。

そんなことをお客様に説明していたある日のことです。ハッと再認識しました。
自分の現在の立ち位置はどこか。
「お茶と手ぬぐい互茶」のアイデンティティは何?
「倉敷美観地区」で商売をしているけれど、「笠岡」から「倉敷」へ来て、店の営業をはじめたと。

その事をてぬぐいで表すことはできないか。
購入されるお客様にはその情報が上位にはならないように。
しかし、アイデンティティである「笠岡」を確実に盛り込むものであることは必須。

そこまで考えが進んで、「カブトガニ」をモチーフに選択。(なぜカブトガニを?いえいえ、この時は笠岡をモチーフにしたものは思いつく限り全部を商品化しようと思ったのです。←ここ大事!だからここでの選択は順番でしかなかったのです)
ここで手ぬぐいのデザイン事情です。現在はマニアックなモチーフも増えていますが、その頃のマニアックなものとして「オオサンショウウオ」「ウミウシ」等のデザインのてぬぐいはあったのですが、「カブトガニ」は過去メインモチーフとしては用いられて無かったのです。(←商業的に難しいから、今までなかったんでは?と思わないおめでたい思考だったことも幸いでした。)

こうしてめでたく「カブトガニ」をデザインした手ぬぐいを商品化することに決めたのですが、そこから今のデザインになるまでには、もう一つ山を越えなければならなかったのです。

笠岡だから「カブトガニ」なのか…
そこがオモテじゃないだろ!
(もちろん心のなかにはありますが)

ここから改めてカブトガニの生態を勉強したり
…④へ続きます

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