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スマホゲームの運営終了の判断基準とは?

7月も今日で終わりですね。
しかし、今年も時が経つのが早い!
あと5ヶ月で2021年も終わりですよ。
年末にはもう少し平かな世の中になっているといいなー。

さて、本日はスマホゲームの運営終了について書きます。
これは私のnoteを読んで下さっているからリクエストを頂いたテーマです。
毎日投稿も続くとパッと書くテーマが出てこない日も訪れていて助かります^^
みなさんも何か書いて欲しいものがありましたら、ぜひコメントください!

運営では様々なKPIを取っています。
例えばDAU、MAU、ARPU、ARPPU、課金率、継続率、売上などなど。
ゲームによって独自の指標をモニタリングしていたりしますが、基本としては上記のようなものはどんなゲームでもモニターしています。
なので、単純に単月の売上額だけを見て続行や撤退を決めたりはしていません。

何故なら
①ガチャの商材によっても振れ幅があります
②月初、月中、月末と時期によっても振れ幅があります
③イベントの内容、報酬設計でも振れ幅があります
④プロモシーョン施策によっても振れ幅があります
➄季節によっても振れ幅があります

これらは内的要因ですが、もちろんライバル企業のアプリの影響など外的要因も左右します。
ですので、だいたい多くの企業が数ヶ月単位でのKPIの状況を見て判断しています。
少なくとも企業ブランドへの信用とか、IPものであればIPのイメージ担保の観点でも3ヶ月以下で運営を終了するといったことは、よほどのことがない限りないです。

だいたい6ヶ月〜10ヶ月程度でのリクープ(損益分岐点越え)を目指して事業計画を立てています。
そして最初の6ヶ月の中でもリリースした初月の数字が跳ねていないと、なかなかに厳しい傾向にあります。
3ヶ月目で売上や様々なKPIが維持できているかどうかが、その後を占っていたりします。
この最初のスタートダッシュがしくじっているとだいたい、盛り返すことは難しいですし、初月の瞬間最大風速は通常の数倍の売上を記録したりするので、風が吹かない場合はもはや悪夢です^^;
なので、リリース初月の施策は入念に準備し、最上級の商材を用意して挑みます。

スマホゲームも売れ続けるものを作ろうとするとジャンルなどにもより、異なりますが5〜10億円もかかります。
これとは別にプロモーション費用なども数千万〜数億用意しますから、トータルで10億円近い初期投資になりますし、ゲームシステム、運営内容によりますが20〜30名ほどの運営スタッフが最低でも必要ですから、維持費も毎月、なかなかの費用がかかります。
これ以外にサーバ費用などもあります。

なので、下降トレンドを早く察知して継続か終了かを判断することは重要で、遅くなれば毎月数千万のマイナスを出し続けてしまうことになります。
また、終了告知してから課金停止、払い戻しなどいろいろと手続きもあるので2ヶ月前の告知となるので、マイナスが始まってから判断した場合は、最低でも2ヶ月間赤字確定で運営維持することになるので、悲惨です。

すでにご存知のユーザーの人も多いと思いますが、iOSもAndroidも売上金がそのまま企業の取り分になるわけではありません。
プラットフォーム手数料30%を引かれた70%しか入ってきません。
10億円売上ても入金されるのは7億円で、ここから運営維持のためのランニングコストや販管費、税金などを差し引いて残ったのが利益になります。

ですのでKPIを見て、振れ幅要因を加味して数ヶ月先の売上トレンドを読み解いて、早い段階で終了を判断しています。
きちんとKPIをモニターし、分析していれば予測することはそんなに難しくはありません。
もちろん分析するための知見、運営経験などがその確度を決めます。

最近は運営終了してもスタンドアロン版をアップデートで用意し、オフラインで遊び続けることができるようにしている良心的な企業もあります。
とはいえ、更新はされないのでいずれ遊び尽くすことにはなりますが^^;

いずれにしてもあまりに早期に終了するゲームを連発している会社のアプリに課金しようと思う人は少ないので、リリース前からしっかりと作り込み、その受容性を判断してリリースすることが良いです。
そのためにユーザーテストやクローズドβなどを行って、確認と調整をしてからリリースするという会社も増えています。

ユーザーテストやクローズドβについては別の機会に書きますので、よろしくお願いします。

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