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高市早苗氏の『美しく、強く、成長する国へ』に学ぶメンタルセット3選〜サナエノミクス、創薬力強化、安定的な電力供給〜

河野太郎氏優勢という声もありますが、まだまだわからない総裁選。

総理候補の高市早苗氏が9月15日、『美しく、強く、成長する国へ。ー私の「日本経済強靱化計画」』という新書を出版したので、そこからメンタルセットを読み解きました。


1、サナエノミクスを行う

本書で提案する『日本経済強靭化計画』を『サナエノミクス』と称すると少し間抜けな響きで残念だが、基本路線は『ニュー・アベノミクス』である。

『サナエノミクス』では、あえて第三の矢を財政出動や法制度整備を伴う『大胆な危機管理投資・成長投資』に代える。

「金融緩和」、「機動的な財政出動」、「民間活力を引き出す成長戦力」という三本の矢だったアベノミクス。

この第三の矢を変えるということです。

エネルギー、防衛、疫病への危機管理のメンタル、そして安倍元総理へのリスペクトのメンタルを感じます。

2、創薬力の強化

先ず、日本の製薬企業は、企業全体、創薬においても、研究開発の生産性の高い数社を除いてはグローバル大手の平均以下のパフォーマンスであること。上位25社には、売上規模で4社、時価総額で3社しか入っておらず、メガファーマのグループに近いのは武田薬品だけだということだ。コロナ・ワクチンのファイザーなど『メガファーマ』の次に来るのがフォーカスしたR&Dを進めている『スペシャリティファーマ』だ。

日本企業の創薬パフォーマンスの低さの要因を分析しながら、創薬力強化に向けた取組を始めなければならないと考える。

第1に「メガファーマ」は対象とする疾患領域が幅広く、「スペシャリティファーマ」は対象領域を絞っており、日本の製薬メーカーはどっちつかずになっている。
第2に、創薬プロジェクトの可否を早期に見極め、適切にリソースを最適化する柔軟性が不足している。
第3に、ベンチャーのエコシステムが弱い。
第4に、臨床開発環境の未整備。日本では総合病院が多いので、1つ1つの領域の患者数が少なく、患者組入れコストが高い。
第5に、トランスレーショナル・リサーチが脆弱で、理論から臨床への繋ぎが弱い。
第6に、研究資金の差。
第7に、薬価制度の抜本的改革で、製薬企業の稼ぐ力が減少したことだ。つまり、革新的な薬剤に対する見返りが少ないということだ。

以上を踏まえ、自民党の提言である「緊急時に新薬・ワクチンを迅速に実用化できる薬事承認制度の確立」をしていくメンタルということです。

3、安定的な電力供給体制の構築

社会全体のデジタル化が進む中、消費電力が急増しつつあることに危機感を抱いている。

情報通信関連の消費電力は、2030年には現在の約30倍以上に、2050年には約4000倍以上に激増するという予測がある。
『第6次エネルギー基本計画』では、2030年度の電源構成は、再生可能エネルギーを36%〜38%としており、その中でも太陽光と風力が主力とされているが、いずれも可変動電源である為、電力供給量を調整しなければならない。
「2050年カーボンニュートラル」を表明したものの、火力発電は可変性調整手段として残さざるを得ず、2030年でも41%と最大の電源となっている。
同僚議員が環境省の官僚に「極端な二酸化炭素排出量削減目標だが、この電源構成は確実に達成できるのか」と質したところ、「それは経済産業省・資源エネルギー庁が考えることです」と答えたと聞き、益々不安は大きなものになった。
特に原子力発電の活用については、国民世論も別れており、内閣では政治的リスクを恐れて、本質的な議論が進んでいないように読めた。
私は、地球温暖化対策と日本の経済基盤整備を両立させるためには、再生可能エネルギーの更なる導入に加えて、原子力の平和利用は必要だと考える。

環境省とのメンタルの不協和音が感じますね。

原子力の平和利用は必要だが、前提として国の原子力行政を根本的に見直さなければいけないメンタルということです。


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