【古着】ヴィンテージニュースペーパーバッグの年代判別-NewsPaper Bagとアメリカの歴史-
VOL.1:Newspaper Bag 新聞配達で小遣い稼ぎをしていた若者に・・・
1800年代後半頃から、欧米で使われていたと言われる「NEWSPAPER BAG」ニュースペーパーバッグ 。
古着が好きな方もそうでない方も一度は耳にしたことがあると思います。アメリカのヴィンテージの古着バッグといえばまずはこのニュースペーパーバッグ を想像される方も多いと思います。
けど、ニュースペーパーバッグの歴史を紐解いた情報や雑誌は中々、見つからなかったので、少しずつ情報収集しながら自身の備忘録として、記事として、残しておこうと思います。
けど、どうせなら自身だけでなく、共有させて頂いた方が良いかな、と思いましたので、NOTEに記事として書いておきます。年代判別とかは少しマニアックなのですがお付き合いください。
この記事を読んで頂いて、少しでも参考になったと思って頂けましたら、「いいね」を頂けると嬉しいです。もし詳しく書かれた雑誌や書籍をご存知の方がいらっしゃいましたらコメントで教えていただけますと幸いです。
1.ニュースペーパーバッグとは?
その名の通り「新聞配達用のカバン」のことです。
現在の日本で言う所の、新聞配達のバイク用(主にスーパーカブと呼ばれるようなバイク)のサック的な所でしょうか。
アメリカですと、古くは1700年代(WIKIによるとThe New Hampshire Gazette (1756))から新聞があったようです。
アメリカの現代(2019年)の新聞社の有名どころですとUSA TodayやThe Wall Street Journalがランキングトップ1、2となっています。
私自身は、1930年代まで続いた新聞社のニュースペーパーバッグを持っておりますが、その時代にはすでに「ニュースペーパーバッグによる新聞配達」というスタイルはスタートしていたということが伺えます。
ただ、数ある新聞社の中で、果たして、
どこの新聞社が初めてニュースペーパーバッグをスタートさせたのか?また、スタートは何年からか?
その答えは明らかにはなっていないのではないかと思います。
いわゆる、謎が多きバッグ… けどなんとなく、
そんな理由で、ヴィンテージ古着が好きな方やヴィンテージコレクターの方に好まれる所以、魅力的な側面だったりするのではないでしょうか。
ここで一つ、私が保有しているニュースペーパーバッグの一つでもあり、古着屋でも比較的よく目にする「GRIT」新聞を題材に、深掘りしていこうと思います。
2.GRIT新聞の歴史
1882年12月「GRIT」新聞は創刊されました。
アメリカの北東部に位置するペンシルベニア州から産声を上げた週刊新聞で、創設者は、“Dietrick Lamade(ディートリック・ラマデ)”という方です。
このGRIT新聞のサブタイトルは、
「AMERICA’S GREATEST FAMILIY NEWSPAPER」
簡訳すると「アメリカの最高の家族新聞」。
新聞の内容は、当時、ニュースや特集記事などが主で、アメリカの田舎町を対象とした内容だったようです。
日本で言うところの地方紙的な感じでしょうか?
というより、全国的な地方紙という感じでしょうか。
3.歴史…新聞販売戦略 と 若者の小遣い稼ぎ
ここで少し、GRIT新聞の歴史や年代別トピックを掻い摘んで説明しておきます。
・1932年までに48州425,000部
・1940 年代〜1970 年代 コミックの広告で募集された子供や10 代の若者(=ニュースペーパーボーイ)によって全国で販売されていました。
・1950 年代、「アメリカの最高の家族新聞」というサブタイトルだった頃は、約 30,000 人の子供たちが 700,000 を超えるアメリカの小さな町の家のドアをノックし、アメリカで最も偉大な家族向け新聞であるグリットの週刊版を配達していたようです。
その頃の新聞価格、1950年代=10¢ 新聞でした。
・1963年6月には最初のカラー印刷の写真が一面に掲載(アメリカ国旗)されています。
・1990年には新聞から雑誌形式に変更されました。
10代の若者は新聞配達の対価という、現代でいうアルバイト・小遣い稼ぎをしていた、ということですね。
よく行く古着屋のカウンター横や壁をボーっと見てると、若者がニュースぺーバーバッグを背負っている古い写真が額装されて掛かってたりしませんか?
なんとも奥深しいものがあります。
4.GRITバッグのデザインと年代考察
さて、古着屋でも見かけることが多い「GRIT」バッグについて、デザインと年代考察をしていきましょう。
まず、私が保有している「GRIT」のニュースペーパーバッグはこちら。
先ほども書きましたが、「GRIT」のニュースペーパーバッグは、ニュースペーパーボーイが配達していた全盛期、【1940~70年代頃】のバッグが多いと思われます。
1)デザイン
バッグに記載されている表記として、GRITの下段にサブタイトルが記載された2タイプとGRITのみ記載のタイプは目にしたことがあります。
①「AMERICA’S GREATEST FAMILIY NEWSPAPER」(アメリカ最大の家庭紙。1970年代頃までは、「アメリカの最高の家族新聞」というサブタイトルを持っていた)
②「AMERICA'S FAMILY NEWSPAPER」
(アメリカの家庭紙。1981年以降の可能性が高い。)
ちなみに・・・
「AMERICA’S GREATEST FAMILIY NEWSPAPER」と「AMERICA'S FAMILY NEWSPAPER」の表記が分かれるのは、1981年かなと思います。
ということで、1981年以降はニュースペーパーバッグ 自体もデザインが一新されている可能性が高いです。
もちろんサブタイトルが変わってからニュースペーパーバッグ も作られているはずなので、若干の時代ラグがあると思いますが。
③「GRIT」のみ
朱色で滲んだようなフォントカラーが古さを物語っています。古い時代の新聞広告に見受けられます。
このデザインがいつの年代か?
おそらく〜1940年代かとは思いますが、こちらはまた、情報収集したら記事を追加したいと思います。
2)フォントとカラー
文字の色は、「赤」・「黒」が主で、当時の広告ではサブタイトルは「黒」文字が多いです。
けど、実際のニュースペーパーバッグでは「赤」文字をよく見かけます。なんとも不思議なところです。
「黒」文字のフォントは明朝フォントのような細めの字体が多く見受けられ、「赤」文字のフォントはがっちりしたゴシックフォントが多い気がします。
※ここは推測となりますが、1963年6月~は、新聞に初めてカラー印刷が採用された…ということから、「赤」&「黒」の文字が使われているバッグは、1960年代頃から使用されていた可能性もあると推測されます。
(あくまで推測ですが・・・)
3)プリント etc…
プリントは、水性染み込みプリントで、ワンショルダーの横長タイプがほとんどです。
また、新聞の出し入れがしやすいように前開きタイプになっています。
現代で使う際は、前開き部分を縫ってバッグとして使われていることが多いです。私の「GRIT」バッグもそのように使っています。
4)年代考察
ステッチや生地感なども年代考察の参考とはなりますが、以上の歴史的な側面も含めて推測すると、GRITバッグの年代は以下が妥当かな?なんて個人的には思っています。
5.金額
ニュースペーパーバッグ自体は、種々の新聞社から年代などによってもデザイン違いで使われていたりするものも多く、無数のデザインが存在します。
その分、お気に入りの一つを見つけると、人とかぶりづらく、普段のスタイルにも合わせやすいのではと思います。
金額面では、私が10代、20代の頃から比べると、2~3倍程度、高くなった感覚があります。
2022年現在の円安、本国での入手のしづらさなどによる原因が大きいとは思います。
年代が古く、フォントのデザインが独特で、生成りやホワイトよりもカラーものの方が人気が高く、古着屋などでの値付けも高い印象を受けます。
個人的には、カラーものよりも生成り色のニュースペーパーバッグが、スタイル選ばず持ちやすく好きなので、購入時には価格インパクトは少ないので嬉しいですが。
いずれにしても1970年代頃のニュースペーパーバッグでも状態にもよりますが、ある程度状態がいいものですと20,000円程度はするのが実情です。
また、1950年代以前の1940s、1930s頃のニュースペーパーバッグは中々アメリカでも段々と見つからなくなってきており、買い付けの際もディーラーが販売してくれないケースも多いようです。
6.日々のスタイルに古いバッグを取り入れて
アナタがよく行く古着屋。
入口入った真正面には、男性トルソー。
そのトルソーには、デザイン、色、形、雰囲気のあるニュースペーパーバッグが掛かっていたりしませんか?
普段なら見過ごしていることが多いバッグかと思います。
ふと立ち止まって、そっと手に取り、自身の肩から掛けてみて、姿見で自身を見てみてください。
古い時代のアメリカのニュースペーパーボーイ(若者)が小遣い稼ぎのために必死に新聞配達していたニュースペーパーバッグ 。
その当時の少年の力強さや匂い、風景を、肌で感じてみてはいかがでしょうか。
シミや汚れ、穴空きなどが嫌いな方もいらっしゃるかとは思いますが、決して新品では感じることができないところが非常に魅力的なのです。
とかとか。
そんなことを想像しながら、普段の古着、ヴィンテージアイテムのアクセントとして【ニュースペーパーバッグ】を持ってみると、意外や意外。
一味も二味もスタイルの幅が広がると思います。
なんとなく、試してみても面白いかもしれません。
なんだか長くなってしまったので、今回はこの辺で終わります。
もしリクエストがありましたら、次回はマガジンバッグ の記事でも書こうと思います。
Thank you for watching!!!
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