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食事で乳がんの再発を防ぐ

 従来のがん治療では、再発の恐怖が常にサバイバーに立ちはだかり、恐怖を感じることが多々あります。しかし、乳がんを克服した女性にとっての朗報は、食生活を変えることで再発のリスクを減らすことができるという新しい報告( new report )です。この報告は、研究者たちがこのテーマに関する22の主要な研究を分析した結果得られたもので、がんの再発の恐怖に悩まされている人々に希望を提供するものです。再発の可能性は、乳がん生存者にとって依然として大きな問題であり、治療後少なくとも5年、時にはそれ以上続くこともあります。

 治療後の生存は十分に可能ですが、がんの再発の恐怖は残り、多くのサバイバーの人生に影を落としています。乳がんは、頻度は低いものの男性も罹患する可能性があり、そのリスク比は833人に1人であることに注意する必要があります。分析された研究には男性の参加者は含まれていないかもしれませんが、女性にとって有益な食事療法は、がんの再発を予防する上で男性にも適用できると推測できます。

●植物化合物と乳がん再発に関する広範な研究からの洞察
 ジョンズ・ホプキンズのシドニー・キンメル総合がんセンターと共同で、世界中のがんセンターの研究者たちが、乳がんの再発と様々な食品に含まれる大豆化合物であるイソフラボンの摂取量の関係を調べた22の主要な研究を分析しました。 これらの研究は、特定の食品とその植物性栄養素を掘り下げて、乳がんの再発リスクを減少させる可能性を調査したものです。

 注目された食品は、大豆、リグナン(ナッツ、種子、その他の植物に含まれる)、アブラナ科の野菜(カリフラワー、ブロッコリー、キャベツなど)、緑茶でした。この分析を通じて、研究者らは特定の植物化合物ががんの予防と再発の両方にどのように影響するかを調べました。

●イソフラボンが乳がんの再発を26%減少させる
 この分析では、大豆イソフラボンの多量摂取が乳がんの再発を26%減少させることが判明しています。また、消化器系がリグナンを分解する際に生成される物質であるエンテロラクトンを多量に摂取すると、乳がんによる死亡リスクが30%近く低下し、あらゆる原因による死亡リスクも31%低下する可能性があることもわかっています。

 大豆とリグナンに関する知見は、研究者らが乳がん生存者にこれらの食品を毎日の食事に取り入れることを推奨するのに十分な証拠と言えます。
 
●食事とライフスタイルで乳がんの再発を減らす
 この研究は、再発予防のためには1日約60mgの大豆イソフラボンを摂取することの重要性を強調しています。遺伝子組み換え大豆は、ホルモンの乱れや生殖機能への悪影響など、潜在的な健康被害との関連が指摘されているので、オーガニック(非遺伝子組み換え)大豆製品を選ぶべきです。

 さらに、オーガニックのナッツ類、亜麻仁やカシューナッツのような種子類、ブロッコリーや芽キャベツのようなアブラナ科の野菜などを毎日の食事に取り入れ、がんの再発に負けない体作りを心がけましょう。 また、緑茶には抗酸化作用があり、がん予防効果が期待できます。

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