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厳しい現実: 2型糖尿病の早期発症が寿命を縮めるかもしれない

 2型糖尿病は、ここ数十年、特に20代から30代にかけて増えてきています。 この疾患に対する理解が深まるにつれ、その発症が長寿に重大な影響を及ぼすことがますます明らかになってきています。特に、30歳以前に2型糖尿病を発症することは危険です。 これは、『Lancet Diabetes and Endocrinology』に掲載された最近の研究で報告されている説です。

●糖尿病が平均余命にどのような影響を及ぼすかを明らかにする包括的研究からの知見
 この大規模な研究の目的は、様々な年齢における2型糖尿病の発症が平均余命にどのような影響を及ぼすかを調べることでした。 この大規模な研究は、高所得国に居住する2,300万人を対象としたものです。
 この研究では、Emerging Risk Factors Collaborationから入手した1961年から2007年までのベースライン年のデータを調査しました。 追跡調査期間の中央値は1980年から2013年でした。 さらに、英国バイオバンク(United Kingdom Biobank)からも貴重な知見が得られています。このバンクは、英国の50万人の住民を網羅する医療記録の実質的な保管庫です。

●30歳で2型糖尿病と診断されると、平均余命が14年短くなる
 この研究の結果を詳しく見てみると、2型糖尿病を発症した年齢が、根本的な原因にかかわらず、死亡リスクに重要な役割を果たしていることが明らかになりました。 注目すべきは、糖尿病に起因する平均余命の短縮の大部分は、脳卒中や心臓発作などの血管関連死と関連していることです。

 データを分析すると、アメリカでは30歳で糖尿病と診断された50歳の人の平均余命は約14年短縮されています。 同様に、40歳で糖尿病と診断された人の平均余命は、約10年短くなっており、また 50歳で糖尿病と診断された人の平均余命は約6年短くなります。
 欧州連合(EU)では、統計はやや異なる結果を示しています。 EUの糖尿病患者の平均余命は、50歳で診断された場合は5年、40歳で診断された場合は9年、30歳で診断された場合は13年短くなっています。

 これらの結果を総合的に考慮すると、明らかなパターンが浮かび上がってきます。2型糖尿病と診断される時期が10年早まるごとに、平均余命が約3.5年短くなっていることです。

●糖尿病を予防するために効果的な方法
 糖尿病予防法の効果には個人差がありますが、ここでは2型糖尿病のリスクを減らすのに非常に効果的であると広く認められている4つの方法を紹介します:

*健康的なオーガニックダイエットを心がける:糖尿病のリスクを下げるために、果物、野菜、脂肪の少ないタンパク質、健康的な脂肪を豊富に含むバランスの取れた食事を摂りましょう。 摂取量のコントロールに重点を置き、糖分の多い食品や加工度の高い食品の摂取は控えましょう。
 
*定期的な運動:インスリン感受性を改善し、体重管理に役立てるために、早歩き、ジョギング、サイクリング、筋力トレーニングなどの運動を定期的に行います。 中強度の有酸素運動を週150分以上行うことも大切です。
 
*体重管理:健康的な体重を維持することは、糖尿病を予防する最も効果的な方法の一つです。 適度な減量でも糖尿病リスクを減らすことができます。 健康的でオーガニックな食事と定期的な運動を組み合わせることが体重管理の鍵となります。
 
*血糖値をモニタリングする:特に糖尿病の危険因子がある場合は、定期的に血糖値をチェックしましょう。 これにより、糖尿病予備軍や早期の糖尿病を発見することができます。 早期の予防と生活習慣の改善により、本格的な糖尿病への進行を予防または遅らせることができます。
 
 糖尿病予防は万能ではないことを忘れないでください。 遺伝や既往歴など、個々の要因が影響することもあります。 そのため、専門の医療機関に相談し、それぞれの状況に応じた指導やアドバイスを受けることをお薦めします。

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