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睡眠に打撃を与えるエナジードリンク

 レッドブルやモンスターのようなエナジードリンクは、特に若年層や手っ取り早くエネルギーを補給したい人の間で絶大な人気を博しています。
しかし、『BMJ Open Journal』に掲載された最近の研究では、月にたった1本のエナジードリンクの摂取が及ぼす影響について述べられています。それによると、月の初めにレッドブルを1缶飲んだだけでも、その後30日間の睡眠の質と持続時間が著しく損なわれる可能性があるとのことです。
 
●エナジードリンクが睡眠を損なう
 この研究では、ノルウェーに住む18歳から35歳の若者53,000人以上を調査しました。その結果、カフェインの摂取量が多ければ多いほど、睡眠が浅くなる傾向があることがわかりました。睡眠の質と長さは、私たちのエネルギーレベル、気分、全体的な幸福にとって重要な要素です。

 興味深いことに、エナジードリンクを毎日飲んでいる人は、眠りに入るまでに時間がかかっています。また、カフェイン入り飲料を定期的に摂取していない人より平均で30分ほど睡眠時間が短かったのです。

 気になるのは、エナジードリンクを毎日飲んでいる女性の51%が不眠症になったのに対し、定期的に飲んでいない人は3分の1程度だったことです。 また、エナジードリンクを週に2~3本飲む人は、夜中に不意に目が覚める確立が高くなっています。
 
 男性の場合、週に2~3本のエナジードリンクを飲むと、就寝時間が遅くなり、睡眠時間が6時間未満になる確率が高くなりました。女性も同様の問題に直面し、エナジードリンクを摂取すると、就寝時間が遅くなり、睡眠時間が短くなり、睡眠障害を経験するリスクが高くなりました。これらの調査結果は、エナジードリンクの摂取が男女ともに睡眠の質に悪影響を及ぼす可能性があることを浮き彫りにしています。
 
●エナジードリンクがもたらす睡眠以外の危険性
 エナジードリンクは、睡眠の問題以外にも多くの問題を引き起こします。エナジードリンクのラベルを見ると、虫歯や炎症や体重増加を引き起こす20g以上の砂糖がふんだんに使われていることがわかるでしょう。
エナジードリンクには、消化器系の機能を変化させる化学物質が含まれています。 エナジードリンクを1缶飲むと、不安になり、落ち着かなくなることもあります。カフェインは利尿作用もあり、排泄系を刺激して体内の水分を奪います。
 
 あまり知られていませんが、エナジードリンクは不整脈や高血圧などの心臓血管系の問題を引き起こします。数種類のエナジードリンクを摂取することで、心停止や発作を起こし、死に至った例もあります。

 エナジードリンクを飲む代わりに、普通の水に新鮮なレモンを加えたものを選ぶとよいでしょう。小さなお子さんがいるご家庭では、カフェインの摂取量をオーガニックチョコレート1枚程度に抑えましょう。12歳から18歳までは、1日のカフェイン摂取量を100mg以下に制限してください。カフェインの過剰摂取をやめれば、ずっと健康でいられることになります。

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