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(連載26)とんでもないハシゴ車が家にきた話:ロサンゼルス在住アーティストの回顧録:1990年代半ば

ちょっと前に歴史に残る「ロス暴動」の事を書いて、その次には歴史に残らない、どうでもいいパーソナルな事を書きましたが、今回はその中間くらいに位置する重要度の話。

「ウチらのファミリー(私は結婚し、夫のバーマン家の一員になった)の歴史で語り継がれるであろうクラス」のお話です。
話っていうか、事実ですよ!(もちろん!この連載で書いてる事全て実話)

正直なところを申しますと、実は、この話は、私が1990年代の終わり頃に、「アメリカに住んでいる日本人の体験エッセイ」みたいなのをフリーペーパーに書いてた頃があって、

ルンナティック・ワールド・ア・ゴー・ゴー

っていうタイトルだったんですけど。

(その頃の事は、めちゃ濃いので、また後日、お話するとして)

で、すでにこの事を書いた事があるのでした。。。
なので、リサイクルっちゃーリサイクルのネタなのですが、でも、この世の中の99.999999999%の方は読んでないと思うので、ここに、再発行させていただきます!!
ま。多少、書き足しましたが、ほとんど、その時に書いたまんまです。

そして〜しかも!!

たった今ですね!!2021年5月22日土曜。アメリカ時間で、午前10時でありますが。

日本のニュースで見たんですけど、飼っていた、巨大なニシキ蛇が逃げ出して、捜索を続けたけどしばらく見つからず、結局、屋根裏部屋に潜んでいたって話。。。。みなさん、ご覧になりましたか? 

今から申し上げるのは、、、、
そうです!!そんな屋根裏が舞台のお話なんですよ。
昨日まで、せっせとこれを書いていて、本日アップの直前のニュースでっ、すごいタイミングだなあ〜〜〜。って、屋根裏とはいろいろな珍事件が起こる場所なんだなあ。って、今、感心してたんですよねー。

もうー、前置きはええから、さっさと、先にイケや〜!

あ、はい。すみません!!

では、いきます!

ルンナティックワールド・ア・ゴー・ゴー:コール911の巻きぃ!

しゅるしゅるしゅるしゅる・・・・・(幕のあく音)

じゃじゃじゃ〜〜〜ん。

******

日本だと警察は110番、火事は119番ですが、こちらは(アメリカ)は

どちらも911なんです。

こういう3桁の電話番号に、皆様はお電話された事、ありますか?

実は、私はあるんですよっ。これが!

詳しくお話しますと、以前、私と夫のトッシュ・バーマンはシルバーレイクのちょっと変わった一軒家に引っ越したんです。

その家は1930年代頃?に建てられた、ディズニーみたいな家で、(詳しくは前回の連載25に書きましたので、是非、お読みくださいませ!)小さくて狭かったですが、ある日、その家の屋根裏に簡単にアクセスできるような小さな扉を発見したのでした。

キッチンのところから、目線くらいの高さでした。人が通れるくらいの小さいドアがあって、そこを開けると屋根裏が広がっていて、日本でいうところに畳3畳くらいはかがまなくても、十分な高さもあったんです。

すご〜い!ここを綺麗に掃除して、床を貼ったら、部屋らしくなるやん!もう一部屋ふえるやん!!と思って、

屋根裏探検+掃除ををしようと決心しました。

なんせ古い家の屋根裏です。。。。真っ暗です。

かなり怖かったけど、勇気を奮い起こして、ライトを片手にその空間に侵入た。

そして、その周りを探りつつ、小さいホウキと塵取りで、掃除をはじめました。そしたら、埃だけでなく、大昔の新聞とか、わけわからん物?もあったりして、ひぇ〜なんか、気持ち悪いなあ、、、なんといっても古い家ですからね!

変なものが出てこなければいいな〜とゴワゴワとやっていたら、

やっぱり!!

ぎょえ〜〜!!!!!

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うすぐらい隅っこの方に、何やらぐにゃぐにゃ、っと、尻尾みたいなもの

動いているのかどうかも、わからない。。。。

き、キモい!!!!

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近づいてみるのも怖い。。。。。


ここで、マイ・ダーリンのトッシュが家にいたので、大声で彼を呼びました!

ダーリン!! すぐ来て〜〜〜!!

なんか〜いる!!


あ、断っときますが、っていうか、ずっと読んでくださった方はもう、とっくにお判りだと思いますが、夫のトッシュは運動神経ゼロのオタク系

おまけにヒドい近眼で、高所恐怖症なんです。

ですから、普段は、はしごなども登れませんが、その屋根裏の扉の位置は、キッチンから、たまたま、はしご2段で、なんとか彼の許容範囲だったのです。

で、

いきなり、妻が怖がって、自分を呼んでいる!!

夫としては、結婚して以来の、初めてのこんなシーンであった!!


もう〜〜この時とばかり、自分の出番がきた!!
トッシュは有頂天になっていた(に、違いない!)

え〜い!!どけどけ! 

女、子供は引っ込んでろ〜!


なぜか、日本語に訳すと、江戸訛り!
それに我々、子供、いませんけど〜?

〜と、叫びながら、

はしご2段をクリアして、屋根裏に登ってきたのでした。


そして、その手には、「お箸」。。。。。

彼は、その薄暗い角に近づいて、その尻尾のようなものをつまみ上げたら。。。。

な〜んだ!

ぐにゃぐにゃした、プラスティックの小さな蛇のおもちゃだったんです。(ニシキヘビではなかった〜)
前に住んでた人が、ネズミ避けにでも、置いてたものなのでしょう。

まったく人騒がせな! やれやれこれで、一件落着。。。

ふ〜〜

と、


思った瞬間!!!!

信じられない事が起こったのです!!!



バぁリバリバリ!!!!

一瞬、何が起こったのかわかりませんでした。

彼も私もパニックです。

な、なんと、

トッシュがしゃがんでいた、屋根裏の床の部分が抜けちゃったんです!!

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私は梁の部分に足を固定して、しゃがんでたので無事でしたが、
(っていうか、普通はそうするでしょ?)
トッシュは、片方の足だけ梁に引っかかり、運良く下におちなかったものの、片方の足は宙ぶらりん状態。 
昔の体育の授業の時の、鉄棒に片足掛けみたいな状態です。

私はもう、どうしていいか、わからなくて、なんとか彼を引っ張り上げようとしましたが、重いのと、彼のバランス感覚のなさが重なって、余計に下に落ちそうになってしまう。ひぇ〜〜!

トッシュは叫びました。

コール、911 コール、911!!

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なので、私はあわててふためいて、ともかくキッチンに降りて、屋根裏の丁度、真下になるベッドルームを覗いたら、その天井から紛れもなく、トッシュの足が、ぶらりと垂れ下がってるではありませんか!!!

これは何かのヒョウシにでも、落ちてきたら大変だ!!と思って、あわてて

ベッドを下に移動していると、

上では彼が

コォォーーーール!! ナイン、ワァン、ワァン、


なぁう〜〜!

なぁう〜〜!


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と叫び続けていた。。。。

私はついに勇気を出して、電話をとり、911と押してみた。。。

すると、すぐに女性が出てきて、いきなり(以下もちろん英語)

「はい?どうしました?」と。

ハロー! ウァツ ユア ネーム?とかも言わない。。。

で、心の準備がまったくできていないのと、パニクってるので、この状況をなんて説明したらいいのか、英語がでてこない。

つい
「えっと、えっと、マイ ハズバンドぉ イズ ハンギング〜!!」

って言ってしまいました。

そしたら、「自殺ですか?死んでますか?」って言われたので、

ノーノーと慌てて、否定しましたが、今の状態をどこから説明したらいいのか、屋根裏の掃除とか、お箸を持った夫とか、オモチャの蛇?などが頭をかすめたが、

「あーあー えっと、ロング ストーリー ショートぉ。

アティック・フロア ブロークン ゼン、マイハズバンド フォール じゃない ハンギング ナウ」

って言ったら

その女性は「ファイア・デパートメント!!」とさけび、

突然、電話が切れた。。。

それで、私は、え???っと。

大声で、下から上を見上げて、足がぶら下がってる夫に、

「あれ〜? 電話、切られちゃったんだけど〜?」



そしたら、

「コォォール!アッゲェ〜〜〜ン!!」


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と、再、再度の雄叫び!!!!!!



それで、また仕方なく、また911を押してみた。

そしたら、再び「はい。どうしました?」と。

え?また同じことを最初から言わないといけないのか?と思って、

「あのー私、たった今電話した、夫が天井からぶら下がっている者ですが。。。」って言ったら、

「もうファイアデパートメントに連絡しましたよ。住所は18XX シルバーレイクでしょ?」と、言われ、その時、あ、住所はオートマチックに向こう伝わってるんだ、すごいな〜と。事態が把握できました。

なるほどぉ!

なんて感心してる場合じゃないですよ。
気がついたら、

外から、ものすごいけたたましい消防車の音!!

そして、でっかぁーいハシゴ車が!!


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それは、
間違いなくウチの前で、止まった。。。。。。



そして現れた、筋肉質な3人の消防士のお兄さん。

とりあえず、私は、「こちらです」って、彼らをキッチンの屋根裏の入り口ところに案内した。

「いったい、どうしたんですか?」とその一人が屋根裏を覗きながら、言った。

消防士のいるところから屋根裏を見ると、ウチのダーリンは、ただ、のんきに屋根裏にすわっているように見えたのだった。

トッシュは冷静に言いました。

「そこからみると、僕は今、ただ座ってるように見えると思うのですが、僕の下には、何もないんですよっ!」と。

そしたら、彼ら3人は電光石火で屋根裏に駆け上がり、
トッシュの両腕を赤ちゃんのように、どっこいしょと、持ち上げて、安全な場所に持って行って、置いてくれた。。。。。。

そして、手をパンパンと叩いて、
無用のでっかいハシゴ車とともに、あっという間に消えてゆきました。

ふ〜〜〜〜!!よかった!よかった!



こうして、トッシュは無事に救助され、腿に大きなあざができましたが、

それ以後、何事もなかったように、、、、今も生活しています。

ほんと、ハッピーエンドになってよかったです。

*********

以上、1990年代半ばに起こったバーマン家の珍事件の報告でした!!

読んでくださって、ありがとうございました!

L*


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