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(連載33)我々でも家が買える?:ロサンゼルス在住アーティストの回顧録:1996-7年

まず。。。今回から、メインのタイトルを変えてみましたぁ。苦笑

今までは「アーティストの終わりなき戦い」というタイトルでした。

今年の始めからこの連載を書き始めて、自分のやってきた事、1980年代の半ばから90年代半ば過ぎまでの約10年あまりを、いろいろと思い出しながら、32回ほど、書いてまいりました。

そして、今、改めて読み返えしてみたら、

あれ〜? 「アーティストの終わりなき戦い」て?

アタシって、なんか、「別に戦ってなくネ?」

って、気がついた。

自分的にはですよ、その時その時を一生懸命、生きてきた(つもり)なので、「戦ってる」ような気分でしたが、読み返してみたら、やりたい事だけやって、ラクして、てきとーにやってる感が充満しとるわー。笑 

戦いっていうのは、命をかけて、人生を投げ出してやるものなのに、アタシって、特に命を投げ出してないし。。。

っていうか、戦いから逃げとるしっ!笑

他人様が読んだら(読んでくれてたらの話ですが。汗)タイトルと内容があってないんじゃないか?

よく、哲学の本とかに「猿でもわかるナントカ」とかって、実際に買って読んでみても、さっぱりわからない。っていうの、ありますよね?逆に、私は猿じゃないから、わからないのか。とも思ったり?(深い)

なもんで、今回から、シンプルに、ストレートに、

「ロサンゼルス在住アーティストの回顧録」と、してみました。

今までの過去のもすべて、これに徐々に変更して行こうかなとおもとりますので、よろしくお願いします。

(そんなん誰も気にしとらん!て!!)
さて、前書きはいいから、今回も、さっさと、始めろや〜!

前回は、大決断で、パソコンを買ったお話をしました。

もちろん人生が劇的に変わりました。

大出費でした!これを投資ともいうかもしれんが。。。苦笑

ここで、今回の報告の結論を先に言っときます。

1997年、このパソコンの投資どころか、

なんと!!家を買ったんです。


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ここで、これまでを読んでくださった読者の方は(いたらの話ですが。汗)

なけなしのお金でコンピュータを買ったとか、仕事はフリーターの便利屋稼業とか言ってたくせに? と、思うでありましょう。

でも、ほんとです。猿でもわかります(苦笑)私はアテンド業や撮影の手伝いがメインのフリーター。お金は悪くないけど、アップダウンがすごくて、お金の出入りは超不安定。

夫は、アメリカ人で、トッシュ・バーマンっていうんですけど、アート系のノンプロフィット団体で、フルタイム。ものすごく安いお給料だが、この時点で、過去3年間は低いレベルで安定。

で、ふたり合わせて、なんとか、家賃とクレジットカードの支払いは、遅れた事なはかった。。。という、ま、パッと見、真面目な普通の市民でありました。

しかし、ここにきて。

ある日、夫は、この仕事は、もうやめようかな〜!と言いだした。

「もう、3年もやったから、いいや〜」と。

私も、「そうだよね〜。もう3年もやったら、そろそろ、いいよねー」と。

なのに、家を買うって???

で。ここからが今回の話のキモでありますよ。

ちょうどその頃、撮影の仕事で知り合った日本人女性が家を買ったのです。もちろん、彼女はフリーランス。旦那さんは家を改築する仕事。二人も会社などの組織には、はいっていない。

不安定さという意味では、ウチと同じ状況??と思って、彼女に聞いたら、ローン・エージェントの名刺をくれました。

「きくのは無料やから、電話してみな〜。」と。

このエージェントとは、家を買うためのお金を借してくれる銀行やローンの会社を探してくれる人です。

で、ダメ元で電話してみたら、とりあえず会ってくれるという事だったので、さっそく二人で出かけて行った。

すごい眺めのいいビルにオフィスがあって、スティーブンという若いアジア人の男性で、もう、見るからに仕事ができそうな人でした。

我々は過去3年間の税金の支払い証明みたいなもの、つまり、我々がどのくらい稼いでたのか?という書類を見せました。そして夫のトッシュは、もう仕事をやめた。というのも、正直に言いました。

スティーブンが、「で? どのくらいの金額の家が買いたいの?」と尋ねるので、「今住んでるのと同じくらいか、少し広いとこ。」と言いました。

そしたら彼は、我々の持って行った書類に目落として、数字を再度チェック、笑いもせずに(いい人)、電卓を打ちはじめました。

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カチ、カチ、カチ、、

今まで支払ってる家賃と同じくらいの金額で、買えるくらいの家。

保険やなんやかんや入れて。。。。カチ、カチ、カチ、

そして、家を買える可能性は????

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だったんです!!

もちろん条件のいいところは、ダメだが、なんとかしてくれるとこがあるだろうと。。。彼は予測した。。。

そして、お金を借りる為のアドバイズが、ふたつ。ある。と言った。

まず、ひとつ。トッシュは、仕事をやめたのだったら、

しばらくは仕事はするな。と。

へ?

なぜなら、へんに新しいビジネスを始めようと、大きいお金を動かして、逆に借金を作る可能性があるから、らしいです。

そして、もうひとつは、「ファイナンシャル・アドバーザー」を雇え!と。

ほ?

ファイナンシャル・アドバイザーって、当時の私の少ない知識だと、リタイアしたお金持ちが、銀行にお金を置いとくより、なんかいろいろと投資して、金持ちがもっと金持ちになるような人が、雇うものでは?

我々になぜ?そんなファンシーなアドバイザーがいるのか?

理由はこうでした。

我々の収入が低いのは、正しいお金の稼ぎ方を知らないから。マネタイズの方法を教えてくれるアドバイザーがついて、指導してもらったら、収入がもっと安定して、ローンの返済もまちがいなく続けられ、信用も得られる。。。。

ふーむ。たしかに、理にかなってる。

うちら夫婦のように働いたり、働かなかったり、すごく働いたり、思いっきり休んだり、こういう人々は一番信用がないのでした。

そういう我々を「ちゃんとコツコツ働く、安定した人」にするための、家庭教師です。

で、このふたつをやれば、あとは僕にまかせろ!と、スティーブンは言った。

なので、彼の言う通り、さっそく、それを実行しました。

まず、トッシュは仕事もしないで、ブーラブラした。すぐ、できるわ!苦笑

それから、ファイナンシャル・アドバイザーとやらを探して、お願いすることに。これが、また、本当に興味深い経験をさせてもらった。

毎月、そのアドバイザーに、我々のお金の出入りをすべて報告するんです。

そして、我々の経済活動が、お金を稼ぐ人生設計になってるのか? そのストーリーボードにそって、毎月、お金を稼ぐのに、どんな活動をしたか?という事を細かくイチイチ報告をするんです。

今までの人生の流れにそった経験が生かされるような職種、普通の誰にもわかりやすい、将来性のあるような仕事。それに向かっている明るい未来を目指している我々。。。。ってな、シナリオ。

なもんで、私は、アート活動をしてるなどとは、死んでも言わんわ。苦笑。ゆくゆくはハリウッドのでコスチュームの仕事を目指している事にして、夫のトッシュは出版メインで夢は書店経営などと。。。。

細かい数字もすべて、なんの為の出費か、お金を稼ぐ為の出費かどうか。それを判断され、少しでも自分らのお金を稼ぐためにこんな営業をしましたとか、いかに自分たちが収入をあげようと努力しているかを、逐一報告するんですよ。

我々からしたら、まさに「劇団バーマン」。。。

    ここは、沈黙させてください。。。

そして、、、、、

同時に家探しにはいり、しばらくして、半年以上経ってたと思いますが、予算内でやっと、買いたい家が見つかりました。

1928年に建てたれた家で、モダン以前のモダン・スタイル。

それまで、見て回った家は、40軒以上、そして、見た家の中で、

なんと、一番安い家。(フリーウェイの横なんで)

そして、一番広かった。(家が古いので)

そして、前述のスティーブンは約束通り、ローン会社も見つけてくれ、アドバイザーの家庭教師もいらなくなり、劇団活動も終了!

あとは、山のような書類のいろいろな手続きは終わり、無事に家が買えたのです。

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ほんとに、奇跡です。

もちろんこの時代は、今に比べると家の値段もまだ安かったですし、今、思えば、

あのサブライム事件の前だったのです!!

これは大きいかも。。。。

詳しい事はよくわかりませんが、お金を借りる条件も、ゆるかったのかもしれませんね。

そして、無事に引っ越しも終わった。。。。パチパチパチ!!

おしまい。。。

あ、、、、、あの〜〜、あと10分だけ。。。お時間大丈夫ですか?

長くなりますが、

その時の引っ越しの話もついでに。。。。

これが、また、大変で。(なんでも大変ですが)

私のフリマで集めたガラクタが多くなってたのと、トッシュがともかく、肉体労働系が苦手。。。。なんせ詩人ですからね。笑 

なので、引っ越しの当日は義理の母も駆けつけて、手伝ってくれたのですが、。。。。

これは単なる一例。

たとえば「机の移動」なのですが、私が引き出しがついてる重い側を持って、反対側には、夫と義理の母、バーマン親子のふたりがかかえまして、段差のある入り口の部分を移動をお願いしようとしたんですよ。

足の移動は3歩くらいです。(たったの!)

よいっしょ!って、上に5センチくらい引き上げてくれたら、それで、いいのです。

「いくよー!!」って私が声を張り上げて、

スリー!ツー!ワン! はい!

そしたら、バーマン親子は、二人とも、「うーん」って、持ち上げようとするのですが、持ち上がらないんですよ!!

そして、二人とも、「重くて持てない!!」って言うんです。

え? 持てないって?

私はこちらで一人で(重い側、持ち上がりますけどッ?)

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そちらはふたり。。。。

「重くて持てない」って、どういうこと?

理解不可能。。。。

ここを持って、こうやって。。。ってやってみせても、

「できない!」って。。。

ふたりで口ぐるまを合わせたように。。。

なので、結局、家の前をたまたま通りかかった、知らない男性に、「すみませんけど、手伝ってもらえませんか?」って、声をかけて、やってもらいましたけど。。。。。

また、バーマン親子ふたりは、引っ越し中に

その休憩の多い事!!

ちょっと進んでは、休んで、ちょっと進んでは、休む。

前にウサギと亀の話、しましたけど、

ウサギは早く進んで、休む。

亀はのろいけども、ずっと動きつづける。

これが、定説であります。

しかし、バーマン親子は亀レベルのゆっくりさで移動、

そして、休むのは、うさぎの回数だったのでした!!

さすがバーマン親子!

定説をぶち壊してくれるわ!

ビート・ジェネレイション万歳!!!

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(トッシュの亡き父はビート・ジェネレイションのアーティスト連載22)

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彼らが1往復するところ  VS   私は最低でも3往復。

彼らは靴の箱ひとつを両手で持つ  VS  私は、斜めがけバッグを二つ、両肩に交差して、背中には、バックパック。両手にダンボール二箱。横から顔だして、進む道を確認しながら、早歩き!

いったい、この差はなんでしょうか?

どこからくるんでしょうか? 移民だから?笑

いや、いや、まてよ。と。

よく考えたら、私の仕事(撮影の手伝い)は「もの」の移動。

考えたら引っ越し屋と同じだったんだなあ〜、と後で納得!!

つい、自分ができる事はは、他人もできる。と思ってしまいがちですが、

プロとアマチュアをくらべたら、いかん、いかん、と、反省いたしました。

これ以来、夫には、何も期待しない自分になりましたねー。

そんなこんなでやっとこ、引っ越しが終わりました。

1997年。

夫は、その後、前からずっと働いてたサンセットの書店、ブックスープに3度目の、復帰を果した!

アタシは、気がついたら、40代になっとりましたーーーー。

つづく。

L*















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