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(連載65)映画からインスパイアされた服を売るシネマ・ブティック:ロサンゼルス在住アーティストの回顧録:2010年

前回は2010年にやった絵の個展の話でしたが、今回もこの年にやったことです。


( (( シネマ・ブティック )) )


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当時は深く考えてなかったですが、今、こうやって思い返してみると、

まーなんで、自分は、こう、あれやこれやと、いろんな事やってたんでしょうか?
自分でもわかりません。


あちらと思えば、またこちら。グルグルぐるぐる、、、、バンドやってたかと思ったら、ファッションショー。ゲリラショップやって、絵の展覧会やって、って、本当にめまぐるしいです。

これ、全部、仕事以外ですからねー。苦笑 


もし、自分に子供がいて、我が子がこんな事やってたら、「ひとつに集中すれば、何かになるだろうに、いろいろやってるから、いつまでたっても、モノにならん」と思うでしょう。


もし自分の親がこんなことやってたら、「安定した職業について、地元に貢献するとか、社会の為になるような事をやる、倫理観のあるような普通の親になってほしい。」と切願したでしょう。


また、自分の後輩がこんなことやってたら、「師匠を見つけて、一つの事だけを深く追求してみたら、いろいろな発見があり、世界がもっと広がるよ。」と助言するでしょう。


そして、自分の上司がこんなことやってたら、「計画性も、ビジョンもなく、利益も全く出ない。なんでこんなことやってんだよー? 将来性がゼロやわ!!」と、さっさと会社をやめるでしょう。


自分でこんなに思うくらいだから、読んでくださってる方々もさぞかし、そう思っているでしょう。汗


しかし、当のあたし自身は不思議なことに、かなり居直っておったのです。なぜこうなってしまうのか?が 明快にわかっておりました。


前回にも申しましたが、私は

器用貧乏だからです。


よって、

貧乏=プロレタリアート



この言葉を見るといつも思うんですが、なんか最後にアートってついてるから、アートのジャンルかな?って思っちゃう。

あ、ワタシだけか〜〜?爆笑

これは労働者階級って意味で、あのカール・マルクス様が広めた言葉らしいです。

プロレタリアートという言葉のイメージが、目まぐるしく労働しまくってて、その割にお金も入らないし(私の場合、自分のせいではあるが)いつまでたっても、貧乏なので、その言葉がまるで自分のアートのためにあるような気がしてならない。。。。。


どんなアートやってるの?

プロれたりーなアート!!




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あのね。さっさと話を進めろや。


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ヘイ。



さて今回は、映画に関する服を作ったって話です。
私も映画が好き、と言えば、好きですが、ま、嫌いな人はおらんでしょう。

しかし、私の周りのものすごい人たちにくらべると、ワタシなんか、好きっぷり具合が、まだまだ下っ端です。

もし映画に「好きっぷり学校」があったとしたら、私はほんの小学生で、まわりは、大学レベル。映画ヲタク、マニア、いいえ、その方面の知識が豊富なエキスパート。。。。という意味ですが。苦笑

ロサンゼルスと言えばハリウッドですし、また、逆にそんなハリウッドが大嫌いという人も含めて、ともかく、人と話す時、映画の話題が無茶苦茶多い場所柄でもあります。

映画ヲタに憧れる。。。。自分もそうなりたいけど、そこまでなれない。

でも、その方達の下っ端の使いっ走りくらいはできそうな気がする。

常日頃からそういう方々へのリスペクトも含めて、映画に関する何かやりたいなあ、というがありました。

ただ漠然と、悶々と、思ってて、そういう気持ちが続くと、いつもの私の思考のパターン。。。漠然とやりたい事(なんでもいい)と服をくっつける。

このやり方で、即、決定!

映画の中に出てくる服、もしくは映画のテーマで服を作るってのは、どうかなと思ったのであります。

ただ、自分らしくやらないと意味がない。

ファッション雑誌にありがちな、この映画こんなスタイルを盗もう!みたいな、オサレなやつじゃなくて、もっとニッチなやつ。。そうです。


おしゃれな人や、ファッション雑誌の人が見たら、

どうでもいいような。


でも。


でも、映画ヲタの人からは

誉められるような。


そんな服を作ってみよう。。。と思った。

で、またまた、ゲリラ・ショップをやったんです。

ただし、今回は、ギャラリーではなく、普通のお店です。

いえ、普通ではないですけども。


なぜかというと、フランシス・フォード・コッポラのファミリーのひとり、ジェイソン・シュワルツマンの奥様がやっているお店だったんで。


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ジェイソンのいとこがソフィア・コッポラです。


ちなみに、ジェイソンのデビュー作

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ウェス・アンダーソンの映画のほとんどに、出てます。


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で、お店の方は、今はもうクローズしてますが、その頃メルローズにあったテン・オーバー・シックスというところ。

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この企画にピッタんこ!


お店でビデオを流してもらって、当時自分が好きだった映画10本くらいピックアップし、その中で印象的だった服、もしくは、そのイメージからインスパイアされた服や小物を売るというゲリラショップです。

すべてリメイクなので、一点もの。ご丁寧にタグに映画の名前をいれたりしてるし、別にこれでお金が儲かったわけでもないので、著作権で訴えられることもないでしょう。私なんぞ、誰が相手にするでしょうか?


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では、(やっと本題)この時に制作したものをお見せします。

自分としては、古着のリメイクのお仕事の延長上として、このプロジェクトをやったので、当時素材の仕入れ元は、ミリタリー系が多かったんで、まずそのあたりから。


まずは、この映画。


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見た当時、ものすごいインパクトでした。日常と狂気、都会と孤独、愛情と憎悪、それがグチャグチャになってるニューヨーク。音楽も素晴らしかった!!!今でも自分の中ではトップ10にはいる映画です。


で、これを作ってみました。

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レディスのサイズです。(売れなかったら自分で着るつもりだった)

元ネタは、ご存知の方も多いと思いますが、これですね。

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このバッチもつくりました。

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タグも作りました。

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バックスタイル

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この文字は、コーヒーショップで主人公が売春をやってる少女に、お小言をいってるセリフをそのまま、プリントしました。

「なんか、もっと普通の事できないの〜? 家にいて、学校にいったりとか、男の子とデートしたりとかさー。」

レディスの服にこのセリフっていうのが、ある意味、粋かな?と思いましたんで。苦笑


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お次は、さすがにコッポラの「地獄の黙示録」から。

ミリタリーものといえば、わたし的には、当時これしかなかったです。

ベトナム戦争の、何がいいとか悪いとかを超えてるものすごくヘビーな映画。

長いので、もう、いろんなシーンが印象的なのですが、自分は、これを選んでた!。。のでありました。


助けた犬といっしょに、戦う兵士。。。。泣けます。


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これもレディス仕様です。


それから、このよく話題になるこのシーン。

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ガンガン攻撃されてるビーチの戦場でやけくそになって狂ったボスが 「ここで、サーフィンをやったろーやんけ〜。」と若い兵士に言ってるとこ。


このセリフを記念して、作ったのがこれ。

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戦争とサーフィンと同じ服で展開。

こんなの、今までなかった!

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それから、ベトナムのジャングルの奥地に、なぜかアメリカ人のカメラマンがいて、出迎えたっていうシーン。この瞬間、なぜかホッとしたなー。笑


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デニス・ホッパーだったからかなぁ?

これ、布で作ったカメラバッグ。

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などなど。

以上、アタクシ個人の思い込みだけで、映画やその中のシーンを選んだので、第三者の方が見ると、なんで???と、思われるであろうと予測しますが、なんせ、ファッション雑誌がやらないような服のシリーズにしたかったので、こんな感じになっちゃいました。

まだまだ、続きますんで。。。

次回はフランス映画のゴダールです。

L*







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