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いいことだけ

午前中からでかけて夕方へとへとになって帰ってきた。
開業準備に追われているだけで一円も稼いでいないのにとても気分がいい。
今日あったいいことだけ。

1、
昨日からNetflixでLIGHTHOUSEを観ている。

星野源かー…若林かー…なんだっけトゥースの人の相方?くらいのノリでなんとなく観はじめたけどこれがすごかった。
おふたりが、華やかに見える世界で今の立場になるまでに歩いてきた道のり、今いる場所へのおもい、都度感じるなじめなさ…

驚いた。同じなんだ。

お金を持っていることや名前が知れていることを「成功」と呼ぶならばおふたりはすごい「成功者」なんだけど、人間の形をしているだけあってやっぱり中身はわたしとも同じ人間で、なにもはしょらずに自分の頭を使って自分の気持ちを言葉にできるし、それが誰かを大切にしている言葉でもあって、とにかくすごい。
とにかく性格がいい。なんでも斜め上から見て自分のことは棚に上げっぱなしで不満ばっかり言ってるわたしとは大違い。こんなにいい人でもああいう世界で生きていけるんだ、生きづらいけどなんとかやりくりしているんだと思うと頭が爆発しそうになる。わたしなら秒で逃げてる。
そこまでして世界に向かってやりたいことがある、ということがちょっと信じられない。けど、めちゃわかる。

SNSは世界ではない、自分の世界は自分の中にあるし、そこにしか本音はない。人に合わせる必要もない。
そうか、それでいいのか。ある程度傷つくのは仕方ないこととしても、とにかく自分でじぶんを信じてやらなければ死ぬまでどこにもたどり着けないんだ。

言い訳しないでやりたいことをやる覚悟ができた。
ここでどんなに叫んでも届かないけど、星野さん若林さん佐久間さん、本当にありがとうございました。サントラ出してください。

2、
お店で使うテーブルをオーダーするべく合羽橋に行った。

家具屋さんは、前回調理道具を見に行ってふらっと入った昔ながらの業務用の家具を扱うお店。なんとなく見ていたらおじさんに話しかけられた。正直めんどくせーなこんなとこじゃ買わねーよ、と思ってさっさと出ようと思ったけど、片隅にテーブルの天板が大量にある。

「おじさんもしかしてここでテーブル作ってもらえるんですか?」
「もちろん」
「お高いんでしょ?」
「うーん、ひとつ2万くらいかな?」
「安!やります作ります作ってください」

という流れで話すだけ話して、ちゃんとオーダーするときはまた来ますって名刺もらって帰った。それが1ヶ月くらい前の話。

久しぶりにお店に入ったら「ああ!テーブルの!」って覚えていてくれてめちゃ話が早かったし、中古のいすもどっかから持って来てくれて、いい意味でも悪い意味でもアットホーム?フレンドリー?な接客で気持ちよくオーダーして帰ってきた。商売はこうでなくてななるまい。

通りかかりのお店でミルクパン買ったらそこのおじさんも「箱、いる?いらないなら捨てちゃうよー」なんて言ってくれて、そうそうだから商売はこういうことなのよ、わたしはこれをやるために自分でお店をやるのよ、とじんわりうれしくなってしまった。

気を良くして、これはもう包丁だ!と空腹のまま浅草方面に歩いて途中の喫茶店でぶよぶよであっつあつのナポリタン食べて、老若男女が喫茶店に集うお手本みたいな景色を見、ずっと気になっていた包丁屋さんへ。

ほとんど決めていたのであっという間に選んだけど、なんとそこで刃をつけてくれると言う。わくわくの極み。
おじさんがいろんな研石であれこれやっているのを最前列で見せていただく間にいろんなお話をさせていただいて、最後には奥から横須賀出身の奥さままで出てきてくださって楽しい時間となった。

だから、わたしがやりたいのはこういうことなんよ。
お父さんが「昔は波乗りに行ったなあ、茅ヶ崎」なんて言って、息子さんが「いつ頃オープンなんですか?」なんて聞いてくださって、奥さまには「お店の名前は?えー、絶対行こう!」なんて言っていただけて、めちゃかっこいい包丁も買えて、天国かと思っちゃった。

とにかく今日のわたしはツイてた。
明日死ぬかも知れない。
もし生きてたら今日いただいたみなさんの親切を糧にがんばります。

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