「リモートワークだし無駄な会議はなくすのだ」に、ちょっと待った。

しゅんしゅしゅんです。

コロナ過におけるリモートワークの中で、程度の差はあれ誰しもが「会議も変わってきたな」と実感していることだと思います。

対面ではなくWEBでの会議がメインになったり。会議の数が減って、テキストのコミュニケーションが増えたり。「これを機に会議の数を見直そう」の号令でなくなったはずの会議がいつのまにか復活してたり。

あるあるで言うと、こんなところですかね。

コロナの緊急事態宣言明けから、僕の会社はグループ毎に出社曜日を決めての週2出社運用になりました。「そうはいっても対面のほうが深い話ができるよね」ということで、出社曜日の火曜と木曜は会議でパンパンです。

そんな最近の僕の会議事情がきっかけで!ではないのですが、少し前に「会議」にまつわるビジネス書をディグってみました。

会議系ビジネス書は大きく2分類されます。①会議の設計や運用を指南する系。②会議中のファシリテーションを指南する系。今回ディグったのは前者のほうです。

「会議のこと改めて考えたい!!」と思ったら、この2冊がいいですよ。いや、この2冊だけでいいですよ。この2冊を読むときっと大いなる気づきが得られます。

(結果的に「グーグル」「モルガン・スタンレー」「Amazon」なんて社名が躍ってますがと、別に僕は外資系大好き人間ではないです笑)

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会議系でおススメのビジネス書のご紹介はここらにしまして、ここからは、何冊も会議系の本を読んだなかで「見誤ってはいけないな~と思ったこと」を書き残しておこうと思います。

それは、会議も目的思考が大事で、目的に対して素直に考えた方がいいよねってことです。

会議系の本のなかでは、
①会議には「意思決定」「議論」「情報伝達」の3種類しかなく、「情報伝達」の会議は極力なくそう。
②会議のための資料は極力なくそう。(なるべく時間をかけないようにしよう)
大体この2点が主張されがちです。

でも、この2点。その言葉面だけをうけて、導入したとて大したことにならないと思うのです。

報告・共有事項はメール添付して関係者に一斉送信するか社内システム上にアップロードしたら済む。本当に必要な情報であればみんな主体的にみにいくはずだ。もし誰も見ないのであれば、それは不要だということ。だからわざわざ多くの人を集めた会議の場で伝達する必要などないのである!

これが「情報伝達」の会議はなくそうという主張の理由です。

でも「本当にそれでいいのか?」と疑問に思うのです。

機能が細分化された組織構造の中で、日々タスクに追われていると、忙しさにかまけて必要であっても見にいかなくなるのが人間というもの。見にいったとしても自部署・自業務の視界の中で必要だと個々人が思うものだけを見にいくもの。「本当に必要な情報であればみんな主体的に見にいくはず」なんて善意に頼って設計するなんて危なっかしい。

自部署・自業務の視界を超えて情報をとりにいかないと、自分がやっている業務が実は不必要になっているかもしれない(優先事項が低くなっているかもしれない)ことに気づけない、そんなことが発生する可能性は結構あります。

また、会社の全体感や各々の業務の繋がりを常に意識しておかないと、業務の進め方が非効率になることもあるし、会社の進んでいる方向が見えづらくなってモチベーションが低下する可能性もあります。

そんな中、会議は「知っておいた方がいい情報を半ば強制的にでも取得してもらう場」として使えるのです。

お互いの業務が密接かつ目まぐるしく会社の状況が変わるベンチャー企業であれば全メンバーがお互いの情報を浴びる場を設計することはわりと重要だったりします。

定例の情報共有会議において情報のアップデートがない時に、ただ集まって茶飲み話をして「今週は何もなかったけど引き続き頑張ろう」と言って別れるのは時間の無駄でしかない。

そんな主張も「本当にそうなのかな?」と思ったほうがいいと思います。

そもそも会議には「意志決定」「議論」「情報伝達」の3種類だけではなく「チームビルディング」という4種類目があるはずです。

顔を合わせて茶飲み話することが大事な手段だってこともあるんです。ほっと一息、自分がチームであることを感じる場。自分の嬉しいを知ってもらう喜び、自分の辛いを知ってもらう安心を感じる場。そんな雑談が心理的安全性を産むきっかけとなります。

「あんまりアップデートがないし、みんな忙しいだろうから、今週も会議はなしで」と何週にもわたり、会議をスキップし続けている間に、チームが崩壊に近づいてることだってある。

あと、資料も極力簡易になんていうけど、これも目的次第。

例えば共有会議での共有事項の中には、参加者にコミットしてもらい主体的に行動をしてもらわないといけないものがあるはずです。その時の資料は簡易でいいはずがない。誰が聞いても認識齟齬がないように丁寧に、そしてコミットしてもらうためには感情に訴えかけるように綿密に、資料を作る必要があります。

会議資料は、内容のなき装飾に時間をかけたりせずにシンプルにしようは基本的には正しいと思います。でもそれもひとつひとつの目的によるでしょうよってことです。作りこまれた資料の力は、はかりしれないものがあるんですから。

「リモートワークだし無駄な会議を見直そう。極力なくす方向で」って大号令は、ほぼ全ての会社で起きたことだと思うし、今後も起きていくものだと思います。特に「情報伝達会議」は目の敵にされやすい。

極力なくす方向性に安易にのみこまれることなく、目的に素直になって「ちょっと待った!」の精神でいたいもんです。


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