実家に泊まりに行った時、母から「これ持って行きなさい、かわいいわよ」と言って渡された古い手帳。表紙には「出席カード」という文字と、「X」と「P」を帆船の形に図案化し、鳩も描かれたマークが書いてある。

わたしの幼稚園時代の出席カード。毎朝登園するたびにシールをもらっていたようだ。わたしは当時住んでいた地方都市で藤幼稚園というカトリック系の幼稚園に通っていた。園にはシスターだったりシスターじゃなかったりした先生方がいたし、園の横にはツタのからまる教会があったのを覚えている。ほかに幼稚園児に持たせるだろうかと今では考えるが、記憶ではろうそくを持って、教会の聖堂を行列を作って行進したのを覚えている。もう５０年以上も前の記憶だ。

ページをめくると、天使が園児をみちびいている絵の下に「園のことば」とあり、「てんごくに　おいのり　がまん　しんせつの　きれいな　こころのはなを　さかせましょう」と書いてある。

月ごとに見開きで絵とシールを貼るためのカレンダーがあって、絵がたいへんかわいらしい。

聖母子像。とてもかわいらしいマリアさまとイエズスさま。

キリストの生誕。定期的に幼稚園から絵本をもらっていたと思われるが、記憶にあるのは１冊のみで、内容はベツレヘムの馬小屋で誕生した幼子イエズスを、天使に導かれた羊飼いたちや、星に導かれた３博士が礼拝するという物語だったと思う。

エジプトへの避難。幼子が生まれてまもなく、ヘロデ大王の幼子虐殺を逃れるため、聖家族はエジプトに避難した。

たき火をかこむ神父さまとこどもたち。

すっかり見入ってしまった。最近では枕元に置いて、夜寝る前にながめている。