私もがんばる。

入学式に桜が咲いているなんて。
私の前に並ぶだれかのお父さん、見上げて桜の写真を撮っていた。私も真似して撮ってみた。全然うまく撮れなかった。桜はまるいかたまりで咲くなあ。いつも思うことを、見るたび思う。曇り空の桜は、はっきりしない。まるでグレーみたいなピンク。私もそんな気分だ。春はどうしても、そうなってしまう。青空だったら。また違うことを思ったのだろうか。

はじめてのことはとても緊張する。
息子が中学に入学した。児童受付の時間と保護者受付の時間があって、息子は先に出発。娘のことで私はイライラしてしまい、それもあって、どんよりと緊張をまじえて中学まで歩いた。知り合い3人とすれ違う。3人とも「おーい」みたいな感じで、私の名前を呼んでくれた。ぶわぶわっと元気が出る。私の心が動くのがわかった。心動く時、生きている!って感じがする。いや、生き返るか。

「期待と不安…」
市長からのビデオメッセージを聞きながら、このありきたりな言葉こそ、ピッタリだと思った。だれかの祝辞を聞きながら、私だったら子どもたちになんと伝えるだろうと。ほんのちょっとだけ考える。きれいな言葉だけでは、どうにもならない時だから、心からの言葉を思い浮かべようとする。

退場する子どもたちに拍手をおくる。
この子たちの心がどうかのびやかでありますように、と願う。変に萎縮したりしないで、あなたがあなたらしくいられますように。そんなことを思いながら、私もそうありたいよな、と思った。そんな姿を子どもたちに見せたいもんだ。私もがんばるよ。