7*お母さんのハーブティ
バルアトルケものがたりⅤ*7
セオナルドとルシス、おかあさんはポリッジを食べ終えました。
おかあさんがお手製のハーブティを準備しています。
おかあさんのハーブティはその日によってブレンド、割りあいがかわります。お天気や一緒に飲む人によっても変わるのです。
「今朝はみんながいつもとちがうからむずかしかったわ。」
おかあさんはハーブティをマグカップにそそぎながら言いました。
「わあ。いいにおい。おかあさんのハーブティ 大好き」
セオナルドはマグをのぞき込みながらいいました。
「ちょっとすうっとするにおいがするね。これはなに?」
「アップルミントよ 今日はアップルミントと干したリンゴの皮とオレンジの皮、そしてほんのちょっとローズマリーがはいっているわ。」
おかあさんはそのあとにルシスに
「これはルシス用。これでお茶をかき混ぜてね。」
茶色のスティックをわたしました。シナモンスティックです。
「わたしだけ?なんで?」
「あなたはアリィの看病をしていたからね。特別よ」
「アリィ、だいじょうぶかなあ。はやくよくなるといいね。」
セオナルドはハーブティをすすりながら言いました。
ルシスはシナモンスティックを入れてかき混ぜ、くんくんとシナモンステッィックのにおいをかぎ、ぼりぼりと食べてしまいました。
「けほっつ なんだか強いね!けほけほする」
目をしばしばさせ、むせています。プスン、プスン と小さな煙をはきだしています。
「ルシス!食べちゃったの?」
セオナルドが目を丸くし、おかあさんは笑っていいました。
「食べても大丈夫だけど、美味しいかしら?さすがドラゴンね。」
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