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テレビディレクター6年目からみた「世界」のあれこれ。

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ごまちゃんねる・プロフィール

大分住まいのテレビ局ディレクターの30代です。 滋賀(18年)→神戸(6年)→ドイツ(0.5年)→東京(2.5年)→大阪(2年)→大分(2年目)を住んできました。 生まれてから物心つく8歳まで、スーパー山奥の集落にて、茅葺の家に住んでいました。 下山するのに車で30分。1週間に1度の楽しみは、図書館に行って本を大量に借りて帰って読みふけること。ファンタジーでもフィクションでも、世界の扉が開かれていて、いろんな人の物語が詰まっていました。ちなみに、この時代のリアルの友達は、

    • 「ひな人形って、こんな自由でいいの!?」

      3月3日のひな祭り、今年はいかがお過ごしでしたか?私は多分、最近マイブームの豆乳割り甘酒を少し飲んだ。ゆとり世代ぐらいの年齢層の女性だったら、なんだかんだで多くの人の実家にあるんじゃないかと思うひな人形。私の家にも、多分小学2年生ぐらいまでちゃんと飾っていて、それ以降はずっと段ボールにしまわれ、日の目を見ることはない感じ。 母は、「いつか女の子の孫が産まれたときに…」という思いで残しているようだけど、そんな未来があるのかは2024年3月3日時点では謎です。「多様性」の現代社会

      • インド滞在記③「セルフィーしよう!」って声かけてきた女の子の「夢」はなんだったんだろう?

        ラッシー屋の「黒い女性」と「カラフルな女の子」 ガンジス川のある町・ヴァラナシ。旅の4日目は、日本人の女性ガイドさんといっしょに街をブラブラした。インドの人口の8割を占めるヒンドゥー教の聖地であるヴァラナシだけど、同じ街には、イスラム教(インドの人口の1割強)が多く暮らすエリアもある。そんなイスラムストリートにあるラッシー屋さんで一休みした。店内には、50代ぐらいの恰幅のいいおじさんと、10代の男の子がおしゃべりをしながら、通りを眺めていた。 ちょっぴり閑散気味のところで

        • インド滞在記②「来世は、なにになれるのだろう?」

          最近、遅ればせながら、ドラマ「ブラッシュアップライフ」にとてもはまっている。本ドラマは、1年前(ちょうど今日からスタート)放送された、バカリズムさんの秀逸な脚本による連ドラ。平凡な人生を送っていた女性が、今世の「徳」が足りず、来世は魚や動物を宣告され、今世を何度もやり直すお話。(年末に一挙再放送され、Neflixでも配信中!) 私の感想は、いくら今世をやり直せるからっていったって、そこに費やす時間や労力めちゃくちゃ大変だし、それを事細かに日々ぬかりなく生きるってけっこうしん

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        ごまちゃんねる・プロフィール

          インド滞在記①早朝のチャイ屋で働く少年は、「かわいそう」?

          2023/12/17-12/23、10年ごしの思いで初インドに行ってきた。そのとき感じたことを、ちょっとだけ言語化してみようと思う。 写真の少年は、ヴァラナシのチャイ屋さんで働く、すごく控えめだけど人懐っこい男の子。 彼の作るミルクパンは、とてもおいしい。 あつあつのパンに、ふわふわしたミルクの上澄みのクリームに、たまにジャリっとザラメが甘い。 ひとつ多分20円ぐらい。 訪れたのは、朝8時ごろ。 彼は、学校に行けてるのだろうか… 大学1年生…「国際協力」が息苦しくなっ

          インド滞在記①早朝のチャイ屋で働く少年は、「かわいそう」?

          ニワトリをさばいた話と、培養肉。

          読書の秋、みなさんいかがお過ごしでしょうか。家の積読を確実に消化する「読書の秋」に加えて、今年は「思考の秋」にしたい。 というのも、一度読んで再読したのがこちらの2冊。 「書く習慣(いしかわゆき)」 「キリンに雷が落ちてどうする 少し考える日々(品田遊)」 ちょっと調べてみたら、ほとんど自分と同世代で、しかも毎日ノートを書いてらっしゃる。書かないことにはなにもはじまらないのよね。 培養肉の普及によって、価値観は変わるかも!? 「キリンに雷が落ちてどうする 少し考える日々」

          ニワトリをさばいた話と、培養肉。

          「労働」っていうテーマで絵を描くなら、なにを描く?

          1.働かない秋の休日は最高です。 今日は、博多からこの投稿を書いている。大分から博多には、特急「ソニック」に乗る。本を読んでたけど、ふと窓に目をやると、秋の夕日に輝く稲穂が目に入った。きれいだった。 「あぁ、いい秋の休日だ。最高。働かない土日は久しぶり~(歓喜)」 そんな風景を見ながら、今朝の、知人とのLINEを思い出した。彼は、社会人で芸大受験中で、週末に予備校に通っている。本日の芸大予備校の課題がこちら。 へぇ。こんな課題を毎週、芸大予備校はやってるんだなぁという驚

          「労働」っていうテーマで絵を描くなら、なにを描く?

          タヨウセイ、バンザイ。

          「多様性って全部が迎え入れるべきなのか…正直、ぼくはそう思えないんです。そこに問いを投げる番組なら、見る気がします。もうきれいごとはいいんですよね。」 来週の月曜日に番組企画の締め切りがある。 深夜枠ぐらいで、フォーマットもテーマも完全に自由。 全然アイデアは浮かんでこない中で、同居人の一人に相談したら、こんな返事が返ってきた。 次の日、本屋さんに行ったときに旅の道連れ用に、 朝井リョウの「正欲」という文庫本に手が伸びた。 あらすじはこんな感じ。 読んだ感想としては、も

          タヨウセイ、バンザイ。

          「日本を好きでいてくれますか?」のモヤモヤ

          昨日、日本で暮らす外国人の家族をテーマにした番組をみた。 その番組の核となる問いがあった。 「まだ日本を好きでいてくれますか?」 なんだか違和感をもってしまったのだ。 その問いを彼らに投げることが。 ブラジル出身のお母さんとカフェ。 実は、その番組で出演していた方は、私も番組でご一緒したことがある。 ブラジル出身のシングルマザー・Vさん。 25年前に日本にやってきて、小学生の2人の子どもを育てるシングルマザーだ。 職業は、スクールカウンセラー。外国ルーツの子どもや保護

          「日本を好きでいてくれますか?」のモヤモヤ

          「もしもし、運命の人ですか。」の破壊力

          半年ぶりに恋愛がらみで「これはおもしろい!」という本を見つけた。 (前回は、「傲慢と善良」。こちらすでに10人以上に布教し、好評です笑) 個性派書店の平積みされていた、こちらの本。 「もしもし、運命の人ですか。」 いったいどういうことなんだと。 「もしもし」って、電話しか冒頭にしか使わないけど、あえてふつうでは絶対に続かない「運命の人」という、大胆な言葉をならべることのアンバランスさ。 過去これまでのたくさんの恋愛経験もあって、 もはや運命なんて信じる気持ちなんてほとん

          「もしもし、運命の人ですか。」の破壊力

          はじめての「パレード」

          2週間前、会社の先輩から、東京レインボープライドパレードに誘われた。 正直、構えた。 東京レインボープライドパレードとは、LGBTQなど性的マイノリティへの理解を求めるパレード。今年で10回目を迎える。 PARADE | 東京レインボープライド2023 (tokyorainbowpride.com) 半年前まで、マイノリティーをテーマにした番組制作に関わっていた。 障害者、外国人、部落、そして、LGBTQもテーマに入る。 でも、自らLGBTQに関する企画書を書いたことはな

          はじめての「パレード」

          花粉症休暇導入社会に向けて...

          今年は、10年に一度のレベルの花粉が飛んでいるらしい。 最近仲良くなった友達が重度の花粉症で苦しんでいて、 まだ花粉症を発症してない自分にとって、はじめて花粉症が少し身近になった。 友達は、10歳から発症し、シーズン前から薬を飲んで、シーズン中は誰も家に入れず対策を徹底しているにも関わらず、毎日37.2度で仕事をし、鼻づまりで眠れないから睡眠薬を飲みつつ慢性的な寝不足のなか、日々頑張っているらしい。もちろん、お花見なんて、論外。 これがあと3か月×40年=10年間続く。かわ

          花粉症休暇導入社会に向けて...

          rapとrep -ドキュメント20min 「I rep myself」-

          就活が解禁したらしい今週、立て続けに2件のOG訪問を受けた。 次の春で、一応テレビディレクター6年目になる。 テレビっ子じゃないなりに、少なくとも、目の前に出会った取材者・取材テーマに対して、どのときも全力を尽くしたということは自負している。 とはいえ、全然まだまだスキルも思考も身につかない。 就活生に「ちゃんとテレビ見ないとね」と言っときながら、 自分もできていないので、たまに番組の感想を書こうかなと思う。 今回見たのは、NHK ドキュメント20min.「I rep my

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          ゆとりと、SSHと、STEAMと。

          「21世紀を生き抜くために、詰め込みじゃない教育が必要なんです。今こそSTEAM教育です」 脱・詰め込み教育を、この20年ほど、何度も聞いた気がする…。 これまでと、一体なにが違うんですか? 1. ゆとり教育スタート前夜 カタツムリのウンチと私。 1992年生まれ、今年30歳の私は、公立小学校に通っていた。 記憶によれば、小学2年生まで土曜日に午前だけ授業があった。 授業といっても、1時間目はホームルーム的なもので、 2時間目と3時間目は、「わかあゆ学習」だった。 この「

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          屋上から飛び降りた高校生だった彼女

          私が彼女にはじめて出会ったのは、2021年の暮れ、クリスマス。 出張先の渋谷のホテルの一室で、画面越しに出会った彼女の第一印象は、 可愛くて、かっこよくて、のびやかな女性だった。 彼女は、高校2年生のとき、自ら屋上から飛び降りた。 今は、首の骨を損傷して、車椅子で一人で生活している。 彼女の番組やネット記事は、事前にリサーチ済みだった。 韓国出身の母の元で、ヤングケアラーというような子供時代を過ごした過去をもつと見聞きして、正直なところかなり身構えていた。 一度話してみて

          屋上から飛び降りた高校生だった彼女

          「人生で一番刺さった小説」に手が伸びた30歳の私。

          「転勤したとき、遠距離で付き合ってた3つ上の彼女いて、向こうは結婚したがってたけど、僕的には、まだ早かったから別れたんよね〜」 「にしても、今年だけでも6つも結婚式あって、さすがに応えるよね。僕も、いつかは結婚したいけどね笑」 今月、大分に転勤した。 転勤先の違う部署のちょっとイケメンな先輩とサシ飲み。 仕事の話を一通りしたら、こんな話になった。 先輩は、偶然にも私と同い年、30歳だった。 この年になると、なかなか不可避のこの話題。 次の日、SF小説を探しに本屋をぷらぷら

          「人生で一番刺さった小説」に手が伸びた30歳の私。